ロジカルコミュニケーション
基本的な考え方とメリットを紹介
ロジカルコミュニケーションは、論理的で根拠のある内容を明確に伝えるスキルです。全てのビジネスパーソンに役立つ必須スキルの一つです。
しかし、必須スキルでありながら、実践できている人が少なく、周囲とのミスコミュニケーションや信頼関係の悪化につながるケースがあります。
そこで今回は、「ロジカルコミュニケーションの基本的な考え方とメリット」を紹介します。
目次
ロジカルコミュニケーションとは
ロジカルコミュニケーションは、情報や自分の意見を論理的にまとめ、相手に明確に伝えるための方法です。
ロジカルコミュニケーションは、二つの要素で構成されています。
1.自分の考えを論理的にまとめる力
2.相手にわかりやすく伝える力
自分の考えを論理的にまとめることは、ロジカルシンキングに基づきます。ロジカルシンキングは情報を整理し、原因と結果の関係を明確にし、論理的な筋道を立てて考える能力です。
論理的にまとめた後は、それを相手にわかりやすく伝えることが必要です。わかりやすいように話の構成を変えたり、相手の理解度に合わせて話したり、工夫することが求められます。
近年のビジネスシーンは情報量が多く、複雑な問題を解決するためには、論理的に考えるだけでなく、わかりやすく簡潔に伝えるスキルが不可欠であることから注目されています。
ロジカルコミュニケーションのメリット
ロジカルコミュニケーションには、会議やプレゼンテーション、日常的なコミュニケーションを発展させるメリットがあります。
ロジカルコミュニケーションには、次のような効果があります。
-効率的な情報伝達:論理的に情報を伝えることで、相手の理解が迅速になる
-説得力の向上:明確で根拠のある主張は説得力を高める
-誤解の防止:論理的な話の構成により、誤解や混乱を避けることができる
次に、仕事をする上で具体的にどのようなメリットがあるかを紹介します。
-コミュニケーションロスの削減
伝えたつもりだが、相手に伝わっていないコミュニケーションロスは起こりがちな事象です。
ビジネスを効率良く進めるためには、相手に正確に伝わるコミュニケーションが大切です。
例えば、商品やサービスの説明が十分に伝わらなければ、顧客とのトラブルにつながるリスクがあります。
-プレゼンテーションや交渉力の向上
論理的で根拠のあるコミュニケーションを身に付けると、プレゼンテーションや交渉力が向上することも大きなメリットです。
ロジカルコミュニケーションを身に付けることで、相手が求めている情報を整理して、わかりやすく伝えることができます。
また、論理的なコミュニケーションは、交渉にも役立ちます。相手を説得して、双方が納得できる結論に導くことができるようになります。
-部下後輩の育成力の向上
部下の育成には、上司がいかにわかりやすく伝えられるかが鍵になります。論理的なコミュニケーションができる上司は、部下に納得感を与えることができるため、信頼できる存在です。
部下の強みや課題を整理して伝えることができるようになるため、人事評価やフィードバックスキルが向上します。
ロジカルコミュニケーションの基本の考え方とスキル
ロジカルコミュニケーションの基本的な考え方と、役立つフレームワークを紹介します。
ロジカルコミュニケーションを実践する際、最初に行うのが「コミュニケーションの目的の明確化」です。例えば、情報提供・説得・問題解決など、目的を明確にすることで、伝える内容の構成や論拠の組み立て方が、よりわかりやすくなる効果があります。
ロジカルコミュニケーションの「伝え方」で効果的なフレームワークがPREP法です。 PREP法では、下記のように各パートを整理して伝えるため、論理的で説得力のあるコミュニケーションが可能になります。
-Point(結論):テーマや主要なメッセージを伝える
-Reason(理由):伝えたいメッセージの理由や背景を示す
-Example(具体例):内容を裏付ける論理的な根拠やデータ(統計・具体例・引用など)の提示
-Point(結論): 内容や主張を要約し、再度メッセージを強調する
そして、ロジカルコミュニケーションでは、次の二つの要素も不可欠です。
-一貫性:
全体の論理が一貫していることが重要です。矛盾のない議論を展開し、論理の飛躍を避けます。
-明瞭さ:
簡潔で明瞭な言葉を使い、専門用語や難解な表現を避けます。また、視覚的な補助(グラフや図表など)を使用することで理解を促進します。
ロジカルコミュニケーションを実践する際は、伝える内容をロジカルシンキングで考えます。
ロジカルシンキングは、物事を論理的に整理し、筋道を立てて考える能力やアプローチで、次の5つのポイントで思考を整理します。
1) 事実に基づく判断:感情や直感ではなく、客観的なデータや情報を基に判断する
2) 原因と結果の関係の明確化:問題の原因を特定し、その結果を予測する
3) ステップバイステップのアプローチ:問題解決において、複雑な問題を小さな要素に分解し、一つひとつのステップを順番に解決する
4) 一貫性のある内容:自分の考えや意見を一貫して説明し、論理の飛躍がないようにする
5) 仮説検証:問題に対して仮説を立て、その仮説を検証することで結論に至るプロセスを重視する
次に、このロジカルシンキングに役立つフレームワークを紹介します。論理的に情報を整理したり、各要素の関係性を明らかにしたりするために役立ちます。
-ピラミッド構造:中心的なアイデアを頂点に置き、その下にサポートする詳細情報を階層的に配置します。これにより、情報がわかりやすく、視覚的にも理解しやすくなります。
-MECE:相互排他・完全網羅の原則で、問題を重複なく、漏れなく整理します。
ロジカルコミュニケーションの身に付け方
ロジカルコミュニケーションを身に付けるためには、ロジカルシンキングの考え方とコミュニケーションのスキルの両方を磨くことが必要です。
ロジカルシンキングは、前項で説明したような、ロジカルシンキングのアプローチで、情報を整理して、伝える内容を組み立てるトレーニングを行います。
論理的に伝えるトレーニングとしては、次のようなコミュニケーションのロールプレイングが効果的です。
-PREP法:前項で紹介した、Point(結論)・Reason(理由)・Example(例)・Point(ポイントの再確認)のロールプレイングを繰り返し行い、身に付けます。
-フィードバック:ロールプレイングの中でフィードバックを求め、相手の理解度を確認します。これによって、必要に応じて説明を補足したり、誤解を解消したりするスキルが身に付きます。
-質問力:適切な質問をする練習を行い、相手の考えや意見を引き出し、議論を深めるスキルを身に付けます。質問は、自分の主張が論理的かチェックする手段としても有効です。
まとめ
今回はロジカルコミュニケーションについて紹介しました。ロジカルコミュニケーションを身に付けるためには、ロジカルシンキングとコミュニケーションの二つのスキルを磨く必要があります。ロールプレイングやフレームワークの使い分けなど、学ぶことが多いため、外部研修を活用することが有効です。ロジカルコミュニケーション研修をご検討の方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください。