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News Columnニュース・コラム

OJTを成功させるには?
OJTの進め方と効果的に行うためのポイントを解説

2024.02.08 コラム

社内のOJTをどのように進めれば効果的か、改めて見直したいという方もいらっしゃると思います。OJTはよく知られている新人育成の手法ですが、育成の効果をより高めるには、目標と計画を立てて組織として取り組むことが必要です。
そこで今回は、「OJTの目的や効果的に行うポイント」について解説します。

目次

OJTとは

OJTは、“On the Job Training”の略称で、職場で実際の業務に携わりながら、実践的な知識やスキルを学ぶ育成プログラムです。先輩や上司に当たる社員が指導役のトレーナーになり、新入社員や若手社員、異動になった社員などのトレーニーを一定の期間育成していきます。業務に携わりながら行うことで、座学やマニュアルでは分かりづらい、より実践的なスキルを身に付けられるため、多くの職場で活用されています。
これに対して、普段の職場から離れて、座学中心で業務に必要な知識やスキルを学ぶ育成プログラムをOff JT(Off the Job Training)と言います。
新入社員の場合、研修期間中に複数の部門をOJTで経験させ、適性を踏まえて本配属を決めるケースもみられます。

OJTの目的

OJTの目的には、即戦力となる人材の育成、研修内容の定着、職場への適応や不安の解消などがあります。

即戦力となる人材の育成

OJTでは、業務の流れやルール・注意点を効率的に学ぶことができるため、社員の即戦力化につながります。職場の仕組みやルール、取引先とのコミュニケーション、業務に必要なツールやシステム操作など、即戦力として仕事をするために必要なスキルを経験しながら身に付けます。

研修内容の定着

Off JTで学んだ考え方や理論的な知識などを、OJTの実践を通して定着させていきます。理論と実践がかけ離れないよう、Off JTでどのような研修を行ったかを、OJTの受け入れ部署やトレーナーに伝えるようにしましょう。

職場への適応や不安の解消

新入社員や異動者は、新しい職場環境に少なからず不安を抱いています。OJTを通じて早く職場に馴染めるよう、トレーナーや受け入れ部署が見守ることも重要な目的の一つです。心理的安全性を高めることで、不安な気持ちを解消するほか、若い社員達の主体性や積極性を引き出します。

OJTの進め方

OJTはトレーナーである先輩の仕事を見て学び、トレーニーが実践して身に付けます。Show(やって見せる)、 Tell(説明する)、 Do(させてみる)、 Check(評価とフィードバック)の4つのステップで行います。

Show(やって見せる)

業務の目的や流れを簡潔に説明して、トレーナーである先輩社員の仕事を見ながら全体的な流れや具体的な手法を学びます。トレーニーにも補助的な役割を担当してもらい、打ち合わせの議事録を書くなど、業務に参加しながら流れを観察できるようにします。
また、機器やシステムの操作など口頭で分かりづらい内容は動画にして、繰り返し学べるようにすることで、OJTの効率化を図ることができます。

Tell(説明する)

トレーナーが実践している様子を見ているだけでは、できるようにはなりません。そのためトレーニーが実践する前に、改めて、具体的に業務の目的やそれぞれの手順を言語化して説明します。「なぜ」「どうして」といった理由も言語化して伝えることで、納得感が得られやすくなります。トレーニーによる説明のバラつきを避けるために、マニュアルなどの資料を準備することも効果的です。

Do(させてみる)

説明が完了したら、一人で業務を実践してもらいます。何かあった時には、トレーナーが助けるから大丈夫という安心感を与えつつも、口出ししすぎずに、可能な限り一人で行えるよう見守ります。説明をどれくらい理解しているか、どのような適性があるかなど、トレーニーの業務の遂行を観察しながらサポートします。

Check(評価とフィードバック)

業務が終わったら、プロセスや結果を確認しながら、まずは激励してポジティブに褒めてトレーニーのモチベーション維持を図ります。次に、改善点などをフィードバックします。また、トレーニーの意見や感想を聞いて理解を深め、業務のスキルを向上する方法や次の目標について話し合います。

OJTを効果的に行うポイント

OJTを効果的に行うには、目標と計画を立てて組織として取り組むことが重要です。育成目標や方針の大枠は人事が立て、各部門で目標を調整することが望ましいです。
受け入れ部門ではトレーナーに丸投げにせずに部門として実施、人事がトレーナーの育成研修を行うことなどがOJTを成功させるためのポイントです。

育成の目標や計画を立てる

トレーニーが、何ができるようになるのか、どのような意識を持って仕事を行うようにするのかなど、具体的な目標と計画を立てます。計画の進捗を見ながら、個々人の適性に応じた指導を検討します。個人の適性を見て、課題の克服を支援したり、強みを引き出したりできることはOJTのメリットです。

部門として実施する

トレーニーを受け入れる際には、トレーナーを担当する社員に業務負荷がかかりがちです。育成の進捗確認や指導の検討も、チームで行うことがより効果的です。
またOJT期間であっても、隙間時間にビジネススキルやPC、システムの操作などを学べるように、eラーニングなど自習用のツールや課題を用意することも効果的です。トレーナーが、業務の目的や進め方などの指導に集中することができます。

トレーナー研修

トレーナーによるOJTの質のばらつきを解消する対策として、組織としての育成目標や方針を共有するトレーナー研修の実施が効果的です。
育成計画のフォーマットやガイドラインを準備して、現場での育成計画の具体化ができるよう支援します。
また、特に新入社員の指導をする際には、トレーナーのコミュニケーションや指導のスキルが重要です。コミュニケーションやフィードバックのガイドラインを提示するようにしましょう。

OJTのフィードバックを行う

OJT担当部門やトレーナー、トレーニーからのフィードバックを集めて、改善点を検討することも重要です。人事部とOJT担当部門のメンバーが意見交換をして、研修の成果やトレーニーの課題などを共有し、次の育成目標を検討します。また今後のOJT計画のブラッシュアップにも活用します。

まとめ

今回は、OJTを成功に導くアプローチについて紹介しました。OJTは即戦力となる人材の育成に有効ですが、効果的に進めるには準備やトレーナーの育成など、社内のリソースや時間が多く必要であることも事実です。トレーナーの育成やOJTの準備には、外部の研修やeラーニングを活用することも選択肢の一つです。
OJT担当者(トレーナー)に関する研修をご検討中の方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください。

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