プロが教える!問題解決力の鍛え方と問題解決のための3ステップ-問題解決力研修、社員教育
仕事をしていると様々な問題にぶつかることがあるのではないでしょうか。そんな時、冷静に対処できるかどうかは「問題解決力」にかかっています。問題解決力を身につければ、適切な対処ができるだけでなく、問題の発生自体を防ぐこともできます。そこで今回は、「問題解決力を鍛える方法と問題解決のための3ステップ」をご紹介します。
問題解決力とは
問題解決力とは、「発生した問題を分析して原因を洗い出し、対応可能な解決策を考え、解決に導くスキル」のことです。つまり、問題解決力を身につけるためには、①問題を認識する力、②解決策を考える力、③解決策を実行する力、の3つの力が必要とされます。一見、解決が難しそうに思える問題でも、分析を行い、原因を細分化することで解決への糸口を見つけることができます。例えば、売上が伸びない場合、その背景には問題を引き起こしている原因(真の問題)があります。そこを突き止めない限り、売上を上げるための解決策を実行しても意味がありません。このように問題解決には、表層の問題ではなく、原因を特定し、原因に対する解決策を考え、実行することが求められます。
問題解決力を身につけると、業務や職場の人間関係だけでなく、日常生活のあらゆる場面で起きる問題を迅速に対応することができます。
問題の種類
問題はいつ、どこで発生するか分かりません。しかし、よく起こる問題発生のパターンを知っておくことで、冷静に対処することができます。そこで、よく起こる3種類の問題発生パターンを紹介します。
発生型
環境や条件によって、自然と発生する問題を発生型と言います。既に起きている問題で、且つ課題が明確に見えていることが特徴です。例えば、「納期に遅れた」「業務でミスをした」「仕事量が多い」といった問題が発生型と言われます。問題が表面化しており、課題が分かっているため、比較的解決策を考えやすいですが、表面的に見えている問題の裏に「真の問題」が隠れている場合があるため、注意が必要です。
設定型
自ら設定した目標達成や、理想を実現するために発生した問題を設定型と言います。例えば、社内で昇進を目指す場合、「何のスキルを身につけるのか」「どのように学ぶのか」「いつ勉強をするのか」など、様々なことを検討する必要があります。これらの検討要素が問題に該当します。また、目標を達成するためには、現実と理想のギャップを埋めるためのアクションプランを設定する必要があり、このアクションプランが「課題」となります。
「問題」とは、ありたい姿や目標と現実のギャップのことで、目標達成のために、解決しなければならない事柄を指します。一方で「課題」とは、目標と現状とのギャップを埋めるために、やるべきことで、問題を解決するために起こす具体的なアクションを指します。
潜在型
現状では、表面化していないものの、今後発生する可能性のある問題を潜在型と言います。例えば、上司や先輩が手厚いフォローを行うため、新入社員は自ら考える力や自主性が鍛えられていないとします。その場合、現状では全く問題ないかもしれませんが、異動や転職により真逆のタイプ(=自主性を重んじる)の上司先輩に代わってしまった場合、新入社員は何をすれば良いか分からなくなってしまう恐れがあります。このように、潜在型とは、何もしなければいつか発生する恐れのある問題のことで、現状では問題になっておらず、認識しづらいため注意が必要です。
問題解決力を高めるメリット
問題解決力を高めることでどのようなメリットがあるのでしょうか。3つのメリットを紹介します。
PDCAが回るようになる
問題解決力を高めると、PDCAが回るようになります。問題解決では、「目標や到達するべき計画(あるべき姿)」を定め、 実行しながら目標とのギャップを確認・問題定義をした上で、解決のためのアクションを行います。 このように、問題解決に取り組むことで、PDCAが回るようになります。
思考力が向上する
問題解決では、「なぜ問題が発生したのか、どうしたら解決できるのか」を考える必要があるため、日頃から問題に対して高い意識を持つことで、思考力も向上します。思考力が向上すると、問題を客観的に捉え、解決策を正しく提案したり、複数の解決策を考えることができるようになるため、問題解決のレベルも向上します。
柔軟に対応できる
問題は突発的に起きることがほとんどのため、多くの人は問題が発生すると、焦って混乱してしまい、本質を十分に理解することが難しい傾向があります。しかし、問題解決力があると、現状を冷静に把握した上で、最も効果的な方法を正しく分析し、柔軟な対応ができるようになります。また、解決策の根拠を持った上で、データや数字を使いながら自分の意見を論理的に展開できるようになります。
問題解決のための3ステップ
では実際に問題が発生した場合には、どのような順序で取り組めば良いのでしょうか。問題解決のための3ステップを紹介します。
①問題を正しく理解する
問題解決のためにまず必要なことは、「問題が起きているのはどこなのか」「なにが・どのように問題なのか」を正しく理解することです。発生型の問題は既に見えているため、認識しやすいですが、設定型や潜在型の問題は表面化していないため、問題として認識しづらいです。それにより見落としたり、違う部分を問題として認識してしまう恐れがあります。予めあるべき姿を具体的に設定しておくことで、現状との差が明確になることから、問題が見つけやすくなります。
②問題を分析して原因を突き止める
問題を正しく理解することができたら、次はその問題を詳しく分析して、原因を突き止めます。問題が発生した時、必ずその状態を引き起こした原因があるため、「なぜこの問題が起きたのか」、「なぜ」を繰り返して原因を追及します。 ここで原因をきちんと特定できないと、問題は解決しないため、非常に重要なプロセスです。
例えば、「売上が前年度より減少した」場合、
- 市場全体が縮小しているのか
- 他社も売上が減っているのか
- 自社の売上だけが減っているのか
によって対策は大きく異なります。
問題に関係する様々な要素を見つけ出し、原因を具体的に整理しておくことが大切です。
また、まだ問題は発生していないものの、いずれ問題が起きると予測される場合には、「問題に繋がりそうな原因は何か?」現状の観察と分析によって整理することで、予め発生を防ぐことができます。
③解決策を考え実行する
問題を正しく理解し、問題が発生した原因を分析できたら、最後は解決策を考えて実行します。
問題を解決するには、以下のような方法があります。
- 問題が起きる原因を取り除く
- 原因が起きる可能性を低くする
- そもそもの原因が発生しないように対策する
解決策は問題の原因によって異なるため、問題の現状と原因を正しく理解しながら解決策を考える必要があります。また、考えた解決策が必ずしも成功するとは限らないため、予め複数の解決策を考えておくと良いです。
問題解決力を身につける方法
問題解決力は、持って生まれた才能ではなく、前向きな姿勢で常に問題意識を持ちながらトレーニングを重ねることで、高めることができます。問題解決力を身につけるための効果的な方法を3つ紹介します。
日頃から「なぜ?」と考える癖をつける
問題が起きた時や、問題が起きそうな時に、素早く対応できるようになるためには、日頃から物事に対して疑問を持ち、考える癖をつけることが大切です。そのためには、「なぜ問題が起きてしまったのか」「この作業にはどのような意味があるのか」など、日常的に物事に対して疑問を持ち、考えることがトレーニングになります。考えることを習慣化できると、いざ問題が起きた場合にも、迅速に対応できるようになります。
問題や原因を紙に書き出して可視化する
問題解決力が身についていない段階では、頭の中だけですぐに原因を分析することは難しいです。そのため、「どんな問題があるのか」「問題が起きた原因は何か」分析結果を紙に書き出して可視化することにより、頭の整理ができます。より深く思考を働かせられるだけでなく、周囲にも共有できるため、問題解決へのスピードが速くなります。
ロジカルシンキングを身につける
ロジカルシンキングとは、物事を体系的に整理して、矛盾のないように筋道を立てて結論を導き出す思考法のことです。ロジカルシンキングでは、物事の要素を細分化することから行うため、問題の原因となったひとつの要素にも目が向きやすくなり、より的確な原因特定ができるようになります。物事を整理し、因果関係を正しく理解できるようになることで、問題解決力を向上させることができます。
まとめ
「問題解決力」を身につけると、問題への素早い対処や、解決策の提案だけでなく、思考力が鍛えられるなど、仕事で求められる様々な力を伸ばすことができます。弊社の「問題解決力研修」では、問題の解決策をケーススタディを通じて習得します。また、問題解決するための「相違点を尊重し、活かす」方法を身につけることで、現状の課題を正しく把握し、最適な解決策を導きだせるようになります。問題解決でお悩みの方は、ぜひ弊社にご相談ください!
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