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レジリエンスが高い人の特徴と高める方法-社員教育のCAM

2023.03.31 コラム

目次

  • はじめに
  • レジリエンスとは
  • はじめに

    皆さんは、「レジリエンス」という言葉をご存じでしょうか。働き方改革による労働環境の変化や、コロナによる生活環境の変化など、私たちを取り巻く環境が日々変化する中、思いもよらぬストレスに対処しながら成果を上げることが求められています。

    そんな困難な状況においても、それに適応し、回復する力として「レジリエンス」が注目されています。

    そこで今回は、「レジリエンスが高い人の特徴やレジリエンスを高める方法」について、わかりやすく解説いたします。

    レジリエンスとは

    レジリエンス(resilience)とは、「回復力」や「弾力性(しなやかさ)」を意味する英単語で、元々、工学や物理学の世界で使われていましたが、心理学の領域で災害や戦争などを経験した人々の追跡調査をする過程で注目されるようになりました。さらに現在は「困難やストレスを受け止めて跳ね返し、適応・回復していく力」として、ビジネスシーンで使われるようになりました。

    物質や物体は外力が加わると変形します。その際、どのぐらいその力を吸収できるか、どのぐらいその力を取り除いて元の形に戻ろうとするか、この一連のやり取りに関係するのが物質や物体の持つレジリエンスです。

    レジリエンスが高い人、低い人

    レジリエンスが高い人は、困難な問題や危機的な状況に直面してもすぐに立ち直り、適応していくことができます。

     

    例えるなら、竹やヤシの木のように強い風に吹かれても、しなやかに受け止め、受け流し、立ち直るようなイメージです。「自発的治癒力」といった意味で解釈すると理解しやすいでしょう。

    レジリエンスの効果、メリット

    レジリエンスが高まることで得られる効果には、具体的に以下が挙げられます。

    • 活力高く働くことができる
    • 集中力、パフォーマンスの向上
    • より創造的、かつ包括的に問題解決ができる
    • 部下の育成能力やマネジメント能力を高めることができる
    • 限定されたリソースを最大限に活用できる
    • ストレスに効果的な対処ができる
    • 他人や周囲の状況に対して効果的に働きかけることができる
    • 相手の拒否反応や、ネガティブな事象に的確に対処できる

    レジリエンスが高い人の特徴

    続いて、レジリエンスが高い人の特徴をご説明します。レジリエンスが高い人には以下のような特徴があります。

    • 困難な状況に対しても「自分はできる」と思い挑戦する
    • 落ち込んでも立ち直るのが速い
    • 落ち込んでも立ち直るのが速い
    • 失敗しても、それを糧として成長できる
    • 自分の強みや弱みを理解している
    • ありのままの自分を受け入れている
    • 他人と自分を無意味に比較しない

     

    〇精神面

    レジリエンスが高い人は自己肯定感が高いことが特徴です。自己肯定感が高い人は困難に陥ってもそれを跳ね除け、その状況から抜け出すことができる頑強な心を持っています。

    〇行動面

    レジリエンスが高い人は、危機的な状況下で、迅速に状況を判断し効果的な対応ができると言われています。他人と自分を比較して安易に自分を卑下することなく、ハードルの高い仕事を命じられても恐れずにチャレンジしたり、使命感を持って行動したりできます。また失敗から学び、成功体験へつなげる行動力があります。

    〇習慣面

    レジリエンスが高い人は、私生活の中で健康的な生活習慣やリラクゼーションを取り入れており、以下のような習慣が身についている人が多いようです。

     *栄養バランスの良い食事を心がけている

     *喫煙をしない

     *1日7-8時間の睡眠をとる

     *飲酒は適量に留める

     *定期的な有酸素運動をしている

    リラクゼーションの方法は、人それぞれ異なりますが、自分に合った方法を習慣にすることが大切です。例えば、好きな音楽を聴く、アロマテラピーを楽しむ、犬と散歩をするなどが挙げられます。

    レジリエンスが低い人の特徴

    一方でレジリエンスが低い人には、下記のような特徴が見られます。

    〇精神面

    自己肯定感が低い傾向にあります。試練にぶつかった時に逆境から這い上がるだけのポジティブな気持ちの切り替えができず、不安や緊張、落ち込みが強い傾向にあります。

    〇行動面

    物事のネガティブな側面に注目しやすく、自ら進んで新しい仕事や役割に挑戦する主体性に欠ける人が多いといわれています。自分にも相手にも厳しい一面があり、悩み事を一人で抱え込みやすいようです。

    〇習慣面

    仕事での悩みや不安を引きずってしまい、生活習慣が乱れやすい特徴があります。バランスの良い食事や十分な睡眠時間を確保できず、疲労が蓄積しやすく、仕事でのミスが重なるといった悪循環ができてしまいます。

     

    レジリエンスと似ている概念

    レジリエンスと類似する概念について、レジリエンスとの相違点と合わせてご説明します。

    レジリエンスとストレス耐性の違い

    レジリエンスとよく比較されるのが、ストレス耐性です。ストレス耐性は、「ストレスにどのぐらい耐えられるか」の度合いを指します。レジリエンスがストレスをしなやかに受け止め、跳ね返していく力であるのに対して、ストレス耐性はストレスを我慢し、耐える力を指します。

    ストレスに対応する力という意味では同じですが、ストレスへの向き合い方という点で、両者はまったく異なります。また、レジリエンスは後天的に鍛えることができるという点でも、両者は明確に違うといえます。

    ストレス耐性は、本人の気質や性格によってある程度決まる特性です。一方でレジリエンスは、自分の思考や感情、行動のパターンを知り、適切にコントロールする方法を学ぶことで、誰でも後天的に高めることができるスキルです。

    レジリエンスとメンタルヘルスの違い

    メンタルヘルスは、心の健康を指します。精神衛生において良い状態を保つことや、精神面での健康を表します。精神的に不調をきたした場合、うつ病などに代表される精神疾患につながることもあります。このようなケースでおこなわれるケアをメンタルヘルスケアと言い、主に、精神科医・カウンセラー・保険医をはじめとする専門家や職場でのケアを指します。

    一方で、レジリエンスはメンタル面での「状態」や「ケア」ではなく「回復力」や「適応力」などの特性、能力のことを指します。

    レジリエンスとハーディネスの違い

    レジリエンスを語る中で多く用いられる言葉に、ハーディネス(hardiness)があります。ハーディネスとは、感じたストレスを自らの力で撥ね返すような、個人が内に秘めている強い特性を示す概念です。一般的には、「頑健性」といった意味で解釈されています。

    レジリエンスがストレスを受けた後に回復する力であることに対して、ハーディネスは、そもそもストレスを感じにくい力のことを指します。

    レジリエンスを高める方法

    困難に直面した際、チャンスに変えて成功への一歩とする人もいれば、ピンチをピンチとも思わず軽々と乗る超える人、不安や緊張におし潰されてしまう人など、捉え方や反応は様々です。

    レジリエンスの研究が進み、逆境に対しての反応の違いは科学的な理論や法則性に基づいていることが判明しました。 では、レジリエンスを高める方法はどんなものがあるのでしょうか。 まず確認したいのは「レジリエンスは特別ではなく、誰もが持っているもの」ということ。そして、「レジリエンスの高低によって“できる”“できない”は変わらない」ということです。

    レジリエンスを高める方法 ~ 6つのコンピテンシー ~

    レジリエンスを高めるための必要な力として、物の考え方や特徴、感情と行動に対する認識や理解、感じ方、振る舞い方のコントロールなどを包括した、総合的な能力が挙げられます。これらを「レジリエンス・コンピテンシー」と呼びます。レジリエンスは単純な技術やスキルといったものではなく、マインドにも大きく関係するものであり、レジリエンス・コンピテンシーは誰でも養成できます。

    【自己の気付き】

    ―自己の思考、感情、行動、生理的反応に注意を払う能力―

    自己の気付きを高めるためには、様々な場面において自分がどのような思考、感情、行動、生理的反応を取る傾向にあるかを客観的に認識し、受け入れる必要があります。その日の出来事を記録に取っていくことで、それらを見ながら内省でき、臨機応変な対処を取りやすくなると言われています。

    【自己のコントロール】

    ―望ましい結果が得られるよう、自分のを律し、思考や感情、行動、そして生理的状態までを変化させられる能力―

    自己コントロール力を高めるには、精神を整えることが重要です。困った!ピンチ!というときほど一呼吸おき、感情を落ち着けて対処しましょう。

    【現実的楽観性】

    ―ポジティブな面に気づき、自らコントロールできるものに注目し、目的がある行動を起こせる能力―

    現実的でありながら楽観性を持つことを身につけるためには、物事を的確に捉え、困難を打開するポジティブなポイントを見つけるという姿勢が大切です。

    【精神的柔軟性】

    ―状況を多角的かつ客観的に見渡せて、想像的であり柔軟に思考できる能力―

    精神的な柔軟性を高くするには、物事の一部に固執せず多角的な観察をして客観的に、本質を捉え、目的を見失わず柔軟に対応するよう心がけるようにしましょう。

    【キャラクター・ストレングス】

    ―強みを生かして能力を発揮し、困難を乗り越え自分の希望する人生を想像する能力―

    キャラクター・ストレングスを向上させるには成功体験が必要になります。やってみたいことには積極的にチャレンジし、学びを深める事で「自分はできる」という自己肯定感が上り、キャラクター・ストレングスが鍛えられます。

    【関係性の力】

    ―強い信頼関係を築き、維持する能力―

    関係性を強くするには、まずは共に働く仲間の良い面に目を向け、積極的なコミュニケーションを通して関係性を深めていくことを意識しましょう。また相談できる家族や友人の存在は安心感を生みます。日頃から感謝の気持ちを伝え関係の継続をはかるようにしましょう。

    レジリエンスを高めるためには、「レジリエンス・コンピテンシー」が有効ですが、誰もが自力で自然に高められるものではありません。

    そこで、社員のレジリエンスを確実に向上させたい企業様には、キャムテックの「レジリエンス研修」がおすすめです。レジリエンスとは何かといった概念から、職場で実践できるレジリエンスの高め方を、ワークを通じてプロの講師から学ぶことができます。

    まとめ

    様々な環境が日々変化する現代社会において、目標に向かって前進しようとすればするほど、多くの困難が待ち構えています。しかし、レジリエンスを高めることができると、困難な状況を克服し、適応していくことができます。

    「レジリエンス研修」をご検討の方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください

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