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新入社員のメンタルヘルス対策
不調の背景や組織で必要な対策を解説

2024.04.11 コラム

新入社員は、学生から社会人になって環境や生活リズムが大きく変化し、ストレスを抱えやすい状況にあります。組織として、新入社員のメンタルヘルス対策をすることで、メンタルヘルス不調の予防や、不調が起きたときの対策をスムーズに実施できるようにすることが大切です。

そこで今回は、「新入社員のメンタルヘルス不調の背景や対策」について解説します。

目次

新入社員が不調に陥りやすい背景

新入社員がメンタルヘルス不調に陥りやすい背景には、環境・人間関係をはじめとする大きな変化や、入社前後のギャップがあります。

新入社員の不安や精神的な負担を周囲が理解することが、新入社員のメンタルヘルス不調の予防につながります。

環境の変化

新しい仕事や職場、求められる行動や生活スタイルなど、学生時代とは異なる環境に適応しなくてはならず、新入社員は緊張感とともにストレスを溜めやすくなります。

就職を機に一人暮らしを始めた場合にはプライベートでも生活環境が変わり、家族や親しい友人が近くにいない寂しさや、慣れない家事の負担などもストレスにつながります。

人間関係の変化

学生時代とは異なり、さまざまな年代や価値観を持つ上司や先輩とのコミュニケーションが求められます。わからないことを質問したくても、話しかけることをためらってしまったり、関係性をうまく築けずに、話すことをストレスに感じたりする新入社員もいます。

上司や先輩社員がサポートして、話しやすい環境をつくることも大切です。

入社前後のギャップ

入社前に期待していた仕事の内容と実際の業務が異なる、業務量が想像以上に多いなど、入社前とのギャップにより、失望を感じたり、モチベーションが下がったりするケースもあります。

ギャップを減らすための対策として、選考や内定者時代に社員面談や座談会、インターンシップを実施することで、リアルで適切な情報を発信することが有効です。

ストレスを抱えた新入社員の特徴

ストレスを抱えた新入社員には、次のような兆候が出てきます。新入社員の様子に目を配り、早い段階で対応できるようにしましょう。

遅刻や欠勤が増える

疲労が回復できていない状態やストレスが続くと、睡眠不足に陥ることや、朝起きられなくなることもあります。

体調不良による欠勤や遅刻・早退が続いた場合には、心身の健康状況を把握するようにします。

元気がない、疲労が見られる

普段より元気がない状態が続いているようであれば、心身の不調につながる恐れがあります。

ストレスを感じやすい環境であるため、ある程度の疲労があるのは当然ですが、それが長期間続いたり、適切な対処がなされなかったりすると、メンタルヘルス不調の原因になります。

服装、態度の変化

服装の乱れ、表情や態度の変化も、メンタルの不調によって起きる変化の一つです。

気力が低下して気を配れなくなったことで、このような変化が起きていることが多いため、日頃の振る舞いにも注意が必要です。

新入社員をメンタルヘルス不調に陥らせないためにできること

新入社員をメンタルヘルス不調に陥らせないように、組織で取り組むことのできる対策を紹介します。

「心の健康づくり計画」の策定

労働安全衛生法で義務付けられている「心の健康づくり計画」を策定します。企業が、メンタルヘルスの予防や情報提供、相談・職場復帰などのサポートを行うために定めた計画です。
この計画を策定するための指針が厚生労働省から出されています。

「労働者の心の健康の保持増進のための指針」

この中には、4つのメンタルヘルスケアの推進、衛生委員会や相談窓口の設置、ストレスチェック、個人のプライバシー保護や不利益取扱の配慮などについて、まとめられています。

4つのメンタルヘルスケアの推進とは

・セルフケア
新入社員が自分自身でメンタル不調を予防するためのセルフケアについての情報や研修を提供することを推奨しています。
新入社員自身に、新たな環境でメンタル不調にならないためのセルフケアの重要性や、 その方法を伝えます。

・ラインケア
職場の管理職が主体となって、労働環境や部下の状況を把握して、実施していくメンタルヘルスケアをラインケアと呼びます。新入社員の不調を未然に防ぐためにも、ラインケアは非常に重要な役割を果たします。
定期的な1on1や日常のコミュニケーションで、管理職が新入社員の様子に配慮することが効果的です。
ラインケアや4つのメンタルヘルスケアについては、こちらのコラムでも詳しく紹介していますので、ご参照ください。
「ラインケアとは~メンタルヘルス対策における管理職の役割~」

・事業場内産業保健スタッフなどによるケア
職場の産業医と衛生管理者などが連携して、セルフケアやラインケアの支援、メンタルヘルス不調の際の対応を行います。新入社員に不調の兆しが少しでもあるようならば、産業医との面談設定などのケアを実施します。

・事業場外資源によるケア
医療機関や都道府県の支援機関などが事業場外資源にあたります。メンタルヘルス不調の回復に向けたアプローチや、回復後の職場復帰などについて、専門家からのアドバイスを受けて対処します。

新入社員のメンタルヘルス不調への効果的なアプローチ

新入社員のメンタルヘルス不調の対策を効果的に実施するには、次のようなアプローチがあります。

管理職のラインケア強化

管理職が、新入社員の環境やメンタルヘルスの状況を的確に把握して、心のケアをできるようにするために、管理職のラインケアへの理解を深め、新入社員とのコミュニケーション力を強化することが効果的です。

ラインケア研修を通して、組織としてのメンタルヘルスケアへの取り組みを理解することは非常に重要です。

新入社員のセルフケアやストレスマネジメントの促進

新入社員には新しい環境に慣れてパフォーマンスを発揮するにはセルフケアが重要だと、研修で啓発します。食生活や睡眠をはじめとした生活リズムの調整や、休日のリフレッシュなどのセルフケアについて啓発を行い、新入社員自身のメンタルヘルスに対する意識を高めることが必要です。

また、ストレスはどうしても避けられないため、ストレスを感じたときの対処法を学べるストレスマネジメント研修も、新社会人のメンタルヘルスへ不調を未然に防ぐために必要です。

労働安全体制の強化や全社員に向けた研修の実施

定期的な労働安全体制のアップデートは、メンタルヘルス不調対策に効果的な施策です。安全衛生委員会や衛生担当者など、社内の体制や窓口の存在を周知します。

新入社員が入社するタイミングを機に、全社員に向けた労働安全衛生研修を行って、メンタルヘルスケアの重要性を学びます。また、新入社員がメンタルヘルス不調に陥りやすい状況にあることを認識して、組織的な支援体制作りを行います。

新入社員の適性に合った配属の見直し

環境変化や人間関係などの対策と併せて配慮したいことが、新入社員の適性です。実際に入社して一定の期間が経過した時点で、本人の適性や希望を考慮した配属の見直しの検討を行います。

まとめ

今回は、新入社員のメンタルヘルス不調対策について紹介しました。対策を実施するには、新入社員、管理職、全社のそれぞれにメンタルヘルス対策の重要性を伝えて具体的な対策を学ぶ必要があります。

特に、管理職のラインケア研修、新入社員のセルフケア研修やストレスマネジメント研修は効果的なアプローチです。

社員研修をご検討中の方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください。

 

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