閉じる

News Columnニュース・コラム

心理的安全性とは?
チームに与える効果と高める方法を解説

2024.01.26 コラム

心理的安全性は、誰もが不安を感じずに安心して発言できる状態や環境のことです。心理的安全性が高まることで、生産性向上や新しいアイデアの創出が期待できます。 そこで今回は、「心理的安全性が注目される背景とチームに与える効果」について解説します。

目次

心理的安全性とは

心理的安全性とは、組織やチームの中で誰もが意見や考えを安心して発言できる状態のことです。心理的安全性が高いチームでは、たとえ周囲と異なる意見を述べたとしても、頭ごなしに否定されたり批判されたりといった不利益を受けません。 心理的安全性は、ハーバード大学ビジネススクールのエイミー・エドモンドソン氏が提唱した心理学用語です。1999年に発表した論文の中で、心理的安全性があれば、意見が相反する場合でも、チーム内が安全であるという気持ちがメンバー間で共有された状態だと定義しました。 また、ビジネスシーンではGoogleが2012年から2015年に実施した「生産性が高いチームづくりに何が必要か」という社内調査(プロジェクトアリストテレス)で、心理的安全性の重要性が明らかになったことで注目を集めました。チームの生産性向上や革新的なアイデアの創出に、心理的安全性が効果的であると期待されています。

心理的安全性がチームに与える効果

心理的安全性が高まると、チームの生産性や革新性に良い効果を与えます。

チームの生産性向上につながる

心理的安全性による安心感が、個人の仕事への意欲や責任感を高める効果があります。また、チーム内の風通しが良くなることで情報共有がスムーズになり、チームの生産性向上が期待できます。

新しいアイデアが創出されやすい

周囲と異なる視点や既存の概念に反する意見を出しても、頭ごなしに否定されることがないため、新たなアイデアの創出を促すことができます。これまで発言の機会が少なかった人から革新的なアイデアが生まれる可能性も広がり、アイデアの創造性を高める風土づくりに効果的です。

失敗やミスの防止効果がある

心理的安全性の高いチームでは安心感があるため、失敗やミスをした時にもすぐに報告・共有ができます。また、安心感があるため、相互に間違いを指摘することもできるようになります。間違いやミスは、人間であれば起こることなので、改善や防止の仕組みを考えることが重要という意識を心理的安全性が支えます。

心理的安全性が低いデメリット

心理的安全性が低いと、職場で不安が生まれやすく、チームの生産性や革新性を妨げる要因になります。職場で起こりがちな4つの不安があります。

「無知」だと思われることの不安

「こんなことを質問すると無知だと思われるのではないか」という不安があると、質問をためらってしまいます。理解が不足している状態で業務を行うと効率が下がり、ミスが生まれるリスクも高まります。また、周囲に質問や相談ができないという状況は、チーム内のコミュニケーション不足にもつながります。

「無能」だと思われることの不安

無能だと思われる不安があると、ミスや失敗を隠すことにつながるリスクがあります。ミスを隠してより大きなトラブルが発生したり、他の人に責任転嫁してチームワークを壊す行動につながったりします。

「邪魔」だと思われることの不安

会議や打ち合わせの場で邪魔をしないようにという意識が働くと、積極的に発言ができなくなります。安心して発言ができないことで、新たなアイデアや提案が出づらくなります。

「ネガティブ」だと思われることの不安

周囲と反対の意見を持っていても、ネガティブな態度だと思われる不安から、意見が言えなくなってしまいます。自分とは異なる意見を尊重することは大切ですが、反対意見を言わないことで、アイデアの発展や改善を妨げることにもなります。

心理的安全性を高める方法

心理的安全性を高めるためには、現状把握とリーダーの積極的な取り組みが必要です。そして、心理的安全性の高いチームづくりに取り組む際には、間違った理解や「ぬるま湯組織」との違いに留意しましょう。

職場の心理的安全性を測る7つの質問

次の7つの質問を通して、心理的安全性のレベルと、心理的安全性を高める上での課題が把握できます。 ① チームの中でミスをすると大抵否定されるか? ② チームのメンバーは課題や問題を互いに指摘できるか? ③ チームのメンバーは自分と異なるといった理由で他者を拒否することがあるか? ④ チームに対してリスクのある行動をしても安全か? ⑤ チームのメンバーに助けを求めることが難しいか? ⑥ チーム全員が他者を意図的に陥れるような行動をしないか? ⑦ チームメンバーと仕事をする際に、自分のスキルや能力が尊重されて仕事に生かせていると感じられるか?  参考:Google re:Work「効果的なチームとは何か」を知る これらの質問に対してネガティブな回答が多いと、心理的安全性が低く、先ほどの4つの不安を抱えている可能性が高いです。

リーダーが取り組むポイント

チームの心理的安全性を高めるには、リーダーが次の4つのポイントに取り組むことが有効です。

〇リーダーから率先してコミュニケーションを取る

チームの心理的安全性には、リーダーの言動が影響します。リーダーがメンバーとコミュニケーションを取り、会議でも積極的に発言し、他のメンバーの意見に前向きな反応を示すことが、チーム全体の意識に影響を与えます。

〇何事も相談しやすい雰囲気づくり

心理的安全性の高いチームでは、良いことも改善が必要なことも、何事も率直に話し合うことができます。こんな意見を言って大丈夫か、こんなことを質問しても良いのか、といった不安のない雰囲気づくりが重要です。

〇個性を受け入れる

チームで協力して目標を達成するには、メンバー同士がお互いを尊重できることが重要です。お互いを尊重するためには、自分と異なるタイプの人にも理解を示すことが必要です。リーダーが様々な個性を受け入れると、メンバーの意欲が高まり、他のメンバーも多様性を受け入れられるようになります。

〇ぬるま湯組織との違いに留意

心理的安全性の高いチームづくりを目指すときに、目標達成意識が低く、成長意欲がなく、協力体制も弱い、「ぬるま湯組織」にならないよう注意しましょう。 心理的安全性は、チームの目標達成や成長において重要な要素です。しかし「現状で安心できているので、これ以上の成長は必要ない」といった緊張感のない雰囲気や、わがままが許される緩い環境とは異なることを留意する必要があります。

まとめ

今回は、心理的安全性とチームに与える効果について解説しました。心理的安全性によってチームの成長を促すには、客観的な視点での現状や課題の把握が必要になります。リーダーの意識改革が重要なポイントとなるので、外部の研修を活用するのも効果的です。 社員研修をご検討中の方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください。

メールでのお問い合わせ
03-6837-5302 平日9:00~18:00