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リスクマネジメントとは~知っておきたいリスクの種類から対策方法~

2021.01.05 コラム

近年、グローバル化やテクノロジーの発展により、企業を取り巻く環境が大きく変化し、リスクは多様化・複雑化しています。こうしたリスクへの対処を一歩間違えると、顧客や株主の信頼を失い、業績に大きなダメージを受けることになりかねません。そこで重要になるのが「リスクマネジメント」です。しかし「リスクマネジメント」が大切と言われても、その意味を正しく理解できていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、「リスクマネジメントとは何か、またリスクの種類から対策の方法」をご紹介いたします。

リスクマネジメントとは

リスクマネジメント(risk management)とは、「想定されるリスクを事前に洗い出し、リスクの発生による損失を回避し、万が一リスクが発生した場合の被害を最小限に抑える」ための経営手法です。“事前にリスクを回避するための措置”と、“発生した際の補償”という2つの側面を持っています。

リスクマネジメントの類語

リスクマネジメントの類似用語として挙げられる3つの用語をご紹介します。それぞれの意味を混同しないよう注意してください。

リスクアセスメント

リスクアセスメントとは、事前に職場の潜在的な危険性や有害性を見つけ出し、あらかじめ除去や低減するための手法です。「有害性の特定・リスクの見積り・優先度の設定・リスク低減措置」の4つのプロセスからなり、実際にリスクが発生した際の対処法は含まれていません。製造業や建設業等の事業者では、2006年から労働安全衛生法により、実施が努力義務化されています。

危機管理

危機管理とは、クライシスマネジメント(Crisis Management)とも呼ばれ、実際に生じてしまったトラブルや問題に対して、事態がそれ以上悪化しないように状況を管理する手法です。例えば、自社の運営するSNSが炎上した際の対応、製品に不具合が見つかった後の対応などが挙げられます。つまり危機管理は、マイナスの局面から少しでも早く元の状況に戻すための手法と言えます。

リスクヘッジ

リスクヘッジとは、元々は金融業界で使われていた言葉で、起こり得るリスクのレベルをあらかじめ予測して、それを避けるために事前に対策を図ることです例えば、プロジェクトの案を1つに絞るのではなく、複数用意することや、個人があらゆる保険に加入する行為も、リスクヘッジに含まれます。つまり想定されるリスクに対して、様々な対策や手段を図るという意味を持ちます。

リスクの種類

実際に企業経営において、どのようなリスクが発生するのでしょうか。様々なリスクが存在しますが、その性質により“投機的リスク”“純粋リスク”の2種類に分けられます。

投機的リスク

投機的リスクとは、企業にとって利益と損失の両方が発生する可能性のあるリスクのことを指し、動態的リスクとも呼ばれています。政治情勢や経済情勢などの外的要因に依存しているため、グローバル化により、企業が直面する投機的リスクは増加傾向にあります。

具体的には、下記の4種類があります。

  • 景気の悪化や円高・円安などの為替レートによる経済的情勢変動リスク
  • 政権交代などによる政治的情勢変動リスク
  • 規制緩和、法改正といった法的規制変更リスク
  • AIなど新技術の開発による技術的情勢変化リスク

純粋リスク

純粋リスクとは、企業に対して、損失のみ与えるリスクのことを指し、静態的リスクとも呼ばれます。純粋リスクは予測によって統計的把握ができるため、リスクマネジメントしやすいと言われています。

具体的には、下記の4種類があります。

  • 盗難などの人的災害や、地震・台風などの自然災害による財産損失リスク
  • 取引先の倒産、施設閉鎖などによる収入減少リスク
  • 著作権や特許権の侵害による賠償責任リスク
  • 従業員の病気や事故による人的損失リスク

リスクを回避する5つの対策

企業リスクは多岐に渡り、内容によって対策方法は異なります。ここではリスクを回避するための5つの方法を紹介します。

予防策

予防策とは、リスクマネジメントの中で、最初に検討すべき対策で、リスクの発生確率を低減させる取り組みです。予防策の1つに、リスクやトラブルを防ぐための訓練が挙げられます。具体的には、ペーパードライバーが車を運転する際に、事故を起こすかもしれないリスクが潜んでいるため、ベテランのドライバーと一緒に練習するといった行動が挙げられます。

低減策

低減策とは、リスクが発生した場合の影響を最小限に抑える取り組みです。トラブルが起きた場合の対処法をマニュアルに定めておくことで、コストや労力をかけずにリスクに対処できます。例えば、パソコンの紛失・盗難・情報漏洩に備えて、保存する情報を暗号化しておくことが挙げられます。

移転策

移転策とは、リスクを第三者に移すことで、大きなリスクを回避できるリスクマネジメントの1つです。具体的な例として、保険が挙げられます。トラブルや災害時に、第三者に対応してもらう、当事者の負担を軽減させるなどの措置を受けることができるものです。しかし、全てのリスクが移転できるとは限らず、多くの場合は金銭的なリスクなど、一部のみが移転できます。

回避策

回避策とは、リスク発生の要因を停止あるいは全く別の方法に変更することにより、発生する可能性を取り去ることです。例えば、水害の被害が頻繁にあり、リスクが高いため、そのリスクの低い安全と思われる場所に移転することが挙げられます。リスクを保有することによって得られる利益に対して、保有することによる損益の方が極端に大きな場合に有効です。

容認策

容認策とは、リスクが顕在化する確率や、顕在化した際の影響が極めて小さい場合に用いられるリスクマネジメントで、リスクを受け入れ容認します。例えば、新入社員に新しい仕事を任せる際に、業務がスムーズに進まず遅れるリスクを見越して、余裕を持ったスケジュールを設定することが挙げられます。

まとめ

リスクマネジメントとは、企業経営において損失を生じうるリスクを把握し、その影響を事前に回避、もしくは事後に最小限に抑えるための対策を講じる一連のプロセスのことです。企業経営を取り巻くリスクは多様化・複雑化しているため、最適な方法で管理を行い、リスクを回避していくこと。また、適切な対応を実践していくことによって企業価値を高めていくことが求められています。お問い合わせはこちら

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