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新入社員のモチベーションを向上させる効果的なフォロー研修とは - 実践的研修のCAM

2022.04.01 コラム

「新入社員フォロー研修」は新入社員研修後、一定期間をおいて実施する研修で、新入社員研修の内容確認や、業務の振り返り、課題の洗い出しなどを行います。さらに、研修のまとめとして今後の目標設定をすることで、新入社員のモチベーション向上や、さらなる成長も促すことができます。

そこで今回は、「新入社員フォロー研修の開催に最適なタイミングや、実施内容・準備・成功させるコツ」についてご紹介します。

新入社員フォローアップ研修に最適なタイミングとその理由

まずは、新入社員フォロー研修を実施するタイミングについて解説します。ProFuture株式会社/HR総研が2021年に行った「【HR総研】「人材育成(階層別研修)」に関するアンケート」 によると、新入社員フォロー研修を行ったタイミングで最も多かったのは、入社半年後(6ヶ月後)でした。

その割合は、大企業(従業員数1,001名以上)42%、中堅企業(従業員数301~1,000名)35%、中小企業(従業員数300名以下)33%に上ります。次いで多いのが入社後3ヶ月、その次に多いのが入社1年後でした。この調査から、新入社員フォロー研修を実施する企業の多くは、入社後3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月のいずれかのタイミングで実施していることがわかります。

この3つのタイミングにはそれぞれ以下のような特徴があります。

新入社員研修の確認ができる「3ヶ月後」

新入社員研修からまだあまり時間が経っていない時期です。この時期に新入社員フォロー研修を行うことで、学んだ内容を再確認し、定着をはかることができます。

今後の課題を洗い出すなら「6ヶ月後」

新入社員が部署に配属され実務に慣れてきた時期です。業務の中で成果を上げた社員も出てくる頃かもしれません。初心に戻り、今後の課題を洗い出すのに良い時期といえます。また、新入社員同士で再度集まってディスカッションやグループワークなどを行うことで、業務で学んだことを共有し、互いのモチベーション向上も期待できます。

1年を振り返り先輩社員の自覚を促す「12ヶ月後」

新入社員としての自分を振り返り、次のステップに向けての心構えを持たせる必要のある時期です。新年度に入社してくる社員に対し先輩社員としてどう関わるべきか学び、今後のキャリアプランをどうするかを考えるきっかけとしても活用できます。

目的に合わせて複数回実施する場合もある

上記で紹介したタイミングはあくまで一般的な例で、必ずしもこの時期に行わなければいけないわけではありません。企業によってはフォロー研修を複数回行う場合もあります。繁忙期やどの程度きめ細やかなフォローをしたいかなど、自社の事情に合わせて設定するとよいでしょう。

なお、フォロー研修の実施時期についての解説はこちらの記事でも行っています。

参考記事:新入社員の課題を明確にし、成長を促すフォロー研修 3つのメリット – 実践的研修のCAM 

新入社員フォロー研修の実施内容

新入社員フォロー研修の内容には2つのアプローチがあります。ひとつは、会社が新入社員に身につけさせたいこと、そしてもうひとつは、新入社員が抱えている課題です。

新入社員に身につけさせたいことは、企業により様々ではあるものの、主にビジネススキルや業界に関する知識、コンプライアンス等が挙げられます。一方、新入社員が抱えている課題は、モチベーションやリアリティショック、キャリアプランなどが挙げられます。

新入社員は理想と現実のギャップに悩みがち

「【HR総研】「人材育成(階層別研修)」に関するアンケート」によると、新入社員が抱える課題のトップ3は「モチベーション維持」「早期戦力化」「配属先での悩み/ミスマッチ」です。特にモチベーション維持や配属先での悩みは、入社後半年経過したことで見えてきた理想と現実のギャップ、リアリティショックに由来するものだと考えられます。

パーソル研究所とCAMPが2019年に発表した「就職活動と入社後の実態に関する定量調査」によると、入社後1~3年以内の社員の内、なんらかのリアリティショックを感じている人の割合は76.6%に達しています。さらに、リアリティショックが高い人ほど、仕事に対するイメージがネガティブで離職率も高いという相関関係も示されました。そのため離職防止の観点からも、新入社員フォロー研修は新入社員の課題を解決し、モチベーションを上げる内容が望ましいといえます。

新入社員が抱える理想と現実のギャップを埋めるには

新入社員の理想と現実のギャップを埋め、モチベーションを維持・向上させるには「現状把握」「役割認識」「キャリアプランの作成」の3つが重要です。

現状把握は、何ができて何ができないのかを客観的に明らかにすることです。現場把握ができれば、新入社員がどのような課題を抱えているのか、どうすればさらに成長できるのかが明らかになるでしょう。

役割認識は、組織の中で新入社員がどんな役割を担っているかを明らかにすることです。自分がどういう役割を期待され、どう役立っているのかを認識できれば、モチベーションも自ずと上がるでしょう。

キャリアプランの作成は、今後自分がどんなスキルを身につけ、どう組織の中で活かしていきたいかについてのまとめです。現場と役割を認識し、具体的な目標を立てることで、成長に向けてのモチベーションを引き出します。

新入社員フォロー研修の準備

新入社員フォロー研修を実施するにあたっての主な手順を紹介します。

実施時期を決める

まずは実施時期を決めます。実施のタイミングは記事の最初に説明したとおりいくつかのパターンが考えられます。フォロー研修の目的や自社の繁忙期等を参考に考えるとよいでしょう。

実施内容を決める

次に実施内容を決めます。企業として新入社員に学んでほしいことだけでなく、「どうすれば新入社員の課題を解決できるか」という視点で考えることが必要です。事前に新入社員やその上司にヒアリングを行うなどして、新入社員がどういった課題を抱えているのかをリサーチするとよいでしょう。

具体的なカリキュラムを決める

ヒアリング等を元に具体的なカリキュラムを決めます。研修を外部委託している企業が多くありますが、外部委託する場合には、相手としっかり打ち合わせを行って要望を伝え、自社に合ったカリキュラムに決めるとよいでしょう。

研修を実施する

研修では、グループワークやディスカッションを多く取り入れ、参加者一人ひとりが積極的に参加できる雰囲気を作るように努めるとよいでしょう。

アフターフォローを行う

新入社員の課題を解決し、モチベーションを維持し成長を促すためには、単に研修をしただけでは不十分であることがほとんどです。新入社員を継続的にフォローし、その成長を見守る必要があります。研修時に立てた行動計画をきちんと実行しているか、抱えていた課題はどれくらい解消できたかなど、定期的に上司が確認する仕組みを作っておくとよいでしょう。

新入社員フォロー研修を成功させるコツ

新入社員のフォロー研修を成功させるには、押さえておくべきポイントがいくつかありますが、代表的3つは「実施内容」「雰囲気」「モチベーション維持・向上のしくみ」です。

実施内容

新人社員フォロー研修の目的のひとつに、新入社員のモチベーション維持・向上があります。この目的を達成するためには、新入社員が当事者意識、つまり「自分自身が責任を持って行う」という意識を持てるような内容が必要です。

そのためには、まずは事前のヒアリングで新入社員の課題をしっかり洗い出し、それに合わせた内容にすることが必要です。さらに、新入社員の社内での役割や今後の期待などを盛り込み、新入社員が共感できるような事例・内容にするとよいでしょう。

雰囲気

研修の雰囲気づくりも重要なポイントです。新入社員同士はもちろん、講師に対しても自由に自分の意見を言える雰囲気があると研修がより効果的になります。

職場では不安や不満など、ネガティブな意見はなかなか口に出しにくいものです。そのため、新人社員フォロー研修では、仕事の不安なども新入社員同士で共有し解消すると良いでしょう。そのためにも、スムーズに意見を言えるような雰囲気を作っておきましょう。普段から社内で自由に意見を言える雰囲気づくりも必要です。

モチベーション維持・向上のしくみ作り

研修終了後は、新入社員のモチベーションも一時的に高くなります。しかし、そのあとは時間の経過とともにモチベーションはどんどん下がってしまいます。フォロー研修の効果を持続させるためには、モチベーションを維持・向上させるしくみが必要です。

代表的な方法として、研修の最後に今後の目標やキャリアプランを立てることが挙げられます。具体的な目標があると、それを実現するためにモチベーションを出しやすくなります。また、目標を具体的な行動に落とし込み、その行動をきちんと取れているかをチェックすることも効果的です。

まとめ

新入社員研修から一定期間を過ぎたあとに行う「新入社員フォロー研修」は、新入社員の課題を解決し、モチベーションをアップさせるために必要不可欠です。事前に新入社員にヒアリングを行い、課題を洗い出して内容を決めることで、より効果的な研修を実施することができます。また、実施後は新入社員のモチベーションが落ちないよう、継続的にフォローを行うことも大切です。

弊社株式会社キャムテックでは、企業様ごとの課題や要望に合わせたオーダーメイドの新人社員フォロー研修を実施しています。研修だけでなく、研修後の効果測定を行う「継続トレーニング」まで、一連のステップでご提案いたしますので、外部委託をご検討の場合には、是非お気軽にお問い合わせください。

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