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キャリアデザインとは?目的と効果的な設計方法をご紹介- 社員研修のCAM

2021.09.24 コラム

社会情勢の大きな変化によって、これまで以上に自分のキャリアと向き合い、「どのように働き、どのように生きていくか」考えることが求められています。このような状況を受けて、社員の「キャリアデザイン」を支援する企業が多くなっています。しかし同時に、企業として社員にどのように働きかければ良いか、悩んでいるご担当者様も中にはいらっしゃるようです。そこで今回は、「キャリアデザインの目的と効果的な設計方法」をご紹介します。

キャリアデザインとは

キャリアデザインとは、「自分自身が将来どのような仕事や働き方をしたいのか」といった将来のありたい姿やビジョンを明確にした上で、それを実現するために、自分の人生を主体的に設計することです。会社や上司によって、キャリアや働き方を決められるのではなく、自分自身が主体となって考え、キャリアを設計する意味で使われます。目標とする業務・役職・給与など、仕事に関することだけではなく、価値観やライフスタイルも含めて設計することが特徴です。

キャリアデザインが注目される背景

キャリアデザインが注目されるようになった背景には、社会情勢の大きな変化によって、企業の雇用が大きく変わったことがあります。例えば、終身雇用を前提とした年功序列制度が見直され、スキルや成果を重視した評価制度が導入されていることや、「人生100年時代」と言われる中で、これまでの「60歳で定年を迎え、その後は年金生活」という人生設計が難しくなっていることから、自分の人生を見つめ直す意味で、キャリアデザインが注目されています。

加えて、VUCA「Volatility(不安定)・Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)」時代と呼ばれる見通しが不透明な社会情勢を生き抜くためにも、キャリアデザインが必要です。企業を取り巻く環境が目まぐるしく変化し、柔軟な対応を求められる中で、「時代に対応しながらキャリアを描くことができる、自律的な人材を育てたい」という狙いから、キャリアデザイン研修を導入する企業が増えています。

キャリアデザインの効果

将来のありたい姿を明確にし、それを実現するための人生設計を考える「キャリアデザイン」ですが、どのような効果があるのでしょうか。キャリアデザインの効果をご紹介します。

自主的な学びの促進

キャリアデザインの狙いは、自分のキャリアを自分で描くことができる、主体的な人材を育成することです。キャリアデザインにより、自身の過去を振り返り、現在を見つめ、未来を見据える中で、自分の強み・弱みや、今やるべきこと、今後必要なスキルが明確になるため、現状の仕事を振り返った上で、自主的なスキル習得に繋げることもできます。 また、自分のスキル向上を軸として取り組むことで、現在の仕事を見つめ直すきっかけにもなります。

モチベーションの向上

キャリアデザインにより、自分が目指す「ありたい姿」がはっきりすると、それを実現するために取るべき行動が明確になります。目標達成に向けての行動を具体化することで、努力の方向性が分かり、ゴールまでの距離が近付くように実感するため、モチベーションの向上に繋がります。社員のモチベーションが高まることで、組織の活性化や、生産性の向上も期待できます。

キャリアデザインの「Will」「Can」「Must」とは

キャリアデザインを設計する際、「Will(やりたいこと)」「Can(できること)」「Must(やるべきこと)」の3つの視点から考えると設計しやすくなります。

下図のように、これら3つを円で描いて重なる部分が、最もモチベーションが上がる領域であり、「自分の進むべき道」だと言われています。しかし、自分を取り巻く環境や年齢など、ライフステージに合わせて「やりたいことを優先する」「できることを大切にする」といった選択をすることが大切です。

キャリアデザインの設計方法

キャリアデザインの必要性やメリットについてお伝えしましたが、どのようにキャリアデザインを設計すれば良いか分からない方もいらっしゃるでしょう。そこで、効果的にキャリアデザインを設計する4つのステップをご紹介します。

①自分の現状を把握する

まずは、「人生の振り返り」を行います。人生を振り返り、これまでの経験や自分が大切にしたい価値観や生き方を洗い出します。下記の内容を書き出すことで、自信身の「知識・技能」「行動特性・思考特性」「マインド・価値観」が明らかになります。

  • 経験した業務
  • 習得した資格・技能
  • 習得したビジネススキル
  • やりがいを感じたこと
  • 苦手だと感じたこと
  • 困難に対する行動

将来のキャリア(なりたい自分)を考える

これまでの自分の経験やスキル、大切にしたい価値観を踏まえて、自分が将来どのようになりたいかイメージします。自分がやりたい仕事内容や方向性が明確に描けない場合には、「こういう仕事に興味がある」「こんな風に成長したい」といった漠然としたイメージであっても描くことが大切です。その際、過去や現在のキャリアやスキルを前提にする必要は無いため、これまでのキャリアに囚われることなく、「本当になりたい自分」を考えることが大切です。

また、仕事だけでなく、プライベートに関しても、どんな家に住み、誰とどんな風に過ごしたいかなど、生活・交友関係・趣味・恋愛といった様々な要素に対して、理想の人生を具体的に考えます。1年後、3年後、5年後、10年後と区切りながら、理想の自分の姿をイメージすると良いです。

③将来のキャリア(なりたい自分)と現状のギャップを知る

将来のキャリアや、なりたい自分を考えたら、次に現状と比較してギャップを確認します。これにより、理想を実現するために必要なことや、課題が見えてきます。現状の自分と将来のキャリアをリンクさせることで、仕事に取り組むモチベーションが高まることがメリットです。

例えば、『営業部長になりたい』という目標がある場合、
何歳までになりたいのか」、そこから逆算して、
何歳までにマネージャーになる必要があるのか」、その場合に
どのようなスキルや資格を身につけなければいけないのか」が見えてきます。

今やるべきことを決める

将来のキャリアと現状のギャップを理解した上で、理想を実現するために足りないスキルや知識がある場合には、それをリストアップします。さらに、それぞれの優先順位を踏まえ、今後どのように習得するかを検討します。このとき、すぐに成果が出ることと、長期的に取り組むことを区別して、いつまでに目標達成するかを明確にすることで着実にステップアップできるようにします。もちろん、一度決めた目標が絶対である必要はなく、状況に応じてブラッシュアップや変更をすることで、なりたい自分を実現します。

キャリアデザイン研修の目的

ここまで説明してきたように、キャリアデザインを考えることは、個人がより良い人生を送る為にも、組織の中で主体的に取り組む人材となる為にも、非常に有効です。しかし、個人で時間を割いて設計することは、人によっては少しハードルが高いかもしれません。そこで有効な手段の一つが、企業が社員に対して行う「キャリアデザイン研修」です。

キャリアデザイン研修では、これまでの人生や働き方を振り返り、自分のキャリアの棚卸しを行うことで、自分の強みや弱みを明確にします。その上で、Will(やりたいこと)・Can(できること)・Must(求められていること)のフレームワークを用いて、将来に向けてのキャリアプランを描くことで、キャリアは与えられるものではなく「自らつくるもの」という意識を醸成します。キャリアデザイン研修の階層別の目的をご紹介します。

若手社員

若手社員の場合、社会人としてのキャリアのスタート地点にいるため、それぞれがこの先、どの方向に向かっていくのか、そのために身に着けるべきスキルは何か、客観的に考えさせることが目的です。具体的には、それぞれの「なりたい自分」に対して目標を設定し、達成するために必要なスキルは何か、どのような取り組みをすれば目標に近づくか考え、具体的に行動を設定します。

中堅社員

今後、管理職を目指す立場である中堅社員の場合、目指すべきリーダー像や、部下・後輩を指導育成するために必要なスキルを客観的に考えさせることが目的です。管理職に必要な、人を動かす力や、マネジメントスキルをどのように習得するか、成長のプロセスを描き、今後の行動計画を設定します。また、仕事に慣れてマンネリ化してしまい、モチベーションが上がらないケースでは、これまでの仕事の棚卸しを行った上で、自己実現のために「何を・いつまでに・どうするか」具体的な行動目標を設定します。

管理職

管理職の場合、自身の価値観や強み・弱みを整理し、今後の行動計画や定年後のキャリア設計に繋げる目的があります。多面的な視点から自分自身やこれまでのキャリアを振り返り、世の中の動向を踏まえた上で「どのように働き、組織に貢献するのか」を改めて考えることで、働く原動力を高めます。また、今後管理職を目指す中堅社員に対して、キャリア形成の支援を行うことも求められます。成長を促すための支援や、キャリアマインドの醸成、キャリア支援計画の立案を行うことで、部下の可能性を最大限引き出し、前向きな姿勢で業務を行えるように促します。

まとめ

なりたい姿を実現するためのキャリアデザインは、個人にとどまらず、組織の中で前向きに活躍していくために非常に有効です。その手段の一つである「キャリアデザイン研修」は、社員個人の人生設計や成長を目的として行いますが、社員が自主的になり、モチベーションが向上するなど、企業にとっても大きな意義があります。社員一人一人に自身のキャリアと向き合わせることによって、個人の強みやスキルを生かして、組織のレベルアップに繋げましょう。

弊社のキャリアデザイン研修では、これまでの自身のキャリアを振り返り、「漠然とした不安」を「明確な課題」に整理することで、自己実現を図る能力や意欲を高めます。階層別はもちろん、女性社員向けや、シニア社員向けの研修も実施していますので、キャリアデザイン研修でお悩みの方は、ぜひ弊社にご相談ください!

 

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