強い組織をつくるための階層別研修とは?
〜研修の内容やポイントを具体的に解説〜
目次
1.はじめに
「階層別研修の導入方法がわからない」「階層別研修の効果があまり感じられない」「階層別研修をブラッシュアップしたい」、といったお悩みをお持ちの企業様も多いのではないでしょうか。自社の状況に適した効果的な階層別研修を行うことができれば、強い組織づくりにつながります。 そこで今回は、「階層別研修のおすすめ内容や実施のポイント」について、わかりやすく解説いたします。
2.階層別研修とは
階層別研修は、勤続年数、役職、保有スキルなどで社員を階層に分けて、それぞれに求められるスキルや期待される人材像を習得することを目的とした研修です。新入社員研修、若手社員研修、中堅社員研修、管理職研修、経営層研修などに分けられます。 社員が各階層で求められる知識やスキルを身につけることは個人のスキルアップやモチベーション向上だけでなく、組織全体のレベルアップにもつながります。
3.階層別研修の目的
階層別研修の目的は、企業として組織全体のレベルを底上げしていくことです。それぞれの階層で必要な知識やスキルの習得を支援し、その階層で期待される人材像を社員が理解することで、現在の組織の底上げを図ります。 リモートワークやI Tツールの浸透により、組織の枠組みや働き方が変化するなかで、組織がチームとして機能するためのコミュニケーション、リーダーシップ、マネジメントなどの重要性は増しており、階層別研修ではこれらの全社的な習得や強化を目的としています。
4.階層別のおすすめ研修内容
階層別研修は、その階層で期待される役割と、その役割を果たすために必要な知識やスキルについて学ぶことが基本の枠組みです。 次に各階層の研修概要とそのポイントをご紹介します。
#新入社員研修
社会人としての意識の切り替えや、信頼される社会人になるために必要なスキルを習得します。学生と社会人の違いを理解し、積極的に周囲に関わる姿勢や職場への適応の仕方などを学ぶことで、社会人としての心構えを醸成します。 近年はコンプライアンスやダイバーシティなど、企業の取り組みを理解するための内容を取り入れて実施されることも多くあります。 また、社会人としての身だしなみや言葉使い・電話応対などのビジネスマナーや、報連相などのコミュニケーションスキルについても学びます。
#若手社員研修
入社してから2〜5年程度の社員を対象として、スキルアップを目的に実施します。中途入社が多い組織の場合には、年齢に関わらず社歴や立場で区分して実施することも一案です。 入社後数年が経ち、仕事に慣れてモチベーションが下がりがちな時期に研修を行い、「モチベーション向上」だけでなく、「主体的に仕事に取り組む姿勢」「組織内でのコミュニケーションのあり方」について学びます。 先輩社員として、新入社員のロールモデルとなるような、コミュニケーションスキルや仕事の進め方を習得することで、多くの業務や重要なプロジェクトを任せられる即戦力の人材育成につなげます。
#中堅社員研修
中堅社員の定義は企業によって異なりますが、主にチームリーダーや主任・係長などを対象として行います。管理職とメンバーの間に立って、リーダーとして現場を取りまとめる役割が求められます。そのため、メンバーや上司との円滑なコミュニケーションスキルや、チームをまとめ目標達成するためのリーダーシップやチームビルディング、現状の課題を解決するための問題解決力、PDCAなどの知識を習得します。 また、中堅社員は自身のプレイヤーとしての役割に加え、メンバーや上司のサポートも行なうなど、業務が多岐にわたります。その中で、常に安定した状態で業務に臨めるようにセルフマネジメントも求められます。
#管理職研修
管理職研修では、組織マネジメント、経営数値などを実施します。企業によっては課長と部長、新任と現職などで区分して行うこともあります。この階層では、プレイヤーではなく、部下を育成して組織を動かすために必要なスキルや人材像を学びます。 管理職としての組織運営力を養うために、全社目標の中での部門目標の立案・実行や数値管理、組織づくり、問題解決などのスキル習得に取り組みます。また、他部門との関わり方、交渉術など、部門のトップとして必要なコミュニケーションスキルも重要な研修内容です。 その他、ハラスメントやメンタルヘルスなどの予防や対策など、管理職としてリスクマネジメントに必要な知識やスキルについても習得します。
#経営層研修
経営幹部を対象とした経営層研修では、体系的な経営能力の向上を図るために、経営戦略や計画の立案、経営分析や、経営する上で必要な法律などについて研修を実施します。 社内では経営層研修を企画するリソースが不足していたり、受講者が上司であったりするため、研修会社に委託するケースが多いようです。
5.階層別研修実施のポイント
階層別研修を実施する際は、研修の順序や、これまでの研修の検証や課題の洗い出しがポイントです。
#研修を行う順序
経営幹部や管理職といった上位の階層からトップダウンの順序で研修を実施することで、一貫性のある全社的なプログラムになります。逆の順序で実施した場合、中堅社員などが研修の内容を実務に反映する際に、上位の階層が研修内容について認識していないことで、新たな取り組みに理解を示さないなどの事象が起きる可能性があるからです。
#研修の検証や課題の洗い出し
これまでに研修を実施したことがある場合には、各階層の意識やスキルが実務や行動にどの程度浸透しているか検証を行い、十分に効果の出ていない領域のプログラムを強化するなど、研修自体のPDCAが必要です。また研修後のアンケートなどで要望のあったプログラムを追加することで、マンネリ化を防ぎ、参加者のモチベーションを上げることができます。
6.階層別研修のメリット
階層別研修のメリットは、社員が平等にスキルや知識を学ぶ機会を設けることができ、主体性やモチベーション向上につながることです。企業としても、課題や必要なスキルに対する現状を把握することができます。
#各階層に必要なスキルや知識の習得
各階層に適した研修を実施することで、業務に必要なスキルや知識が習得されます。 また同じ課題や悩みを持つ同じ階層の社員同士が集まることで、各部門の役割に対する理解が深まったり、該当する階層に共通する課題が明らかになったりします。
# 社員の主体性を醸成
階層別研修に参加した社員は、自分に求められる役割を再認識することができます。そして、同じ階層の社員同士の中で自分の現状について気づき、主体的に学んだり、実務に臨んだりする効果が期待できます。
7.まとめ
今回は、強い組織をつくるための「階層別研修」について解説しました。階層別研修は社員個人のスキルアップはもちろんのこと、組織を底上げする上で重要な研修です。 「階層別研修」をご検討の方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください。