部下育成のポイントとは?
部下のタイプ別の指導方法を解説
部下の指導育成やコミュニケーションは、管理職にとって重要な役割の一つです。ですが、部下の性格や資質・特性はさまざまであるため、それぞれの能力を引き出すには一律の指導方法では十分ではありません。 そこで今回は、「部下のタイプ別の指導方法」について解説します。
目次
部下の指導における課題
部下の指導において、「部下が育たない」という悩みを持つ管理職は多く、これらの課題が壁となっているようです。
コミュニケーション
部下との信頼関係を構築するためには、効果的なコミュニケーションを確立することが必要です。部下のコミュニケーションスタイルの違いや認識のずれなどが、円滑なコミュニケーションを妨げる可能性があり、留意が必要です。
モチベーションの維持
部下のモチベーションの維持・向上は、部下の成長を促すために非常に重要です。部下それぞれのモチベーションの源泉は異なるため、それに応じたアプローチが必要です。
評価とフィードバック
部下の成果を正しく評価し、適切なフィードバックをすることが求められます。フィードバックの方法やタイミングを誤ると、部下のモチベーションや成長に悪影響を与えるリスクがあります。
適切な指導方法の選択
部下それぞれの性格・能力・モチベーションに合った指導方法の選択も管理職の課題です。部下に関心を持ち、目標やニーズを理解した上で、適切なアプローチの選択が必要です。
部下の4つのタイプ分類
部下のタイプ分類には複数の分け方がありますが、代表的なものは「モチベーション」と「能力」を掛け合わせた4タイプの分類です。それぞれの課題や強みにアプローチする指導方法は次の段落で紹介します。
・能力もモチベーションも高いタイプ
・能力は低いが、モチベーションは高いタイプ
・能力は高いが、モチベーションが低いタイプ
・能力もモチベーションも低いタイプ
その他にも、部下の性格や行動パターンによるタイプ分けもあります。管理職がそれぞれのタイプに合った指導を行うことで、それぞれの強みが引き出されます。
・主導型:挑戦や自己表現ができる機会を提供する
・慎重型:情報の提供やデータ収集を支援する
・感化型:チームワークやコミュニケーションでの活躍を支援する
・安定型:着実に続ける役割や責任感を大切にする姿勢を支援する
部下のタイプ別の指導方法
部下のタイプ別に、それぞれに適した指導方法や強みを引き出すコミュニケーションを紹介します。
能力もモチベーションも高いタイプ
仕事に前向きで能力も高いため、自発的に考えて物事を達成することや、新たな挑戦に喜びややりがいを感じます。このタイプには可能な範囲で業務を任せて、管理職はサポートにまわり、目標が達成できるように支援します。 部下のモチベーションを維持するためには、目標を明確にして共通した認識を持ち、達成したときには成果に見合った評価や報酬を考慮することが必要です。 新たな挑戦ができるプロジェクトに参画する機会をつくり、責任ある立場への成長を促します。この場合も、管理職は必要なリソースを提供して、部下の自律性を重視します。
能力は低いが、モチベーションは高いタイプ
積極的に仕事に取り組むこのタイプには、能力を伸ばすための適切な指導や教育の提供が必要です。部下が行う業務の範囲やタスクを明確に伝えて、質問の機会や進捗確認の場を定期的に設けます。進捗確認の際には、部下が自分で考える機会を与え、自ら課題を発見する能力や、自律して業務を遂行する能力を育成します。 部下のモチベーションを下げないためには、上司からフィードバックを行い、克服するべき課題だけではなく、良い面や真摯に取り組む姿勢なども評価して、部下が自信を持って働くことのできる環境づくりを心がけます。
能力は高いが、モチベーションが低いタイプ
このタイプは、現状の職場環境にミスマッチがあったり、組織に不満を持っていたりする場合があります。 モチベーションが低下している要因を探りながら、部下それぞれの性格や志向に合ったコミュニケーションを取ることが大切です。仕事への不安や不満を聞き出して、時間をかけて部下との信頼関係を構築します。 また、自分の能力に懐疑的な傾向もあるため、実績や成果を正当に評価して、自信を持たせるほか、能力を生かせる機会を設けて、モチベーションを回復できるよう支援します。
能力もモチベーションも低いタイプ
このタイプの場合は、まずは部下の話を聞くことを優先して、課題・不安・不満などを把握しましょう。 このタイプにも業務の範囲やタスクの内容を明確に伝え、具体的な指示を出すようにします。質問の機会や進捗確認の場も定期的に設けます。最初は業務負荷をかけないように、マルチタスクにはせず、着実にタスクをこなすことで、成功体験を積み重ねられるようにします。 モチベーション低下の原因は、人によって様々ですが、自信がないことが原因であれば成功体験や成果を褒めるようにし、職場環境に不満があるようであれば解決方法を一緒に考えて、モチベーション維持を図ります。
指導の効果を高めるポイント
部下のタイプ別に適切な指導をするには、管理職が次のようなスキルを身に付けておくと効果的です。特にティーチングとコーチングは、部下の能力レベルによって、それらの配分を使い分けることが大切です。
コミュニケーション
指導の効果を高めるには、上司と部下の信頼関係が重要なポイントです。部下の話に耳を傾けて対話しながら不安や不満を引き出すコミュニケーションが、指導側には求められます。
ティーチング
ティーチングは、業務の方法や必要な知識などを具体的に教えることに適しています。そのため、能力が低いタイプの部下を指導する際に、重点的に活用します。
コーチング
コーチングは、部下が行う業務を見守りながら対話を通して、部下が自分で考えて気付きを得て改善・成長していく指導方法です。そのため、能力が高いタイプを指導する際にはティーチングよりもコーチングの割合が多くなります。
フィードバック
フィードバックは、部下の業務における行動や考え方について、客観的に指摘や評価を行います。具体的な事実に基づいて、部下の課題解決や成長につながるフィードバックを行うことが管理職の重要な役割です。
まとめ
今回は、部下のタイプ別の指導方法について解説しました。管理職が部下に合わせた的確な指導を行うためには、部下の性格やスキル・特徴に合わせたアプローチが大切です。管理職が必要なスキルを身につけられるよう、組織として支援できるといいでしょう。 部下指導・育成研修をご検討中の方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください。