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SMARTの法則
目標設定を効果的にする方法を解説

2024.05.30 コラム

目標設定は成果を上げて成長するために必要なプロセスです。効果的な目標設定を行うためには、いくつかの基本的なステップと原則があるため、フレームワークの活用が有効です。 目標設定の際に使うフレームワークの一つに「SMARTの法則」があります。SMARTの法則は、シンプルでわかりやすく評価基準を明確にするため、目標達成へのモチベーション維持に効果的です。 そこで今回は、目標設定に役立つフレームワーク「SMARTの法則」について紹介します。

目次

SMARTの法則とは

SMARTの法則は、目標設定を行う際に使用するフレームワークの一つです。 1981年にマネジメント関連のコンサルタントであるジョージ・T・ドランによって提唱され、現在もなお、さまざまな分野で有効かつ信頼できる目標設定のフレームワークとして広く使用されています。適用範囲が広く、目標達成に効果的であることから、多くの組織や個人が活用しています。 5つの要素に従って目標を設定するため、その頭文字をとって「SMARTの法則」と呼ばれています。下記の5つの要素を取り入れることで、効果的な目標と行動計画を立てやすくなります。 S: Specific 具体的な M: Measurable 測定可能な A: Achievable 達成可能な R: Relevant 関連性のある T: Time-bound  期限のある

SMARTの法則の5つの要素

SMARTの法則が示す、目標設定に必要な5つの要素について紹介します。

S: Specific 「具体的な」

目標は具体的で明確に定義されている必要があります。あいまいな表現ではなく、具体的な行動に結びつき、誰が見てもわかりやすい内容にします。 組織の目標が抽象的で漠然としていると、メンバーが誤解してしまうリスクがあるため、誰にとっても理解しやすく具体的なものにします。個人の目標も、本人はもちろん、上司や周囲も納得できる内容で、本人が行動に移しやすい内容にします。 また、Specific(具体的な)は、Measurable(計測可能な)とセットで考えるようにします。例えば、新商品プロジェクトにおける目標設定で、「プロモーションで話題性を作る」といった狙いは、より具体化することが必要です。「新商品を紹介するSNS投稿で、比較対象の記事より20%を上回る閲覧数を獲得する」「去年の商品より、メディアでの紹介を10件増やす」など、数値を合わせて具体的な内容にします。

M: Measurable 「計測可能な」

達成度を測定できるようにするには、具体的な数値や指標を目標に含む必要があります。進捗を評価するための基準や指標を設定し、どの程度達成しているのかを定量的に確認できるようにします。数値が入っていない目標では、本人の主観的な判断が入ってしまうため、正確な検証ができません。 Specific(具体的な)で紹介したように、行動に落とし込みやすい内容にするためには、計測可能な件数や、比較対象のプラス%といった目標を設定します。また、業務効率化などの目標設定であれば、作業時間のマイナス%などの目標にします。    

A: Achievable 「達成可能な」

設定する目標は、現実的で達成可能なものである必要があります。結果を追い求めると、つい高い目標を設定してしまいますが、高すぎる目標や非現実的な目標は避け、現実的に達成可能な範囲で設定します。 達成が難しい目標を掲げると心理的な負荷がかかり、仕事のモチベーションやサービスの質が低下する原因になります。「頑張ったら達成できる」目標を設定し、達成することで個人もチームもモチベーションが上がり、次の目標に対して前向きになり、さらなる成長につながります。  

R: Relevant 「関連性のある」

自分が立てた目標が組織の目標と関連性があり、目指す方向性が一致していることもポイントです。個人やチームの目標達成が、組織全体のパフォーマンス向上や利益に結びつきます。 個人の場合、「目標が自分の評価や将来と関連していること」も含まれます。目標達成によって昇給やインセンティブ、キャリアアップにつながる内容であれば、成長で動機付けをすることができます。

T: Time-bound 「期限のある」

目標には明確な期限を設定します。期限を設定していないと先延ばしになり、目標が形骸化してしまう可能性もあります。いつまでに何を達成するのかを決めることで、時間管理がしやすくなり、達成への意欲を高めることができます。 また、期日を考える上で大切なことが、Achievable(達成可能な)の考え方です。設定した期限が実現不可能だと、心身への負担が大きくなるとともに、目標の現実味がなくなってしまいます。

SMARTの法則を活用するメリット

SMARTの法則は、組織のメンバーの業績やパフォーマンスに関する目標設定にはもちろん、プロジェクトの目標達成に向けた進捗管理にも有効です。 実際に活用する際のメリットについて紹介します。

行動計画を立てやすい

SMARTの法則では、具体的で測定しやすい目標に設定します。そのため、行動計画を立てやすくなり、期限から逆算した業務の進捗管理ができます。また、主体的に計画するため、やるべきことが明確になり、行動に移しやすいこともメリットです。受け身で指示待ちの態度を解消することができます。

モチベーション管理がしやすい

モチベーションの維持や向上も、SMARTの法則による目標設定のメリットです。期限や数値目標があるため、目指すことが明確で達成の検証がしやすいです。成功体験を積み重ねることで、よりモチベーションの維持や向上につながります。

評価がしやすい

測定可能な数値や期限を設定するため、目標の達成度の評価や振り返りにも役立ちます。人事評価の場合、組織の方向性と一致した目標の達成状況や実績から組織への貢献度も分かるため、公平性の高い評価がしやすいというメリットがあります。評価される側も自身の達成度を明確に把握でき、結果を受け入れやすくなります。

改善点に気付く

目標に届かなかった場合でも、次への改善点を考えやすいことは、SMARTの法則の特徴的なメリットといえます。PDCAサイクルを回すことができるため、個人の目標設定にも、プロジェクト管理にも適したアプローチです。

SMARTの法則を活用するポイント

SMARTの法則は、目標設定の基本かつシンプルなアプローチであるため、他のフレームワークを組み合わせることで、組織での活用が高度化します。

行動目標と成果目標の両方を設定する

目標を設定する際は、自分で行動できる「行動目標」と、行動の結果となる「成果目標」の両方を含むようにします。 例えば、「月間売上20%増」というゴールを成果目標として、そのために必要な「月間新規アポ獲得20件」「月間見積り提出数10件」などを行動目標とします。 このように「行動目標」と「成果目標」の両方を設定することで、行動と成果をひも付けます。個人の目標の中に両方の要素を含むことで、評価の際に組織への貢献度が測りやすくなります。

OKR(Objectives and Key Results)

OKRは「目標と成果指標」のことで、全体のビジョンに対する進捗を管理する方法です。「どれだけビジョンに近づいているか」を把握するためのフレームワークです。 このフレームワークでは、主に組織全体の目標と部門や個人の成果を見ながら、状況を把握します。この場合、組織の目標はビジョンや方向性など定性的になることもあるため、目標とともに具体的な成果指標(Key Results)を設定します。

まとめ

今回はSMARTの法則について紹介しました。5つの要素に従うことで、組織と個人の成長につながる目標が設定できるフレームワークです。 SMARTの法則を学ぶためには、自分自身が目標設定の仕方を身に付ける「目標設定研修」や、部下の目標の立てさせ方を学ぶ「指導育成研修」などがあります。 社員研修をご検討中の方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください。

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