社会の目が厳しさを増すコンプライアンスとの向き合い方
ここ10年程の間で、過労死や賃金未払い等の労働環境の悪化、粉飾決済等の不正会計、個人情報の流出等々、企業のコンプライアンスを問われる事件が相次ぎ、人々の関心の目は年々高まるばかりです。
今やコンプライアンスの取り組みは、企業の存続を左右する重大事項となっており、事件を引き起こさない体制作りの一層の強化が必要になっています。
コンプライアンスとは
コンプライアンス(compliance)とは、本来、従順な対応を表現する言葉ですが、近年日本では、『企業・職場における法令遵守』という意味合いで注視されています。加えて、コンプライアンス違反は、法令違反だけにとどまらず、企業・社内モラル違反の意味にまで拡大しているのが実情です。 法令に違反していない場合でも、ルールや社会倫理に反していることが明るみになりますと、すぐに報道され、社会的批判を受けることがしばしばです。
近年のコンプライアンス違反事例と対策
①某大手芸能事務所所属タレント闇営業問題
某大手芸能事務所所属タレント11名が、詐欺グループの主催したイベントに、事務所を介さずに参加し金銭授受があった問題で、参加したタレント達に無期限の活動休止処分(その後復帰)が下された。
【再発防止策】内部統制委員会の強化 ⇒ 既に設置されていた社内委員会に、警察や各種法律専門家などの多方面の様々な知見を取り入れた。
②某大手芸能事務所所属タレント強制わいせつ容疑問題
某大手芸能事務所所属タレントが、女子高生へ強制わいせつ行為を行った問題で、該当タレントを契約解除とした。
【再発防止策】他の所属タレントに対して、全員参加必須で「コンプライアンス研修」を実施。
コンプライアンス違反の防止策
コンプライアンス違反を引き起こしますと、消費者や取引先からの信用失墜につながり、業績悪化にとどまらず、事業継続そのものが困難となることもあります。それらの事態を引き起こさないためにすべきことは、「社内コンプライアンス部署(orチーム)の設置」と、「定期的な社員の認識強化」です。
社員に、コンプライアンス保持の注意喚起をするだけで、会社は具体的に何もせず、個々人の判断に委てしまっていては、抑止にはつながりません。専門の組織を社内に設置し、社内ルール作成・改訂、コンプライアンス教育の実施、社員からの相談受付窓口対応等々、組織として違反が起きないような体制作りをしないことには、改善は見込めないでしょう。
またその一環として、定期的な社内メール配信や資料配布等で、注意喚起を促すことも必要です。
今後ますます。社会の目は厳しくなる一方であることから、社内に仕組みとしての防止策を設置し、信頼を高める対策がより求められていきます。
導入事例
コンプライアンスや労働基準法への意識欠如で、気づかぬうちに働かせ過ぎていた!?~大島農機株式会社~
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