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PDCAとは?メリット・デメリットと効果的な回し方を解説

2024.02.22 コラム

PDCAは、業務プロセスの改善や品質管理を継続的に行うために有効な手法です。業種や業界を問わず活用され、業務改善のためにビジネスで欠かせない手法の一つです。一方で、PDCAを導入しても成果が上がらない、改善しないという悩みも聞かれ、効果的に実行できていないケースもあります。
そこで今回は、「PDCAのメリット・デメリットと、PDCAサイクルの効果的な回し方」について解説します。

目次

PDCAとは

PDCAは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価・振り返り)」「Action(改善)」の頭文字を取ったもので、品質向上や業務プロセスの改善のために活用される手法です。
PDCAは、アメリカの統計学者ウォルター・シューハートやエドワーズ・デミングによって提唱され、日本でも1950年代から製造業を中心に幅広く活用されています。

PDCAは継続的な取り組みを前提とするサイクル型の手法で、改善(A)を行った後に計画(P)に戻り、新たな目標や改善策を立て、実行し、再評価して改善を繰り返します。
そのため、一連の流れを「PDCAサイクル」と呼び、品質向上や業務改善などを図ります。

PDCAのプロセスとサイクルの回し方

Plan(計画)

計画の際には、組織やプロジェクトの現状、課題を把握して整理します。整理した前提をもとに定量的な目標を立て、目標達成の期日を定めます。そして目標達成に必要な項目や課題を洗い出して数値化し、実行計画を立てます。
例えば売上達成を目標とする場合には、目標達成に必要な新規顧客の獲得数、アイテム当たりの売上数などを具体的に数値化します。
目標をKGI(目標達成指標)、目標に必要な項目や課題をKPI(業績評価指標)として、実現の可能性がある数値目標を設定します。

Do(実行)

実行段階では、計画を具体的なタスク・活動に分解して担当に振り分け、スケジュールに基づいて実行します。
実行した結果や数値の進捗など、活動のプロセスを記録することで、振り返りや次の計画を立てる際に活用できます。計画通りにいかなかったことや、実行のプロセスで起きた課題も整理することで、計画と現実の差が見えてきます。

Check(評価・振り返り)

評価では、目標(KGI)や評価指標(KPI)が達成できたのか、計画通り実行できたのかなどを振り返ります。
次のような視点で、計画と実行の両方を振り返ります。

 ・計画と実績の定量的な確認
 ・計画通り進捗したか
 ・計画や目標は妥当だったか
 ・どのような成果や課題があったか

また「KPT法」という手法も、改善点を探すために有効です。

Keep:良かった点、次回以降も取り入れる行動や施策
Problem:改善が必要な点、見直しが必要な行動や施策
Try:上記2点をふまえて、次に新たに取り組む行動や施策

Action(改善)

改善では、評価で得た気付きや課題から、次のPDCAでより良い成果を出すための行動や施策についての仮説を立てます。KPT法で出した継続施策や改善点、新たな取り組みなどの優先順位付けを行い、次のPDCAサイクルに反映します。
一方で、改善の見込みがない場合には、計画そのものを中止にすることも必要です。

PDCAサイクルの回し方

PDCAサイクルは継続的に回すことで、計画の精度を上げてプロセスを改善し、目標達成を図ります。
PDCAサイクルの一つの期間は、一般的には、数週間から数カ月です。短いサイクルを設定して次に移行し、継続的な改善を行うことが基本的な考え方です。
プロジェクトの内容によっては、もう少し長い期間を要する場合もあるため、状況に応じた調整が必要です。
また、継続的なPDCAサイクルは、市場の変化に対応することもその役割の一つです。市場の動きが早い場合には、短いサイクルでPDCAを回しながら、変化に対応します。

PDCAのメリット

PDCAサイクルを継続的に回していくことで、次のようなメリットが期待できます。
   

継続的に業務の改善ができる

PDCAは、継続的に業務の改善や目標達成に取り組む手法であるため、中長期的に組織の成長につながる改善を実施できます。次のPDCAにつながる課題や改善点を見つける習慣がつきます。また、成果の上がった施策や活動を記録するため、成功事例を組織で共有することができます。

目標や課題が明確になる

PDCAでは、目標と目標達成に必要な課題を数値化するため、目標や課題が明確になります。目標達成に必要な活動や、改善すべき課題の中での重点項目を検討する能力が身に付きます。

課題解決力や計画策定力がつく

PDCAサイクルでは、課題をどのように改善するか、効果のない行動や施策の継続を検討するなど、定期的に次の計画に向けた改善点を記録・考察します。継続的な活動を通じて記録された失敗例からの学びは、課題解決力を強化します。

PDCAのデメリット

PDCAサイクルを回していく際には、そのデメリットやリスクを理解して行うことが必要です。

イノベーションが生まれにくい

PDCAでは、これまでの結果や課題を基に次の計画や改善策を立てます。もちろん、目標を達成するための新たな行動や施策は検討しますが、目標設定自体が継続的な成長を前提としているため、イノベーションが生まれづらく、新規事業には向いていないと言われています。

PDCAが形骸化する

PDCAには時間や労力がそれなりにかかります。そのため、PDCAサイクルを回すことが目的となり、次のPDCAに向けた振り返りや改善が弱くなる傾向があります。
PDCAを回す際の負荷の軽減を行ったり、PDCAのプロジェクトの範囲や目標自体を見直したりして形骸化を防ぎます。

PDCAの効果を上げるポイント

PDCAサイクルを効果的に回すためのポイントについて紹介します。

フレームワークの活用

計画で、目標や達成するための行動・施策を検討する際に、ロジックツリーなどを活用すると効果的です。目標達成のためには、何が必要なのかが視覚的に整理できます。ロジックツリーで目標や課題を整理しておくと、振り返りや改善の際に、どの課題を解決して改善していくかを考えるプロセスが効率化されます。

ツールの導入

 計画の資料作成や進捗の記録を効率化するために、プロジェクト管理ツールや営業活動管理ツールなどを導入することも一つの選択肢です。これらのツールにはPDCAに必要な管理を効率化することに加え、進捗を表やグラフで表示するダッシュボード機能も備えています。

仕組み化して、本質的な改善に注力する

仕組み化して負荷を軽減することで、PDCAサイクルを形骸化させないことが重要です。PDCAサイクルのポイントは、改善を次のサイクルに反映することです。改善を実現するには、さらにリソースが必要です。仕組み化してリソースを割き、改善のための行動案や実施計画に注力していきましょう。

まとめ

今回はPDCAサイクルの効果的な回し方について解説しました。組織の成長につながる目標や課題の設定にはフレームワークを活用し、実行を成功させるにはプロジェクト管理スキルなどが必要になります。PDCAの効果を向上したいとお考えの際には、これらのスキルを習得する研修も効果的です。
社員研修をご検討中の方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください。

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