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社会人基礎力とは?求められる能力と高める方法を解説

2024.01.04 コラム

働く環境が大きく変化する中で、業種・業界問わず社会人として活躍するためには、社会人基礎力が求められます。
そこで今回は、「社会人基礎力として求められる能力や高める方法」について解説します。

目次

社会人基礎力とは

社会人基礎力は経済産業省が2006年に提唱したもので、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」です。業種や職種の特性に応じたスキルを発揮するための基盤となる、思考や行動、チームワークなどの能力を定義しています。専門スキルを発揮するための土台になるため、社会人になった早い段階で身に付けることが望ましいです。
近年は、人生100年時代と言われ、これまでよりも社会や組織と関わって仕事をする期間が長くなっています。これを受けて、経済産業省は2018年に「これまで以上に長くなる個人の企業・組織・社会との関わりの中で、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力」と再定義しています。

社会人基礎力の「3つの能力」と「12の能力要素」

社会人基礎力は、「3つの能力」とそれぞれを構成する「12の能力要素」で構成されています。

前に踏み出す力(アクション)

「前に踏み出す力」は、一歩前に踏み出し、失敗しても諦めないで粘り強く取り組む力のことです。 仕事をするときには正解や成功ばかりではなく、どんな環境でも行動していく能力が求められています。

「主体性」

主体性は、自ら進んで物事に取り組む力です。指示を待つのではなく、やるべきことに自ら行動することです。

「働きかけ力」

働きかけ力は、周囲に働きかけて巻き込んで推進していく力です。積極的に協力を呼びかけ、アドバイスを求めながら、メンバーの行動を促します。

「実行力」

実行力は、目標を設定して確実に行動する力です。具体的な目標や成果を掲げ、その達成に向けて、失敗を恐れず粘り強く取り組むことです。

考え抜く力(シンキング)

「考え抜く力」は、疑問を持ち考え抜く力のことです。自ら課題提起し、解決のためのシナリオを描く、自律的で実践的な力が求められています。

「課題発見力」

目標を実現するために、現状を分析し目的や課題を明らかにする力です。目標の実現に、何が必要か、どのように行動するかを発見します。

「計画力」

課題の解決に向けたプロセスを明らかにして、準備する力です。解決に向けたシナリオを描きながら、実行を進める計画を立てます。

「創造力」

課題の解決や目標達成のために、新しい価値を生み出す力です。固定概念にとらわれない、新たなアイデアや価値を創造します。

チームで働く力(チームワーク)

「チームで働く力」は、多様な人々とともに、目標に向けて協力する力のことです。仕事を進める上では、多様な人々と仕事をするためのコミュニケーションが求められています。

「発信力」

自分の意見を分かりやすく伝える力、周囲に対して考えを発信する力です。報連相を適切なタイミング・内容で行ったり、相手を説得するために分かりやすく伝えたりします。

「傾聴力」

相手の意見を丁寧に聞く力です。共感しながら、相手の意見を深く理解するよう努めます。

「柔軟性」

意見の違いや立場を理解する力です。自分と違う意見にも柔軟に対応する姿勢です。

「情況把握力」

自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力です。自分の役割や立場を把握して、チームで成果を上げるための行動につなげます。

「規律性」

社会のルールや人との約束を守る力です。社会人としての基本的なマナーや自己管理が含まれます。

「ストレスコントロール力」

ストレスの発生源に対応する力です。嫌なことや落ち込むことがあっても、それをコントロールするためのレジリエンスの活用やメンタルヘルス対策が求められます。

社会人基礎力が求められる理由

社会人基礎力が求められる理由には、現代における技術やビジネス、労働力などの変化が背景にあります。普遍的なスキルを身に付けて、変化に対応することが求められています。

VUCA時代を生き抜くキャリア形成

現代は、VUCA時代(「V:Volatility(変動性)」「U:Uncertainty(不確実性)」「C:Complexity(複雑性)」「A:Ambiguity(曖昧性)」)と言われ、急激な変化が絶え間なく続き、予測の難しい時代と言われています。このような状況で仕事をするには、柔軟性や適応性、自ら前向きに働きかけて周囲と協力する力が求められます。

人生100年時代のキャリア開発

少子高齢化や人材不足、平均寿命の伸びなどで、労働環境や働き方が大きく変化しています。情報技術の変化に伴い、身に付けたスキルや知識も新しいものに常に置き換えていかなくてはなりません。 経財産業省が2018年に定義した「人生100年時代の社会人基礎力」は、人生100年時代のキャリア開発を背景にしています。 キャリア開発、能力の発揮のために、自己の客観的な振り返り(リフレクション)の3つの視点が加わっています。

「何を学ぶか(学び)」

仕事で活躍するためには、「学び続けること」を理解して、キャリア開発のために何を学ぶかを考えます。

「どのように学ぶか(統合)」

「多様な体験や経験、能力、キャリアを組み合わせ、統合する」という視点で、生かしていく経験と新たに習得するスキルを考えます。

「どう活躍するか(目的)」

「自己実現や社会貢献に向けてどのように行動するか」を考え、それぞれのライフステージで働く目的、どのように活躍したいかを考えます。

社会人基礎力を高める方法

社会人基礎力は、若手社員のうちに身に付けることが望ましいスキルですが、その基礎スキルを継続的に振り返って高めていく必要があります。

業務の中で、社会人基礎力を意識する

普段の業務や生活の中で、「3つの能力」「12の能力要素」「3つの視点」を意識することが効果的です。どのように行動するべきか、どのように解決するかと考える際に、社会人基礎力の中で自分が実践できていること、苦手なことなどを把握するきっかけになります。

得意な能力を伸ばして、苦手を克服する

自分の得意な能力を伸ばし、苦手を克服することを意識します。社会人基礎力について定期的にチェックし、自らを振り返る機会を会社が支援することも有効です。苦手の克服には研修を活用して、そのスキルを発揮する上でのコツやポイントを学びます。

まとめ

今回は、社会人基礎力について解説しました。活用できる人材になるためには、早い段階でこのスキルについて認知し、普段の業務で意識していくことが重要です。
また継続的に社会人基礎力を高めるためには、コミュニケーションスキルやロジカルシンキング、レジリエンスなど、会社が研修をサポートすることが効果的です。 社員研修をご検討の方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください。

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