「えっ!これもハラスメント!?」社会的課題への取り組みとして、ボーダーラインを共通認識へ
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- 2019年7月24.25日実施 「ハラスメント研修」
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各種ハラスメント(特にセクハラ、マタハラやパワハラ等)を正しく認識し、予防のための知識を習得します。また、思い込みや個人の価値観から何気なく口にしていることが、無意識のうちにハラスメントになり得ることを認識していただきます。 詳しく見る >>
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太陽工業株式会社 様
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太陽工業株式会社は1959年に長野県諏訪市に創業し、精密金型・塑性加工・冷間鍛造といった技術を追求し、精密加工業界のリーディングカンパニーを目指した事業を展開。主力製品も、精密機器・デジタル家電・自動車・スマートグリッド・医療機器と着実にその幅を広げ、常にその時代の最先端の製品に向け技術を提供。様々な分野より、当社の冷間鍛造金型・精密順送金型及び塑性加工、表面処理、CAD/CAMシステムに対して高い評価を獲得。精密金属加工の技術提案を通して、お客様に技術的なソリューションを提供し続ける。
(ご担当者様からの一言)4つの企業からなるグループで一貫して物づくりをするのが当社の強みで、2020年2月で60年を迎えるため、比較的地元では、お馴染みの会社として、親しみを持って受け入れていただいています。プレス金型の金属部品において、難しい部品形状を大量に量産できるのが他社には無い強みで、自動車部品やスマートフォンの部品に、昨今は多く注文をいただいています。
- 実施前の課題
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- ハラスメントへの認識が低く、どのような言動がハラスメントに当たるかの判断基準を持っていない
- 社会的課題について社員教育をしているかが、お客様よりチェックされる対象のひとつとなった
- ハラスメント教育をしたいものの、なかなか時間が避けない
- 実施後の効果
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- 「共通言語」「共通認識」として全員がハラスメントに当たる言動を認識し、指示や会話の言葉選びが変わった
- 受講者の発案で、ハラスメントに関する制度が設計された
社員を幸せにするための教育と、顧客のニーズに応える取り組み
- 社員教育に対する考えをお聞かせください。
企業理念に“人間尊重の精神”がありまして、社員のことを指しています。「縁あって入った社員を大切にして、そして幸せになってもらいたい」という創業者の意志なんです。 そのための具体的な取り組みのひとつが、社員教育です。社員にしっかり教育をして、技術・技能、人間力を鍛える。人間として成長し、どんどん階段を登っていってもらうことを目標としていますので、教育に関してはかなり力を入れています。
- これまでの取り組みを教えてください。
新入社員研修は1ヶ月間くらい、しっかりとやります。理念教育から始まり、安全教育、技術技能教育、社会人としてのマナー含め、基本的なところをしっかりと。職場ローテーションで全職場をぐるっと回るので、業務への配属は夏くらいになるんです。それくらい最初に力を入れていますね。あとは入社後5年目、10年目、という節目に研修をしています。
最初のインプットがすごく大事だと感じます。現場に散った後だと、なかなかフォローできないんですよね。基本をしっかりやることが離職率防止にもつながるので、特に力を入れています。
- 具体的な教育内容を教えていただけますか?
仕事に必要なフォークリフトや、プレス作業主任者等の資格取得支援。社外セミナーでの異業種交流含め、コミュニケーション研修、5S改善研修など幅広く受講します。その他にも、製造部門、間接部門それぞれに対して必要な資格取得を推進しています。研修やセミナーを活用した資格取得支援も積極的に。社員一人一人と相談し、教育計画を立てて指導しています。
- CAMの「ハラスメント研修」導入理由をお聞かせください。
昨今ニュースで問題になっているのはもちろん、2・3年前からお客様の声を貰うことが増えたんです。“御社はこのあたりちゃんとやっていますか”というアンケート調査を頂くこともあって。会社としてのCSR的な試みを問われるようになりました。技術・技能・品質の監査はもちろんですが、それ以外の部分を見られるようになってきたんですね。ハラスメントのような社会的課題に向き合い社員教育を施すという、企業に対してのニーズが顕在化しました。そんな中、“こんな課題ありませんか。御社にマッチしていると思いますよ”とCAMさんからメールが送られてきて。提案がぴったりで“これだ!”と思い、すぐ連絡をしました。
現場のリアルを盛り込んだプログラムで問題に向き合う
- 研修に参加され、内容はいかがでしたか?
“情報のインプット”に期待をしてお願いしました。実施後は想像以上のインプットが感じられて、非常に良かったです。講師の方もベテランの先生で、面白さもを取り入れたプログラムを立ててもらえました。事例をたくさん取り入れてくれて、参加者も「そういうこともハラスメントになるんだ」という発見があったと思います。さらに今回実は、裏の仕込みがありまして…。
- 裏の仕込み…なんだか怖い響きですが(笑)
当社で起きている実際の相談事や問題を、他社事例として混ぜてもらったんです。「これはダメですよ、アウトですよ」と講師の方から紹介していただいて。なので、それを聞いた数名は「えっこれもダメなの!」と慌てていたと思いますよ(笑)こういう問題は、誰かに基準を教えてもらわないと、共通の認識も情報もありません。自分が悪いことを言っていると気づけないんですよね。
- 印象に残るプログラムはありますか?
事例に加えて、ディスカッションも良かったと思っています。この言動はハラスメントにあたらないよね、逆にこれはだめだよね、といった〇△×をつけるセルフワークをやった後、グループで見せ合いながらディスカッションしました。解答が、それはそれはバラバラだったんですよ(笑)。皆のボーダーラインが全然違っていて、「ハラスメントの問題は人それぞれ違うんだ」ということに改めて気付かされました。それに対して先生がすぐに答えをくれるので、“ほらね”ということもあれば、“あ、ダメなんだ”ということも。この気づきは大きな成果物でした。
受講者の気づきから生まれた、新しい人事評価基準
- 研修後、受講者様の反応はいかがでしたか?
とにかく分かりやすかったし、時間を短かくまとめてもらえて良かったという声が多かったです。通常短くても4時間のところを2時間にしてもらえたのも、業務上助かりました。効果としては、“共通言語・共通認識”として全員が理解し、それを気にしながら仕事を指示するようになりました。管理者同士の会話でも「あれ、これって大丈夫かな」と。今まで話題にすらならなかったのに、共通の議題としてあがるようになった。良いきっかけを作れたと感じています。
- 具体的な変化はありましたか?
当社では人事考課として、業務実績や能力等で多角的に社員を評価する「人財シート」というものがあります。その中で管理者の人となりを見る項目に、ハラスメントが加わったんです。この職場で管理者として働く以上、ハラスメントに配慮した行動をとる、知識がある、等の内容です。制度として、管理者としてあるべき姿が設定されたわけです。
毎年各部門長と課長がすり合わせて、部署別に項目を設定します。そこでハラスメント項目追加の提案があったことは、研修を受講した部門長たちが、必要性を感じた証明です。結果として、その追加項目は全部署共通で設定することに。今まで考えられていなかった、話題にもならなかったハラスメントに対する制度づくりが社員から発信されることは、とても大きな変化です。
今後の展開について
- 今回の研修について、ご満足いただけましたか?
(良い感想ばかりですが)ぜんぜん盛っていないですよ!事実です。私は、研修後のフィードバックは本当の良いこと、悪いこと全部言います。今回の研修は、申し分なく本当に良かったです。…だからね、来年もやりたいんですよ。
- ぜひお願いいたします!!
1回で終わっちゃうと良くない。次年度になれば、また違う社会的課題や事例が出てきますから。こういう取り組みは定期的にやることで、深めていきたいと思いますね。人間、忘れてしまうものなので。
- 次回もご期待に応えられるよう尽力いたします。本日は、ありがとうございました!
受講者の感想
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軽く考えている部分があったが、自身、会社に大きな悪影響を与える事だと認識が改まった。(40代・男性)
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分かりやすい内容で良かったです。今後の仕事に生かしてみるべく、もう少々考えていくようにしてみます。(40代・男性)
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リーダーだけでなく、社員全体にこうした研修はした方が良いと思いました。(50代・男性)
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時代に合わせて、自分の考えも合わせていきたい。(40代・男性)
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コミュニケーションの大切さを感じた。(30代・男性)
CAM営業担当より
この度の研修では、正しい知識を得ただけでなく、事例を通して「自分ごと」として捉えていただけたことがポイントだと思います。「ハラスメント」は今や誰もが知る言葉となり、世間では必要以上に恐れて適切な指導ができない管理職が増えていると耳にします。
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