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ロジカルシンキングを効果的に活用するには?  メリットやフレームワーク・思考法を解説

2023.11.22 コラム

組織の生産性向上、課題の早期解決を図るためには、「ロジカルシンキング」が欠かせません。ロジカルシンキングを鍛えると物事をわかりやすく伝えることができるため、商談や社内のプレゼンテーションにも有効で、ビジネスパーソンが身に付けるべきスキルの一つです。 そこで今回は、「ロジカルシンキングを身に付けるメリットとフレームワークや思考法・鍛え方」について解説します。

目次

ロジカルシンキングとは

ロジカルシンキングは、日本語では「論理的思考」と言い、物事を整理して筋道を立て矛盾なく考える思考法です。広い意味では、結論とそれに至った筋道をわかりやすく説明するスキルもロジカルシンキングとされています。 ビジネスでは、ロジカルシンキングを活用することで情報の整理が速くなりプロセスが明確になることから、意思決定や戦略立案においても重要なスキルです。 ロジカルシンキングを身に付けるためには、外的要因や個人的な感情を排除して客観的に問題を分析する力や、前提・結論・論拠を組み立てるための思考法の理解が必要です。

ロジカルシンキングのメリット

ロジカルシンキングを身に付けると思考のプロセスが整理され速くなり、次のようなメリットがあります。

分析力、課題解決力が向上する

物事や課題の前提を踏まえて、因果関係や相関関係を明確にするプロセスで分析力が強化されます。また、関係性を客観的に捉えて論理的に考えられるようになると、問題や課題の原因が明確になります。原因が明確になると、有効な解決策を考える課題解決力が身に付きます。

提案力、交渉力が向上する

筋道を立て矛盾なく考えることで、提案や発表をわかりやすく伝えるスキルが向上します。論拠や裏付けのある提案や説明は、客観的に相手に伝わり説得力が高いため、交渉が有利に進んだり、相手の納得感につながり提案を受けてもらいやすくなったりします。

仕事の再現性が向上する

ロジカルシンキングのフレームワークを活用することによって、無駄な思考やプロセスを省くことができます。また、業務の推進プロセスが身に付いてルーティン化するため、仕事の再現性が高くなり、結果として生産性が高まります。

ロジカルシンキングのフレームワーク ロジカルシンキングでは、構造的に物事を整理するためにフレームワークを活用します。ここでは、MECE、ピラミッド構造、ロジックツリーの3つを紹介します。

MECE

MECEは、(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)の頭文字を取ったもので、「モレなくダブりなく」整理するフレームワークです。総合的に考察する必要のある要素をモレなく集め、結論を出すにあたって見落としやダブりがないように整理します

ピラミッド構造

ピラミッド構造では、「結論(仮説)」と「根拠」をピラミッド状に配置し、結論を頂点として複数の根拠や事実を下部に配置して、その結論を論理的に証明します。 ピラミッドを頂点から下に並べる「トップダウンアプローチ」と、下から頂点に上る「ボトムアップアプローチ」の2種類があります。トップダウンアプローチでは、「結論→根拠→事実」と結論をスタートとして論理展開を行い、ボトムアップアプローチは「事実→根拠→結論」と積み上げて仮説を構築します。 ピラミッド構造は結論と論拠のつながりを説明・説得するのに効果的なフレームワークで、プレゼンテーションにも適しています。 MECEやピラミッド構造については、こちらの記事でも紹介しています。

ロジックツリー

ロジックツリーは、課題や問題をツリー化して原因や解決策を導くフレームワークです。樹木が枝分かれしていくように大きな項目から小さな項目へと分解しながら階層化して整理します。 ロジックツリーは主に3種類で構成されています。さらに問題解決ツリーにKPIを設置して行動プランにすることもあります。

  • 要素分解ツリー(Whatツリー):問題の全体を捉えて、要素に分解
  • 原因究明ツリー(Whyツリー):問題を引き起こしている原因を究明
  • 問題解決ツリー(Howツリー):問題に対する解決策の洗い出しと優先順位付け
  • KPIツリー:問題解決ツリーに具体的な数値を目標として設定

ロジックツリーは課題解決に向けた論拠や行動をチームで共有しやすく、アクションが明確になるというメリットがあります。

ロジカルシンキングの代表的な思考法

ロジカルシンキングを身に付けるには、フレームワークの活用に加えて、論理的な結論や主張を導くための思考法を理解しておく必要があります。

帰納法

帰納法は、多くの実例や事象から共通点を見つけて、一般的な原理やパターンを結論として導き出す思考法です。 例えば「ピーマンには栄養がある」「にんじんには栄養がある」という共通点から、「野菜には栄養がある」という結論を挙げる思考法です。

演繹法

演繹法は、一般的な事実と観察事項を結び付けて論理を順序立てて説明する方法です。 例えば、 一般的な事実:「業務の効率化にはデジタル化や自動化が効果的である」 観察事項 :「ペーパーレスが進まず、単純作業を人が行っていて生産性が低い」 結論:「業務を効率化するために、ペーパーレスや自動化に取り組むべきだ」

ロジカルシンキングの鍛え方

ロジカルシンキングのフレームワークや思考法を理解して、実際に活用できるようになるためには、継続的な取り組みや学習が必要です。

考えを言語化する

考えや言葉は自分の頭の中ではわかっていても、人に伝えようとすると上手くいかないことがよくあります。日頃から考えを書き出すなど言語化して、矛盾がないか、相手に伝わる表現になっているか考えることが効果的です。

自分の思考の癖に気が付く

自分自身の思考に癖がないか意識することは、先入観のない客観性を鍛える方法の一つです。自分の意見や考えをあえて批判的に検証することも、思考力を鍛える訓練になります。

結論と根拠を構造的に考える

日頃から結論と根拠の関係性を構造的に考えることが、ロジカルシンキングを鍛えるために重要な訓練です。また、フレームワークを活用して例題を解くなどの学習も効果的です。

ロジックをシンプルにする

ロジカルシンキングは、相手に伝わることが重要です。論理が複雑すぎると論点がぶれて矛盾が生じることもあります。できるだけ論理をシンプルにすることを心がけて実践します。

まとめ

今回は物事を論理的に考える「ロジカルシンキング」について解説しました。組織の生産性向上、課題の早期解決のために有効なロジカルシンキングを活用するには、フレームワークや思考法の習得が必要です。適切に理解するためには、研修がおすすめです。 ロジカルシンキング研修をご検討の方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください。

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