信頼関係を構築し、部下の成長を促すコミュニケーションのポイント-社員教育のCAM
管理職の役割の一つとして部下の成長促進がありますが、思うように部下が成長せず、悩んでいる管理職の方も多いのではないでしょうか。
部下の成長を促すために必要な要素が「コミュニケーション」です。2020年にある民間企業が行ったアンケート調査によると、部下の成長を実感している管理職ほど、コミュニケーションを取る時間が長い傾向にあることがわかりました。しかし近年は、ハラスメントなどのリスクを恐れ、部下とのコミュニケーションに不安を感じている管理職も少なくありません。
そこで今回は、「部下の成長を促し、ハラスメントのリスクを下げるコミュニケーション」についてご紹介します。
コミュニケーションの目的は「信頼関係の構築」
コミュニケーションの目的として、双方の距離を縮め親しくなることだと考え、年代や価値観が違う部下と親しくなるにはどうすれば良いか、悩む人も少なくないでしょう。
しかし、上司と部下のコミュニケーションの目的は親しくなることではありません。最も重要ことは「信頼関係の構築」であり、いかに信頼されるかを念頭に置いて接する必要があります。
信頼感がないと部下は育たない
部下を育てるためには、実力やスキルに見合った仕事を任せ、経験を積ませることが不可欠ですが、部下が信頼できないと上司は仕事を任せられません。仕事を任せることができないと、上司だけでなく部下にも不満や不安が溜まります。
また、「上司は自分に無理な仕事を任せないだろう」「仕事をやり遂げたら、上司はきちんと評価してくれるだろう」「上手くいかないときもフォローしてくれるだろう」といった、上司に対する信頼感がなければ部下は安心して仕事を受けられず、萎縮してしまいます。
仕事を任せられた部下が前向きに、のびのびと仕事に取り組み、成長していくためには、上司と部下の信頼関係が欠かせないのです。
コミュニケーションを通じて信頼関係を築くメリット
コミュニケーションを通じて信頼関係を築くことには、2つのメリットがあります。
1.コーチングで成長が促せる
コーチングとは、コミュニケーションを通じて、問題や課題を解決へ導く方法を相手の中から見つけ、解決する方法です。
例えば、思うようにキャリアアップができない部下がいた場合、「お前の課題は○○だから、こうしたら解決できるのでは」とアドバイスをすることがあるでしょう。悩んでいる部下にアドバイスする上司は、一見良い上司に思えるかもしれません。しかし、これでは部下は自分の悩みの原因や解決策を自分で見つけることはできません。
コーチングでは答えを伝えるのではなく、対話を通じて部下自身に自分の課題や解決策に気づくように促します。これにより、部下は自律的に思考・行動できるようになり、成長に繋がります。
コーチングについては、こちらのコラムで詳しく解説しています。
2.ハラスメントやコンプライアンス違反のリスクを下げる
信頼関係を築くことで、ハラスメントやコンプライアンス違反のリスクを下げることができます。信頼関係を築くためには、相手と自分の双方を尊重する態度が必要ですあり、相手を尊重しようとすると、自然にハラスメントやコンプライアンス違反に繋がる言動が少なくなります。
例えば、相手を尊重していたら、相手の人格を否定するようなことを口にしなくなる他、自分の気持ちを伝えられずに黙り込むことも無くなり、言うべきことをきちんと言えるようになります。このように、お互いに尊重し、信頼関係をつくることは、コミュニケーションに潜むリスクを下げることに繋がります。
信頼関係を構築するコミュニケーションのポイント
部下との信頼関係を構築するコミュニケーションには、5つのポイントがあります。
1.公正であること
気の合う部下やプライベートの付き合いがある部下などを贔屓したり、部下には偉そうに接するが経営陣には必要以上にへりくだる態度は望ましくありません。
もちろん、立場の違いにより振舞いを変えなければならない場面はありますが、誰に対しても同じように、公正に接する態度が大切です。
2.感情的にならないこと
感情的になりやすい上司の前では、部下が上司の顔色を伺います。感情的になって声を荒げたり、機嫌がいいときと悪いときで対応が違う人は信頼が得られなくなります。
自分の感情と上手く付き合いコントロールする「アンガーマネジメントなど」を習得すると良いでしょう。
3.誠実であること
誠実である、つまり嘘をついたり、その場しのぎの言動をしないことも大切です。上司の立場では、わからないことをわからないと言うことに抵抗を感じる人もいるかもしれません。また、自分のミスを素直に認められない人もいるでしょう。
しかし、誠実でない行動は部下の信頼を大きく損ねます。わからないことはわからないと言い、自分の非を素直に認める態度が、信頼を得るためには必要です。
4.相手の言葉に耳を傾けること
上司と部下の関係では、上司が話し、部下が聞く構図ができがちですが、上司こそ部下の話に耳を傾ける必要があります。一方的な指示を出さない、自分が若いときの経験談を話過ぎないなど、自分と相手の話の割合に注意する必要があります。
相手の話に積極的に耳を傾けることは「アクティブリスニング(積極的傾聴)」と呼ばれ、信頼関係の構築やマネジメントに有効な手段として注目され、管理職に欠かせないスキルの一つです。
アクティブリスニングについては、こちらのコラムで詳しく紹介しています。
5.部下への「報連相」を行うこと
「報連相(報告・連絡・相談)」とは、一般的に部下が上司に行うものと考えられていますが、上司から部下に対しても同様に大切です。
例えば、部長会や役員会などに出席した場合、内容を部署内に共有する必要があります。管理職は経営陣と部下の橋渡し役でもあるため、この役割を踏まえて、部下に対しても報連相を行うことが大切です。
部下とのコミュニケーションを円滑にする4つのポイント
信頼関係を構築するポイントを踏まえた上で、部下とのコミュニケーションを円滑に行う方法を紹介します。
1. コミュニケーションの時間をこまめに作る
面談や1on1を行うことも一つの方法ですが、上司といきなり面談をすることになると戸惑う部下もいることでしょう。そこで、まずは日常の中で自分から部下に話しかけることが大切です。部下は上司に遠慮して話しかけにくいと感じこともあるため、上司から声をかけ、コミュニケーションを取りやすい関係性を作りましょう。
2. コミュニケーションを強要しない
コミュニケーションを取ることは大切ですが、強要するとハラスメントとして捉えられるケースもあります。上司と部下のコミュニケーションの目的は信頼関係の構築ですが、そのためには飲み会や食事のような、仕事以外の付き合いが必要とは限りません。まずは就業時間中に、仕事に関連するコミュニケーションを取ることから始めましょう。
3. デジタルツールを活用する
リモートワークの導入により、対面でのコミュニケーションの機会が減った企業も多いのではないでしょうか。そのような場合、メールやチャットツールなどのデジタルツールを活用して、コミュニケーションを図ると良いです。
4. コミュニケーション研修を実施する
コミュニケーションスキルは実践により理解が深まります。しかし、実際のコミュニケーションでは、自分の言動を客観的に捉えることが難しいです。そのため研修を通じて、参加者同士でケーススタディやロールプレイなどを行うことで、自分や相手の行動を客観的に捉え、互いに指摘し合うことができます。
弊社キャムテック株式会社では、「アクティブリスニング」「アサーティブコミュニケーション」「アンガーマネジメント」など、管理者向けの様々なコミュニケーション研修を行っています。
まとめ
部下を成長させるには、「信頼関係を構築」することが重要です。そのためにも、管理職は部下から信頼されるコミュニケーションを取る必要があります。公正かつ誠実な態度で、自分から積極的にコミュニケーションを取りましょう。
また、部下とのコミュニケーションに課題を感じている管理職に対しては、研修を行いコミュニケーションのポイントを理解させることも大切です。
弊社でも、企業様ごとの課題や要望に合わせたオーダーメイドの「コミュニケーション研修」を行っています。信頼構築やコミュニケーションでお悩みの方は、ぜひ一度お問い合わせください。
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