社内講師を育成するには
〜育成方法と必要なスキルを解説~
社員のスキル向上だけでなく、ハラスメント・コンプライアンス・SDGsなど企業としての取り組みの啓蒙など、社員研修を行う機会が増えている企業様も多いのではないでしょうか。その中で、「社内で運営可能な研修は内製化したい」そのために「社内講師を増やす必要があるが育成方法がわからない」といったお悩みの声をよく耳にします。 そこで今回は「社内講師の育成方法と必要なスキル」について解説します。
目次
1.社内講師のメリット
社内講師が研修を行うと、企業と講師を担当する社員の双方に次のようなメリットがあります。
会社の状況や課題に合った研修が実施できる
社内講師は、会社の組織文化や実務などを理解しており、受講者と共通した知識や認識を持っています。そのため組織の課題解決につながる研修や業務の成功事例、知見を共有するなど、より実践的な研修を実施することができます。
会場やスケジュール調整など、柔軟な運営ができる
社内講師の場合、会場やスケジュールなどの調整がしやすく、業務都合による日程変更なども比較的対応しやすいというメリットがあります。 また、研修後の質疑応答や研修内容の定着など、アフターフォローにも臨機応変に対応できます。フォローを充実させることで、継続的に学習する文化が促進されます。
コストが削減できる
社内講師が研修を実施することで、外部講師や研修会社への委託費用などのコストを削減できます。一方で社内講師が研修を行う場合、講師のトレーニングや研修準備などの時間がかかります。そのため、研修の内容や社内のリソースによっては、外部への依頼も検討しましょう。
社内講師を担当する社員の成長が期待できる
社内講師を担当する社員にとっては、これまでの知識や技術を整理したり、組織の課題について考察したりする良い機会になります。また、ファシリテーションスキルやコミュニケーションスキルなどを高める機会にもなり、スキルアップが期待できます。
2.社内講師のデメリット
社内講師のデメリットは、講師を担当する社員の負担と、社内講師の選定や研修の質のばらつきなどにあります。
社内講師を担当する社員に負担がかかる
通常業務を行いながら、研修の企画、教材作成、講義の進め方や伝え方の準備を行い、研修を実施するため、時間的にも体力的にも負担がかかります。上司や同僚など、周囲の理解や協力が得られるような配慮が求められます。
適任者の選抜が難しい
社内講師を務める社員は業務の知識や経験のほか、教えるためのスキルが求められます。講師の役職が高すぎると受講者が質問や意見を出しにくくなるなど、日頃共に働いている人が講師だと緊張感や意欲が湧きにくくなります。
研修の質に差が出やすい
社内講師は研修の専門家ではないため、人によって教材や講義の進め方など、研修の質に差が出やすいです。スキルや経験が豊富な社員が、講師として優秀な資質を持っているとは限らないため、社内講師を支援するトレーニングの提供など対策が必要です。
社内の視点に偏りがち
社内講師は、社内の課題や状況をよく知っているというメリットがありますが、その反面、社内からの視点に偏りがちになることも否めません。社外の視点を取り入れたい課題や研修には、外部講師に依頼するといった使い分けが効果的です。
3.社内講師の育成方法
研修を内製化するためには、社内講師の候補者を選び、講師が事前に必要なスキルを習得できるような支援が必要です。
社内講師の選任
コミュニケーションスキルなど講師に必要なスキルを持ち、適任な立場や役職の社員を講師に選びます。社内講師を担当することで、スキル向上などのメリットを伝え、モチベーションにつなげます。
企画や準備に必要な知見の共有
研修を企画して教材を準備するにあたり、何が必要なのかを研修講師に共有します。研修テーマだけを伝えて講師担当者に任せっきりにするケースが起こりがちですが、社内研修の主管部門と講師が共通の知識を持って進めていくことが望ましいステップです。
社内講師のスキルアップ
コミュニケーションやファシリテーションなど、研修講師に必要なさまざまなスキルについて学べる「社内講師育成研修」の実施が有効です。
4.社内講師に必要なスキル
社内講師は受講者の視点に立った企画や講義、グループワークの運営、受講者への適切なフィードバックなどを行うために、さまざまなスキルが求められます。
コミュニケーションスキル
受講者のニーズや関心を理解して、研修内容を分かりやすく説明するコミュニケーションスキルは社内講師として重要です。明瞭な話し方や聞く力のほか、姿勢や表情、身体の動きなどの非言語のスキルも含まれます。高いコミュニケーションスキルがあると、受講者と円滑なやり取りができ、受講者からの質問にも素早く正確に答えることができます。
インタラクションスキル
研修では講師が一方的に伝えるだけではなく、受講者と講師が双方向のコミュニケーションを取ることで、より効果的な学びを得ることができます。特にオンライン研修では受講者が受け身になりがちなため、ワークやチャットを活用しながらインタラクティブなコミュニケーションを取ることが求められます。
ファシリテーションスキル
受講者同士のディスカッションやグループワークなどを実施する際に、受講者同士の協力を促しながら進めるファシリテーションスキルが求められます。ファシリテーションスキルを身に付けると、受講者の議論を引き出しながら研修の効果を高めることができます。
企画力、資料構成力
効果のある研修を行うためには、目的や課題に基づいた研修内容を構成するスキルが必要です。課題を適切に捉えて、研修でどのような解決や効果を出せるかという研修企画が求められます。
5.まとめ
社内講師育成研修では、研修の企画・構成の方法やコミュニケーションスキル、ファシリテーションスキルなど、講師として必要な知識やスキルを習得できます。また、これらのスキルは社内講師を担当するときだけでなく、本来の業務でも活用できる有効なスキルです。社内講師の育成をご検討の方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください。
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