閉じる

News Columnニュース・コラム

評価者研修 人事評価の課題と研修内容を解説 

2024.06.06 コラム

評価者研修は、社内で人事評価を行う管理職や主任・係長が社内の評価制度、評価基準や適切な評価の方法などを学び、共通した評価スキルを習得する研修です。

人事評価は、社員の育成や実績に応じた報酬・昇進など、組織運営の成功を左右する重要な業務です。

そこで今回は、「人事評価でよくある課題の解決に効果的な評価者研修」について解説します。

目次

評価者研修とは

評価者研修では、評価者である管理職や主任・係長が、人材育成につながる適切な人事評価の流れやノウハウを学びます。

人事評価は、一般的に期首の目標設定、期中の進捗確認、期末の評価というプロセスで実施します。評価者研修では、組織の目標に貢献でき、かつ成長支援につながる評価が実施できるよう、一連のプロセスを学び、適切に行うための手法を解説します。

評価者研修を通して、評価者は部下の業績や能力を正確に評価し、それに基づいた適切なフィードバックができるようになることを目指します。また、評価者によるバラツキを解消するため、公正で透明性のある評価システムの構築にも寄与します。

評価者研修の目的

評価者研修の目的は、評価者が人材育成に効果的で、かつ公平に部下の成果を評価するために必要な知識とスキルを身に付けることと、評価者の役割を十分に理解することです。

評価者研修の目的について、詳しく紹介します。

人事評価の重要性と必要な知識の習得

人材育成につながり、被評価者が納得できる人事評価を実現するためには、人事評価の重要性と基礎知識を学び、ノウハウを身に付ける必要があります。被評価者の状況把握の方法や、面談におけるコミュニケーションなどを身に付けます。

正しい評価システムの構築

評価者が、共通の知識やスキルを身に付けて、組織として一貫性のある人事評価を実施できるようにすることも、評価者研修の重要な目的です。

また、被評価者が何らかの不満を抱いているケースがあるため、納得感のあるプロセスと評価により、正しい評価システムを構築していきます。

評価者としての役割理解

人事評価に苦手意識を持つ人も少なからず存在しています。評価者としての役割を理解して、あくまで業務として取り組めるようにします。組織の中で、個々のメンバーが活躍するためには、客観的な評価をすることが必要という、管理職としての立場を理解できるように支援します。

人事評価でよくある課題

人事評価でよくある課題は、評価を行う際のバイアスや目標設定の支援、フィードバックのスキル不足などです。

社員のモチベーションやエンゲージメントの低下、離職率が上がるリスクにもつながる、人事評価の課題を把握しておくことが必要です。

評価者が陥りやすいバイアス

評価者が陥りやすいバイアスの傾向を7つ紹介します。

・寛大化傾向:評価レベルの実態より高めに評価する傾向
・厳格化傾向:評価レベルの実態より低めに評価する傾向
・中心化傾向:評価段階の中央値、あるいは特定の段階に評価が集中する傾向
・ハロー効果:1つの評価要素が、評価結果全体に大きくプラスの影響を与えること
・ホーン効果:1つの評価要素が、評価結果全体に大きくマイナスの影響を与えること
・期末効果:期末(直近)の出来事の印象が強く、評価期間全体の公正な評価ができないこと
・対比誤差:評価者である自分を基準として評価をしてしまい、適切な評価ができないこと

目標設定の支援や共有が不十分

目標設定の際に、目標をただ伝えるだけになっていて、被評価者が目標を納得できていないことがよくあります。

被評価者である部下の置かれている状況を把握せずに目標を設定してしまうと起こりがちです。本人が目指す成長や仕事での成果を聞いて、組織の目標と関連づけ、具体的な目標に落とし込むことが必要です。そして、目標達成に向けた行動計画においても、本人の主体性を引き出しながら支援します。

フィードバックができていない

部下へのフィードバックは、期中や期末の評価面談だけでなく、日頃の面談や業務の中でも実施する必要がありますが、これができていないことも課題の一つです。

期中は定量化した行動計画について、部下が自己管理しながら行動できているかどうか、業務の中で確認しながら、必要なフィードバックを行い、目標達成を支援します。

期末の面談で、その期の評価を伝えるだけということも、よくある課題です。期末のフィードバックでは、来期の目標達成に向けて部下の課題と解決策を共有し、部下のモチベーションを向上させることが重要です。

人事評価の形骸化

人事評価システムがあるものの、形式的に行われているだけで、組織や人材の成長や課題解決と切り離されている、人事評価の形骸化もよく見られる課題です。人事評価は給与や昇進とも関わるため、評価者は慎重に形式的になりがちですが、人事評価のプロセスを課題解決や育成に活用することで、被評価者の評価への理解や納得にもつながります。

評価者研修の内容

評価者研修では、主に次のような内容を学び、評価スキルの習得と向上を図ります。

・人事評価の目的と重要性
・目標設定と支援の方法
・正しい評価の方法(評価基準、バイアス)
・面談スキルの向上
・評価プロセスの管理
・実践演習

人事評価の目的と重要性:人事評価が組織全体に及ぼす影響、例えばモチベーションの向上やキャリア開発、報酬決定、評価者の役割などについて理解を深めます。

目標設定と支援の方法:組織の目標と関連づけた個人の目標設定の方法や、適切な目標設定に活用するフレームワークなどを学びます。

正しい評価の方法:公平で一貫性のある評価を行うために、評価基準や評価方法について学びます。偏りや無意識のバイアスを認識し、排除できるようにします。また、評価項目の具体的な説明とその適用方法についても学びます。

面談スキルの向上:客観的かつ具体的なフィードバックを行うためのスキルを習得します。これには観察力の向上、フィードバックや面談の手法などが含まれます。

評価プロセスの管理:評価の計画から実施、期中や期末のフィードバックまでの一連のプロセスを効果的に管理する方法を学びます。

実践演習:上記の内容について、ロールプレーイングやケーススタディなどを通じて、実際の評価場面を想定して実践的なスキルを磨きます。

まとめ

今回は評価者研修について解説しました。人事評価のスキル向上には、評価方法、目標設定、進捗管理、バイアス排除など多くの手法を学ぶ必要があります。そのため、社外講師によるロールプレーイングやケーススタディを取り入れた、効果的なカリキュラムで実施することがおすすめです。

評価者研修をご検討中の方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください。

 

メールでのお問い合わせ
03-6837-5302 平日9:00~18:00