業務改善とは? ―生産性を向上させる業務改善のポイントを徹底解説!―
目次
- はじめに
- 業務改善とは?
はじめに
「業務効率化」「コスト削減」「業績アップ」・・・
皆さまの職場でも、このようなスローガンを掲げられていませんか。しかし、そうは言われても「何から着手したらいいかわからない」「進め方がわからない」「効果を実感できない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「業務改善をおこなうメリットや注意点、ポイント」について、わかりやすく解説いたします。
業務改善とは?
業務改善とは生産性向上、企業成長のために欠かせない取り組みのひとつで、その言葉の通り、業務内容や目的、業務フローを見直して、問題点を改善することです。
「カイゼン」はトヨタ自動車から生まれた考え方で、海外の製造現場でも「kaizen」という言葉で使われており、その重要性は昔から知られていますが、現代でも新しい手法や考え方が生まれています。また、業界や職種にかかわらず人手不足が深刻化する中、一人ひとりの生産性向上や業務効率化は急務の課題といえます。
業務改善が注目される背景
近年は労働人口の減少や働き方改革の推進が進み、今まで以上に少人数・短時間で業務をこなしていくことが求められています。労働力の減少は特定の業界に限ったことではありません。経済産業省によると、日本の人口は2050年には1億人を下回り、さらに生産年齢人口の比率はピーク時の約50%にまで落ち込むと予測されています。
出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」、総務省「人口推計(平成28年)」より経済産業省作成
業務改善のメリット
ここでは、業務改善による4つのメリットについてご説明します。
①コスト削減
業務改善に取り組まず放置しておくと、気づかぬうちに無駄が生まれてしまいます。「ムダ」な業務の削減により、それまで発生していた金銭的なコストや時間的なコストを削減することができます。
②業務効率化
業務改善の一環で業務フローを見直すことにより、これまで発生していた「ムダ」な作業を洗い出すことができます。「ムダ」な作業を省き、最適な業務フローを再設定することで業務の効率化が期待できます。具体的には属人的な業務の標準化、業務のシステム化、自動化のほか、「何となく」でおこなっている従来の取り組みの見直しなどが挙げられます。
③労働環境の改善
人手に見合わない作業量や期日など「ムリ」な業務が発生すると、十分なパフォーマンスを発揮することができません。業務改善を通じて「ムリ」な業務をなくすことで、残業時間の削減やエンゲージメントの向上など、働きやすい職場環境につながります。具体的には、特定の部門や社員に仕事が偏っていないか、業務フローにおいて不必要な手順が多くないか、外部委託の方が社内の負担が少なくスピードが上がるのではないか、などの目線を持って改善していくことが大切です。
④生産性向上
生産性とは、「労働者数や労働時間に対する成果や納品の割合」を示します。
業務改善により業務が効率化すると、各々の業務にかかる時間を短縮することができ、そこで生まれた時間を他の業務に充てることができます。従来と同じ時間内に限られた人数で大きな成果を上げられるようになると、企業全体の生産性向上につながります。
業務改善の注意点
続いて、業務改善を進める上での注意点についてご説明します。
業務改善におけるムリ・ムダ・ムラ
社員一人ひとりが生産性を上げるためには業務改善が必要不可欠ですが、業務停滞が発生する主な原因は、業務フローに“ムリ・ムダ・ムラがあること”といわれています。
ムリ・ムダ・ムラとはそれぞれ以下のような状態をさします。
・ムリ
「ムリ」は達成困難な作業量や納期など、業務の負荷が処理できる能力を超えている状況です。例えば、明らかに実現不可能な納期や、自身のスキルでは対応できない業務が挙げられます。
・ムダ
「ムダ」は過剰生産や、余計な作業がある状態を指します。例として、不要な作業工程、過剰在庫などがないかチェックすることが挙げられます
・ムラ
「ムラ」はムリとムダの両方が混在した状況を指します。同じ作業者でも仕事の質が異なるケースや、同じ作業内容でもチームが異なることで成果に差がでることが挙げられます。
業務改善におけるQCD
業務改善の考え方のひとつにQCDがあります。QCDとは、Quality(品質)、Cost(費用)、Delivery(時間/納期)の頭文字をとったもので、業務改善を行う上で重要な三要素を示しており、生産管理の指標として用いられています。
QCDについて理解するうえで重要なポイントは、これらの三要素がトレードオフ(一つの要素を改善するためには、別の要素を犠牲にしなければならない)の関係にあるということです。
例えば、既存商品の品質を向上させたことで、コストも納期も倍になったとすると、お客様の満足度は下がってしまいます。
このように、三つの要素は綿密に結び付いており、一つの項目だけを向上させ、他の要素を切り捨てると大きな効果は期待できません。つまり、「より良い商品・サービスを、より低いコストで、希望の期日に納品する」企業努力が必要です。
QCDの管理の対象は有形無形を問わず、製品からサービスまで全てに適応できる考え方です。また、ムリ・ムダ・ムラの視点も同様に業界・業種を問いません。前述の通り、ビジネスにおいてはQCDの各要素を連動させ全体のバランスが取れるように最適化し、お客様がより満足している状態を目指す視点が重要です。
業務改善のポイント
業務改善が失敗する原因として「問題の本質にたどりつけていない」「現状や現場を理解していない目標設定」が挙げられます。
業務改善にあたっては、各現場で具体的な課題を洗い出し、道筋を立てていく必要があります。ここでは、業務を見直す際に意識すべき六つの項目ついてご説明します。
①やめる
言葉の通り、現在行っている業務のいずれかをやめる方法です。日頃の業務の中には不要なものが少なからずあるはずです。その業務自体を無くすことができれば、改善策を考える必要はありません。「なぜこの業務を行っているのか」と考えることが大切です。
②簡素化
当該業務をやめることはできないものの、簡単にすることは可能な場合もあります。全体の業務フローの中で不要な部分を洗い出して、頻度や工数を減らせば、ミスやトラブルの防止にもつながります。
③システム化
簡素化が難しい業務は、システム化できないかを検討してみましょう。置き換えられないと思われる業務も、別の角度や違う部署、担当者から見れば可能なケースもあります。業務の洗い出しの際に、システム化の可否もあわせて検討してみましょう。
④集中化
業務の集中化とは、共通項の多い業務や似たような処理が必要な業務を1カ所にまとめることをいいます。各事業部でそれぞれおこなっている管理や庶務などの業務を集約することで、ムダが省け、作業の質が上がります。
⑤標準化
標準化とは、各社員で作業手順が異なる、いわゆる属人化されている業務を一般化する方法で、業務ルールが明確に定義されていないものに対して適用できます。業務マニュアルを作成して、データを統合し、情報システムと整合させることで、属人化した業務も標準化することができます。
⑥移管
移管とは、企業の本業やコア業務だけを残し、そうではない業務を外部委託する方法です。協力会社やフリーランスに業務を外注することで、ムリやムダを減らせたり、会社のコアメンバーがさらなる付加価値を生む内容に取り組めたりします。
キャムテックの研修が選ばれる理由
①キャムテックのナレッジを共有
業務改善や新たな仕組みづくりを目指すにあたり必要なノウハウを、研修を通じてお伝えいたします。企業様ごとの状況やお悩みに合わせた研修を行うため、職場での実践に落とし込みやすいことが特徴です。
②具体性のある改善策のご提案
弊社の研修では業務の自動化、マニュアル化、工数削減など具体的な手法を学ぶことができます。また継続して研修を行い、業務改善のPDCAサイクルを回していくことで、その効果を数字で実感いただくことができます。
まとめ
業務改善をおこなう際は、必ず具体的な数字を意識しながら実践することが大切です。また、定期的に効果を検証し、継続的に取り組んでいく必要があります。
「業務改善の手法がわからない」「業務効率良く進めたい」という方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください。
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