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いま、注目のメンター制度について解説!-社員教育のCAM

2023.03.03 コラム

目次

  • まとめ

    はじめに

    メンター制度について「本当に効果はあるの?」「導入方法は?」など、お悩みの人事担当の方も多いのではないでしょうか。

    人材不足が深刻化している昨今、新卒社員の3年以内の離職率は概ね3割程で推移しており、人材の定着が重要課題となっています。

     

    そこで今回は、「新入社員の定着の取り組みとして注目されているメンター制度」について、わかりやすく解説いたします。

    メンター制度とは

    メンターという言葉には助言者、指導者という意味があり、メンター制度は新入社員の自律や定着を促す目的で取り入れられるケースが多いです。サポートをする先輩社員をメンター、サポートされる側の新人社員や若手社員をメンティーと呼びます。メンターは公私を問わず広くメンティーの相談に乗り、社会人としての基礎力や心の在り方を磨くための支援をおこないます。

    一般的にメンターには仕事上の上下関係が発生する直属の先輩ではなく、年齢や社歴が近い他部署の先輩社員を配置し、業務やスキルではなく人間関係や組織に馴染むといった精神的なサポートをメインにおこないます。

    メンター制度は一見すると新入社員をフォローするための制度のようですが、メンターとメンティーが互いに成長する仕組みで双方の定着や人材育成という側面もあります。

    企業、メンター(先輩社員)、メンティー(後輩社員)それぞれに期待できる効果として、以下のようなものが挙げられます。

     

    〈企業〉

    • 社員の定着、離職防止、早期戦力化
    • 部署間の相互理解や組織活性化

     

    〈先輩社員〉

    • 責任感から生じるモチベーションの向上
    • コミュニケーション能力、マネジメントスキルの向上

     

    〈後輩社員〉

    • 直属の上司、先輩には話しづらい相談ができる
    • 先輩の経験や仕事に対する姿勢を知ることができる
    • 今後のキャリアプランなどのアドバイスが得られる

     

    ただし、留意点もあります。

    メンター制度は面識のない先輩社員がメンターになることも多く、制度導入時点では信頼関係ができあがっていない状態です。また、一般的には年齢が近く経験豊富なメンターが望ましいとされていますが、必ずしもベストな体制が組めるとは限りません。

    他にも以下のような問題が予見されます。

     

    メンターの業務負担の増加

    一つ目の懸念点は、メンターとなる社員に負荷がかかることです。メンター自身の通常業務に加えてメンティーの相談に乗る、サポートをおこなう時間を確保するため、業務上の負担が重くなります。

     

    メンターとメンティーの相性

    二つ目の懸念点は、メンターとメンティーの相性が合わないと良い結果が得られないことです。メンター制度は基本的に、メンターとメンティーの間で良好な関係が築かれることが前提となっているので、相性次第では互いにストレスを感じる結果となり、逆に仕事のパフォーマンスを下げてしまう可能性も考えられます。

     

    メンターの能力差

    三つ目の懸念点は、メンター社員の能力によって質にばらつきが生じるということです。また、メンター制度の目的の理解度によっても応対の質に差がつき、メンティーの成長にも差が生まれる恐れがあります。

     

    いずれにしても、制度導入にあたり効果的に運用を進めていくためには、メンターに対する研修を取り入れるなどして組織全体で目的の共有、内容理解を深めるような環境整備が必要です。

    メンター制度が注目される背景

    前述したように近年、企業では入社3年以内の若手社員の離職が課題となっています。早期離職の理由としては「仕事や社内の人間関係が合わない」など職場環境や仕事への適応に関するものが多く、背景には職場環境が時代とともに変化していることが考えられます。

     

     バブル経済崩壊後、実力主義の組織体制へと移行する企業が増加し、従来、多くの日本企業が取り入れてきた終身雇用制が崩壊したことに起因して、昨今は多様化への対応からフラットな組織に方向転換する企業が多くなっています。

     

    その結果、先輩が後輩を指導する従来型の組織風土が形成されにくく若手社員が孤立しやすい状況が生まれるようになりました。さらに、最近ではリモートワークの導入による就業形態の変化で職場の人間関係が希薄になり、リモート環境下における社員のメンタルヘルス対策の一つとしてメンター制度を導入する企業も増えてきています。

     

    メンター制度が必要とされる背景には、人材育成やチームワークが醸成される社風を意図的に作り出そうという狙いがあります。日常的に誰かに相談できる環境があれば、若手社員の離職防止にもつながるでしょう。

     

    メンター制度を導入するメリットとは?

    メンター制度を導入するとどのようなメリットが得られるのでしょうか。下記3点について解説していきます。

     新入社員のモチベーション維持

    新入社員は職場環境や人間関係に慣れておらず、一人で不安を抱え込みがちです。経験のない新入社員が周囲に相談しづらい状態で業務にあたると、仕事のやり方がわからずにミスをしてクレームになるなど、さまざまな問題を引き起こしかねません。

    気軽にコミュニケーションが取れる先輩が居ることで問題が解決されやすくなり、悩みを溜め込むことも減るため離職防止につながります。また、不安が解消されることで仕事への意欲を維持しやすくなるメリットもあります。

    メンターとなる先輩社員の成長

    メンターである先輩社員は、メンティーから相談を受けることで多様な視点や考え方を身につけられる機会となり、さらには自分自身を振り返り学び直すきっかけになるなど、結果的にメンター自身の成長につなげることができます。

    また、メンティーの心に届くような伝え方や聞き方を考えたり、先輩としての自分の仕事ぶりを客観視する機会にもなったりと、コミュニケーション力の向上が期待できます。

    部署間のコミュニケーションの促進

    メンター制度では、組織が抱えがちな部署間のコミュニケーション低下を払拭できます。

    メンターは別部署の先輩社員が担当することが多いため、業務で直接的な関わりのない社員間のコミュニケーションが促進され、必然的に部署の垣根を越えた交流が生まれることから組織全体の活性化が期待されます。また、メンティー同士が横のつながりを作りやすくなり、組織を超えた人間関係の構築や社内コミュニケーションの円滑化が見込めます。

    他にも、キャリア形成の上で女性は妊娠、出産などのライフイベントにまつわる悩みがつきものです。同性のメンターが相談に乗ることで、キャリアビジョンを描くことができ、女性活躍推進にもつながるでしょう。

    まとめ

    メンター制度を効果的に行うために

    メンター制度は、社員のメンタル面をサポートするだけでなく、コミュニケーションの活性化や人材を育成する組織風土の醸成など、さまざまなメリットをもたらします。

     

    また、メンター制度を効果的に運用していくためには役割や意義を明確にすることが大切です。具体的には

    • メンティーのメンタル的なサポート、実現したい目標やゴールの明確化
    • メンティーが掲げる目標やゴールに対する現状の把握
    • 上記に基づくメンティーの行動計画へのアドバイス

     

    このように目的に合わせてメンターの役割や期待を整理したり、メンターとしての適切な振る舞い、必要なスキルや注意点についての理解を深めたりと、導入の際には研修を取り入れることが成功のポイントです。

    メンターへの教育をはじめ社員研修をご検討の方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください。

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