管理職に求められるコミュニケーションとは? コミュニケーションの役割と身につけるべきスキルを具体的に解説
管理職は上司や部下・他部門など社内はもちろん、顧客や委託先など社外に向けても、業務でコミュニケーションをとる場面があります。そのため、管理職のコミュニケーションは、企業のビジネスや組織運営の中で重要な役割を果たしています。しかし、管理職のコミュニケーションに悩みや課題を感じ、継続的なスキル向上を図っている企業はあまり多くはありません。
そこで今回は「管理職に求められるコミュニケーションと身につけるべきスキル」について解説いたします。
目次
1.管理職に求められるコミュニケーション
企業の中核にいる管理職は、周囲との信頼関係を構築することが求められています。そのためには、コミュニケーションスキルが欠かせません。管理職に求められるコミュニケーションについて、相手ごとに具体的に解説します。
・部下とのコミュニケーション
部下やチームメンバーとのコミュニケーションは、管理職として組織を運営し成果を上げていくために重要な要素です。部下の相談に乗ったりモチベーションを上げたりするためにも、部下を育成・評価する上でも、質の高いコミュニケーションは管理職にとって不可欠なスキルです。そして会社の方針や指示を伝えるためにも、部下の理解が深まるコミュニケーションが求められます。
また、管理職自身が部下とのコミュニケーションに悩むケースも多く、管理職がマネジメントで力を発揮するためにも、研修の実施など企業による支援が求められます。
・経営層とのコミュニケーション
管理職は、経営層に部門の状況を的確に報告するスキルが求められます。経営方針を理解したうえで、部門運営の成果・課題点・改善方針などを簡潔に伝えるためには、単に事実を列挙するのではなく、必要な情報を分かりやすくまとめる必要があります。
・他部門とのコミュニケーション
管理職は他部門とのコミュニケーションを通じて、企業としての全体最適化を実現していきます。自分がマネジメントする部門の役割を伝え、ときには交渉してスムーズに業務を遂行していきます。
・社外とのコミュニケーション
管理職は、対外的に会社の目的・目標や立場を的確に伝え、また取引先の会社の要望や立場を理解しながら関係性を構築します。そのため、社外とのビジネスにおいても、信頼関係を構築するための質の高いコミュニケーションスキルが必要です。
2.管理職のコミュニケーションの役割
管理職のコミュニケーションは組織内での効果的なマネジメントや対外的なビジネスに欠かせない要素です。管理職のコミュニケーションが、どのような役割を果たすのかをまとめます。
業務指示
管理職は業務目標や目的・背景が部下に明確に伝わるようコミュニケーションをとります。的確な業務依頼や指示を行うことで、部下は仕事を適切に理解し、効率的に実行できるようになります。
チームビルディング
管理職の適切なコミュニケーションは、チームメンバー間の連携や協力を促進し、組織内の結束を高めることができます。
評価・フィードバック
管理職は部下のパフォーマンスを評価し、フィードバックを行います。適切なコミュニケーションを通して成果を正しく評価し、改善点を指摘しながら目標達成を支援します。
組織内の問題解決
管理職は組織内で発生する問題や課題に対処し、方針やアクションを決定します。適切な情報を収集し、関係者との対話を通じて意思決定を行うためにコミュニケーションスキルが不可欠です。
3.管理職が身につけるべきコミュニケーションスキル
管理職は多方向へのコミュニケーションが求められるため、基本的な傾聴や対話力はもちろん、交渉や説得に必要なスキルの習得も必要となります。
アクティブリスニング(積極的傾聴)
アクティブリスニングは、相手の意見や情報を理解するために重要なスキルです。相手の話に集中して中断せずに最後まで聴くこと、また自分が集中して聴いている姿勢が相手に伝わることが必要です。相手のためを思って、つい自分の話ばかりしてしまう人がいますが、相手の意欲を損なうため「相手を理解するために聴く」姿勢が大切です。
対話力
相手と共通の認識や理解を持つためのスキルが対話力です。自分の意見を表現する力と相手の話を理解する力を組み合わせることで、対話力が高まります。対話力が高いほど相手とのコミュニケーションが深まるため、信頼関係の構築につながります。
伝え方・話し方
相手に伝わるような話し方をするためには、要点を簡潔にまとめる・強調や間をとる・聞き取りやすい声のトーンで話すといったポイントがあります。意識してトレーニングすることで伝え方が向上します。
交渉力・説得力
ビジネス上で相手と交渉する際、ときには無理難題を要求されることも想定されます。そのような場面で、お互いの納得できる結論に到達するために役に立つスキルが交渉力や説得力です。ネゴシエーションやアサーティブ(適切な自己主張)などのスキルが、管理職のコミュニケーションをより高いレベルに導くことができます。
4.管理職が行ってはいけないコミュニケーション
管理職が行ってはいけないのは「感情にまかせた発言」や「自分を正当化する」コミュニケーションです。信頼関係に悪影響を及ぼすほか、最悪の場合にはパワハラとして訴えられる恐れがあります。こうした場面でのセルフコントロールやアンガーマネジメントを学ぶことで解決が可能です。
また、管理職は部下の業務の改善や成長を促すために“叱る”コミュニケーションをとることもあります。しかし、いつでもどこでも𠮟って良いものではなく、叱る際には「人前で叱らない」「その場で𠮟る」などポイントがあります。そのため、効果的な叱り方を学ぶことも大切です。
5.まとめ
管理職のコミュニケーションは多方面に向けてさまざまな場面で重要な役割を果たします。そのため、コミュニケーションを行う上で求められるスキルも多岐にわたります。新任の管理職はもちろん、管理職全般に対してコミュニケーションスキルの強化は有効です。
管理職向けのコミュニケーション研修をご検討の方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください。
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