閉じる

News Columnニュース・コラム

企業が取り組みたいメンタルヘルス対策~セルフケアの取り組み方法をご紹介~

2023.06.23 コラム

目次

はじめに

セルフケアとは自己管理や自己治療などを行い、自分自身をケアすることをいいます。企業においてメンタルヘルス対策を浸透させていくためには、社員自身がストレスに気づき対処するための知識を身に付けさせることが大切です。メンタルヘルスケアにおいて、問題が起きる前の対策が重要であることは言うまでもありません。

そこで今回は、「企業が取り組むべきセルフケアの重要性と取り組み方法」について、わかりやすく解説いたします。

セルフケアとは

厚生労働省が定める「労働者の心の健康保持増進のための指針」において、セルフケアはメンタルヘルスケア対策の一つです。ただし、簡単そうに聞こえても実際には正しい知識がないと適切に対処することは容易ではありません。例えば、気持ちや体に異変が生じても、その度合いや生じる症状・頻度は人それぞれで、一概には判断できず適切に自己対処できない場合があります。

ストレスの認知やその反応に自ら気づき対処していくためには、社員一人ひとりがストレス要因に対する反応や心の健康について理解するとともに、気づこうとする姿勢そのものが重要です。また、セルフケアを適切に行えるようになるには、教育研修の機会を設けて意識を高めていくことが大切です。

組織におけるセルフケアの重要性

セルフケアの重要性については、大きく以下の3つが考えられます。

・社員の離職防止

社員自身がセルフケアを疎かにすると体調不良になり、離職に繋がる恐れがあります。貴重な戦力となる人材を失うことは、企業にとって大きな損失です。採用・教育コストがムダになってしまうことからも、各々でセルフケアに取り組み、体調管理をすることでストレスや疲労感を軽減してもらうことが大切です。

・生産性の向上/職場の活性化

セルフケアに取り組むと健康が維持できるため、生産性の向上や職場の活性化が見込めます。社員の健康と生産性の相関はmedibank社の調査で証明されており、 健康に問題がある社員の病欠の頻度は、問題のない社員の9倍になると言われています。身体が健康であれば効率的に業務にあたれますが、頭痛や眩暈などの症状を抱えていると業務に集中できません。これは精神的疾患を抱えている場合も同様です。

・経営リスクの低下/社会評価と企業イメージ向上

社員が各自で健康管理ができるようになると、労働災害を含む経営リスクが下げられます。セルフケアを疎かにして体調不良に陥ると、事故やトラブルを起こしてしまう可能性があります。社内で事故が起きた場合は、企業側の管理不足が疑われて社会的評価が下がったり、対応を誤れば損害賠償請求や民事訴訟につながったりする恐れもあります。企業イメージが損なわれるような経営リスクを下げるためにも、セルフケアは重要です。

企業が取り組みたいメンタルヘルス対策

ここでは、セルフケア促進のために企業ができる施策についてご紹介します。

・セルフケアの教育機会の提供

社員自身がセルフケアに取り組めるよう、まずは「セルフケアとはどのようなものか」を周知しなければなりません。セルフケアの重要性やセルフケアの方法、ストレスの予防方法など、セルフケアやメンタルヘルスケアに関する情報を提供し、周知を促しましょう。

[情報の内容]

・メンタルヘルスケアの基礎知識

・メンタルヘルスケアの企業方針、相談先に関する情報

・セルフケアの重要性

・ストレスへの気づき方

・ストレスの予防、軽減方法、セルフケアの方法

・定期的なストレスチェックの実施

定期的にストレスチェックを実施することで、社員の健康状態を把握できます。また、社員が日頃から自分自身のストレス状態に気づける習慣付けが可能となります。

・社員が安心して働ける職場を作る

社員の心身の健康のためには、安心して働ける職場環境を作ることが大切です。職場の空調や照明、レイアウトなどの物理的要因、長時間労働、人間関係の悪さなどの心理的要因によりストレスは発生します。

このような問題は、以下のような手順で解決していきましょう。

①現在の職場環境を評価する
社員からのヒアリング/上司による職場環境の観察/産業保健スタッフによる職場巡視

②改善計画を立案する
ストレス要因をリストアップして改善計画を作成する

③改善計画を実行に移す
改善計画を実行し、進捗状況を管理する

④改善効果を評価する
現状調査により改善されているかを確認し、改善されていない場合は見直す

このように社員のストレスの原因を調査したうえで、取り組みやすい施策から実行しましょう。どこから取り組めば良いか悩んだ場合は、職場のレイアウト変更など取り組みやすいところから改善していきましょう。

・社員が相談しやすい雰囲気を整備する

社員が1人で悩みを抱え込まないように、相談しやすい雰囲気を整備しましょう。誰かに話を聞いてもらいアドバイスをもらうことで、気持ちが整理できたり解決方法が得られたりします。 相談しにくい悩みを抱えている場合は、産業保健支援センターの相談窓口を推奨してみてください。

[部下の異変の例]

・遅刻や早退・欠勤が増える、休みの連絡がない

・表情が乏しくなる

・職場での会話が極端に少なくなる

・不自然な言動が目立つようになる

・仕事の能率が悪くなる、ミスが目立つ

・職場復帰支援プログラムを策定する

企業が取り組みたいメンタルヘルスケアの一つとして、職場復帰支援プログラムの策定が挙げられます。社員が体調を崩し休職しても復職できる環境を整え、安心感を与えることが大切です。厚生労働省の手引きによる職場復帰支援の流れについてご紹介します。

[職場復帰支援プログラムの流れ]

    ①病気休業開始および休業中のケア

    ②主治医による職場復帰可能の判断

    ③職場復帰の可否判断および職場復帰支援プランの作成

    ④最終的な職場復帰の決定

    ⑤職場復帰

    ⑥職場復帰後のフォローアップ

このように、職場復帰プログラムを策定し会社全体に認知させておくと、社員が安心して働くことができます。職場復帰プログラムの策定方法が分からない場合は、産業保健支援センターの支援を受けてみるのもよいでしょう。

・職場復帰後のフォロー体制を整えておく

職場復帰プログラムを準備し復職をさせるだけでなく、復帰後は経過観察をするようにしましょう。社員の体調不良を把握している医師と連携を取りながら、病気が再発しないように努めることが大切です。手厚いフォロー体制を整えておけば、社員も安心して働けるようになるでしょう。また、復職をした社員のフォローは、長期的な目で見ることが大切です。気長に付き合う心構えを持つことで、安心感を与えられます。

社員自身によるセルフケアの方法

続いて、社員自身で行うことができるセルフケアの方法についてもご説明します。

・睡眠時間を確保する

健康を維持するためには、睡眠時間の確保は欠かせません。質の良い睡眠は、心身の疲労を回復させ、仕事の生産性を高めます。反対に睡眠不足が続くと、集中力が低下したり、体がだるくなったりと、さまざまな症状を引き起こします。仕事が忙しい時期でも、意識的に睡眠時間を確保するよう促しましょう。

・周囲に相談をする

ストレスにより病気を引き起こさないためには、1人で悩みを抱え込まないということも重要です。会社の同僚や先輩・上司、友人など相談相手は誰でも構いません。信頼できる相手に話すことで、自分の中で状況の整理ができたり、自分では考えつかなかった視点で物事が捉えられるようになったりします。そのため、会社やチーム全体で日ごろからお互いの様子を確認するようにしておき、悩みを抱えている社員を見かけたら、声をかけて相談に乗るようにしましょう。

・適度な運動をする

適度な運動をすれば、健康を維持できます。身体を動かせば血流が良くなり、気分が落ち着くためです。職種によっては、職場で同じ姿勢で働き続けることがあります。長時間同じ姿勢でいると血流が悪くなり、身体に大きな負担がかかるため注意しなければなりません。有酸素運動は効果的ですが、ハードルが高い方は身体をひねるストレッチや、通勤時に駅まで歩くなど気軽な運動から取り組むと良いでしょう。

・楽しめる趣味を持つ

退勤後や休日は、仕事から離れ趣味を楽しむよう心がけることが大切です。趣味には、スポーツや映画鑑賞、読書、カラオケなど日常生活で気軽にできるものがあります。また、旅行など日常から離れて過ごせる趣味は気分転換になります。自分の好きなことや趣味を楽しむ時間を持ち、仕事とは異なるところで人間関係を作ると生活にメリハリが出て、ストレス軽減も期待できるでしょう。

・マインドフルネスを実践する

マインドフルネスとは、瞑想を意味します。ストレスケアにも有効で、集中力を高める、睡眠の質を良くするなどの効果もあります。マインドフルネスの瞑想はGoogle社でも取り入れられており、余計な雑念が消えることで社員の創造性を開発し、生産性向上につながるといわれています。集中力を高める効果のほか、不安やストレスから開放される効果も期待できると言われています。

・コーピングを持つ

コーピングとは、ストレス反応を和らげて対処するための行動のことです。

以下のようなものが挙げられます。

・好きな音楽を聴く

・よく寝る、ゆっくりお風呂に入る、マッサージを受ける

・人と話す、思いっきり泣く、愚痴を聞いてもらう

・美味しいものを食べる

・ゲームや読書などに没頭し現実から離れる

・ショッピングを楽しむ

・散歩や運動など体を動かす

コーピングはバリエーション豊かに、多くの方法を持つことが良いとされています。自分自身のストレス対処方法を思いつく限り洗い出し、ストレスを感じた時に取り入れてみるとよいでしょう。一方で「お酒を飲む」などのコーピングは、度が過ぎると体に悪影響を与えることもありますので、注意しながら取り入れましょう。

まとめ

今回は、企業が取り組みたいメンタルヘルス対策「セルフケア」について解説しました。

ビジネスシーンでは、ストレスを避けることはできないため、ある程度ストレスがかかることを前提に、対策となる知識やテクニックを身に付けておく必要があります。社員が各々でセルフケアに取り組めば、健康を維持できるようになり、企業としてもさまざまなリスクが軽減できます。

組織全体で「セルフケア」を適切に取り入れていくためには、教育研修の機会を設けて意識を高めていくことが大切です。社員研修をご検討の方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください。

関連する研修

関連する投稿

メールでのお問い合わせ
03-6837-5302 平日9:00~18:00