内定者の不安を解消し辞退を防ぐ「内定者研修」の4つのステップ-社員教育のCAM
入社前の内定者を対象に行う「内定者研修」は、内定者の不安を解消し、内定辞退を防ぐための大切な機会です。しかし実施となると、「何をしたら良いかわからない」「何となく今までの内容を踏襲している」企業様も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「内定者研修を成功させる4つのステップ」をご紹介します。内定者研修の効果的な実施方法がわからない、研修内容を見直したい、とお考えのご担当者様は、ぜひ参考にしてください。
1.内定者研修の目的を明確にする
まずは内定者研修の目的を明確にしましょう。ここでは、内定者研修のよくある実施目的を3つご紹介します。
・内定辞退の防止
就職みらい研究所が2022年8月に発表した「就職プロセス調査 2022年8月1日時点 内定状況」によると、2023年卒の大学生の内定辞退率は61.2%で、前年同時期より0.3ポイント高くなりました。せっかく時間やコストをかけて採用した人材に辞退されないように、内定者研修などを行ってフォローする必要があります。
・内定者の不安解消
内定者の多くは、社会人として働くことに対して不安を抱いています。株式会社ラーニングエージェンシーが2022年3月に発表した「内定者意識調査」によると、入社前に不安や心配を感じている内定者が75.4%に上りました。
中でも多くの内定者が、「自分の能力」と「人間関係」に対して不安を抱えており、内定者研修を通じてこれらを解消することで、安心して入社してもらえるようにする必要があります。
・社会人基礎力の育成
社会人として働く上で、基本的なスキルやマナーの習得は欠かせません。もちろん、これらは入社してからの新入社員研修でも育成できますが、先の通り、内定者は自分の能力に対して不安を抱えています。
内定者研修で基本スキルを学ぶことで、社会人としての心構えを醸成し、社会人として一歩を踏み出す自信が持てるようにすることも大切です。
「内定者研修の目的やポイント」については、こちらの記事でもご紹介しています。
2.内定者研修の内容を決める
内定者研修の目的を明確にしたら、次に研修内容を決めます。よくある研修の内容をご紹介します。
・社内見学
実際の職場の様子を見学し、どのような環境で、どのような業務をしているかを知ってもらいます。製造業での工場見学や、営業職の営業同行なども一つの方法です。自社がどのような職場で、どのような商品を扱う仕事をしているか内定者に見てもらうことで、働くイメージを持たせ、不安解消と社会人としての自覚育成を図ります。
・先輩社員との懇親会
若手の先輩社員との懇親会も代表的な内容の一つです。先輩社員と話をすることで、先輩も自分と同じように不安を感じていたことが分かり、内定者が安心することができます。また、先輩社員の業務内容や働き方を知ることで、入社後の自分の姿がよりイメージしやすくなります。
・経営陣との座談会
経営陣との座談会を行い、会社のビジョンやミッション、事業内容について、直接話を聞きます。会社のビジョン、ミッションなどは、既に説明会や選考中に説明をしているでしょうが、改めて内定者に話すことで、会社に対する理解を深め、不安解消につなげます。
・スキルの習得
ビジネスマナーや、業務に必要なパソコンスキルなどの習得を行います。もちろん、入社後の新入社員研修で実施すれば問題ありません。しかし、これまで学生だった内定者は、ビジネスマナーやPCスキルをほとんど知りません。そのため、入社後に自分が相応の振舞いができる不安に思っています。そのような不安を解消し、安心して入社してもらうためにも、スキルの習得を行っておくと良いでしょう。
・コンプライアンス研修
社員のコンプライアンス違反は企業に大きなダメージを与えますが、内定者であっても同じです。学生である内定者はSNSを活発に使っている可能性があり、社外秘の情報を悪気無く投稿してしまわないよう、コンプライアンスについて教育を行う必要があります。内定者の頃からコンプライアンスに対する意識を高めておくことは、会社全体のコンプライアンス意識向上のためにも有効です。
「内定者研修の目的や、取り上げるべきプログラム」についてはこちらの記事でも紹介しています。
3.内定者研修を実施する【事例紹介有】
内定者研修の目的と実施内容が決まったら、いよいよ内定者研修を実施します。
・実施時期
内定者研修は、内定式を行う10月から入社直前の2~3月までに行うのが最も一般的です。学生である内定者は、授業や卒業論文など学校の予定もあるため、具体的な実施時期は、内定者に配慮する必要があります。そのため、卒業論文の提出期限まで余裕がある時期や、提出後の時期に設定すると内定者が参加しやすくなります。
・実施期間
実施期間は企業によって様々で、1日の場合や合宿形式で1泊2日程度で実施する企業もあります。どのような場合にしても、内定者に負担がかからないように考える必要があります。
・実施形式・場所
内定者の不安解消を目的にした場合、先輩や経営陣と直接話をする機会を持つことが重要です。しかし近年では、コロナの感染状況や遠方から参加する内定者の負担軽減などを鑑みて、オンラインで実施するケースが多いです。研修の目的を考慮して、どこで、どのような形式で行うか決めましょう。なお、対面で行う場合には、内定者の交通費や宿泊費についても考える必要があります。
・講師
内定者研修の講師を誰が行うかは、研修内容により決めましょう。会社の案内や座談会であれば、社内で対応できますが、ビジネスマナーやコンプライアンスなどの内容を扱う場合には、経験豊富な講師に委託した方がより効果的です。
弊社で実施した「内定者研修」の事例をご紹介します。
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4.内定者研修後もフォローを行う
内定者研修の目的を考えると、研修を実施するだけで終わらせるのは望ましくありません。定期的に内定者をフォローして、内定辞退防止、不安解消、社会人基礎力の育成に努める必要があります。内定者とのコミュニケーションを継続的に行うことで、会社に親しみを持ちやすくなり、不安解消につながります。
また、双方向のコミュニケーションが取れると、内定者一人ひとりの性格や適性・スキルなどを知る機会が得らます。どのような仕事に適性があるか見えやすくなるため、入社後の配属の判断にも活用できます。
・社内報の共有
社内報を作成している企業の場合、それを共有することで、社内の取り組みを知ってもらうことができます。最近ではオンラインの社内報を活用している会社もありますが、その場合はURLを共有することで内定者に共有できます。
・チャットアプリの活用
最近では業務連絡にチャットアプリを活用する企業が増えています。内定者専用のチャットを作り、内定者同士や先輩社員と交流を行う方法もフォロー方法のひとつです。これには、社内のコミュニケーションツールの使い方に慣れてもらえるというメリットもあります。
その際、先輩社員にコンプライアンス教育を行うことも忘れないようにしましょう。内定者は社員ではありません。そのため、社内と同じ感覚でやり取りをすると、社外秘の情報を漏らしてしまう恐れがあります。予め情報の公開範囲を決めておきましょう。
まとめ
内定者研修は、内定辞退の防止や内定者の不安解消などに効果的な方法の一つです。内定者の負担にならないように実施時期や期間・場所・方法を決め、研修内容によっては、外部の研修会社を利用して実施しましょう。研修実施後は継続的にフォローを行うことで、不安解消につなげましょう。弊社でも「内定者研修」を実施しておりますので、興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問合せください!
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