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職場で役立つ!部下を成長させる「叱り方」と「褒め方」のポイント

2023.01.27 コラム

ひと昔前は「頑張るのは当たり前」「仕事は結果を出すのが当然」といった風潮があり、成果をあげても褒められることはなく、ミスをすれば厳しい叱責を受けたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし昨今では、ハラスメントへの意識が高まり、厳しい指導ではなく、部下のモチベーションの低下を防ぎ、成長につなげるための指導を行う傾向が強くなってきました。

そこで今回は、部下を成長させるための適切な「叱り方」「褒め方」について紹介します。

「叱る」と「怒る」の違い

「叱る」は、相手の成長を促すことが目的で、問題点や改善点の指摘をして行動改善のきっかけをつくります。一方で「怒る」は、自分の感情を一方的に相手にぶつけて不満を発散する行為です。つまり「叱る」は相手本位の行動ですが、「怒る」は自分本位の行動だといえます。

注意したい点は、相手のためを思って「叱った」つもりでも、相手が「怒られた」と捉える恐れがあることです。相手に「怒られた」と感じさせないためには、伝え方が大切です。

NGな叱り方

「叱る」は相手を思っての行為です。どのような伝え方をすれば、相手に「怒られた」と感じさせずに上手に「叱る」ことができるのでしょうか。

人前で叱る

人前で「叱る」行為は、しかられた相手の自尊心を傷つける恐れがあるほか、反発心を生むことや、ストレスを与えてしまうことがあります。また、叱られている様子を見た他のメンバーも「自分も叱られたくない」と萎縮し、行動に移せなくなる可能性も考えられます。

人前で叱ることは極力避け、別室に移動するなど周囲に聞こえないような配慮をしましょう。

人格を否定する

叱る時の対象は、あくまでも言動で、人格や能力を否定するのは絶対に避けるべきです。「叱る」の本来の目的を忘れて、「やる気がない」「この仕事に向いてない」などと、人格や能力を否定するのは、相手を傷つけ自信喪失をさせるだけでなく、パワハラ問題に発展することもあります。

行動や結果、起こった事実に焦点を当てて、相手に「叱っている」意味を理解してもらえるような伝え方を心掛けましょう。

他人と比較する

職場で他人と比較された経験のある人は多いのではないでしょうか?

「〇〇さんはできているのに~…」「△△さんが2年目の時は~…」

などと、他人と比較して叱ると、上司への反発心が生まれて逆効果です。また、人格や性格の否定にもつながりかねません。

「叱る」の目的は相手の問題や課題を改善させ、成長を促すことですあって、他人と比較しても意味はありません。

他人と比較してしかるのではなく、当人の問題として向き合いましょう。

過去のことを持ち出す

叱る時は「いま起きたこと」に対して叱り、過去のことを持ち出すのは効果的ではありません。過去のことを持ちだすと、「今さらそんなこと言われても…」と困惑させるだけでなく、「もう終わったことじゃないの?」と、反発を招く恐れがあります。

また、過去のことを何度も持ち出されると、「また言われてしまう」と萎縮して、挑戦を恐れるようになってしまう可能性もあります。叱る際は、過去のことを持ち出さず、現在のことだけにしましょう。

抽象的な言葉をつかう

叱る場面に限られませんが、抽象的な言葉を使うのは避けましょう。抽象的な言葉の例には、「もっと」「ちゃんと」「しっかり」などがあります。「もっとしっかりやってほしい」としかられも、相手は何をすれば「しっかり」になるのか分からず、改善や修正ができません。

抽象的な言い回しはせず、問題を明確にして具体的に何をしたら良いのか伝えるようにしましょう。

叱り方のポイント

部下を成長させる「叱り方」のポイントを確認しましょう。

主観は入れない

しかる際は、まず起こった事実、行動に対して確認をしましょう。たとえば、納期遅れが発生した場合は、事実は納期が遅れたことで「納期遅れ=やる気がない」と、事実と主観を混在させてはいけません。

まずは主観を入れずに、起きてしまった事実を把握することに注力しましょう。

感情の共有

事実の確認ができたら、その事実に対して自分が感じたことを伝えると、感情の共有ができて相手の納得度も高まります。納期遅れを例にした場合には、「これまでスケジュールの抜けがなかったから、今回の納期遅れに驚いた」などです。注意したい点は怒りの感情が湧いてしまった場合です。怒りの感情をそのまま伝えてしまうと感情的なしかり方になってしまい逆効果です。

怒りの根底にある悲しみや落胆などの二次感情を伝えることで、本当の気持ちが相手に伝わり建設的なコミュニケーションが取れるようになります。

具体的な改善案

主観を入れずに感情を共有したら、具体的な改善案を示しましょう。納期遅れの例では、「検収日の2日前までに仕上げるようスケジューリングする」などです。

改善案は「2日前まで」など数字を用いるのが効果的ですが、「遅れないようにしよう」など、抽象的な伝え方では何をどうすれば良いのか分からず、ミスを繰り返してしまう恐れがあります。そのため、できるだけ具体的な改善案を示すようにしましょう。

褒め方のポイント

上手な叱り方を覚えても、叱ってばかりでは相手もストレスが溜まってしまったり、言いたいことを言えなくなってしまったり、本来のパフォーマンスを発揮できなくなる恐れがあります。そこで効果的なのが「褒めること」です。

メンバーを褒めることでモチベーションアップや良好な人間関係の構築、パフォーマンスの向上など、様々なメリットがあります。しかし、褒めることが良いと分かっていても、どのように褒めたら良いのか分からない方も多いのではないでしょうか?

そこで、本項目で褒め方のポイントを紹介します。

その場で褒める

褒めるタイミングは、相手が行動をした直後が望ましいです。後から褒めても、何について言われているか相手に伝わらない場合があります。その場ですぐに相手を褒めることで思いが伝わり、記憶にも残りやすくなります。

具体的に褒める

相手を褒めるときは「何が」「どのように良かった」と、具体的に褒めるようにしましょう。

たとえば、資料作成を依頼した場合、「〇〇さんの資料がすごく良かった」ではなく、「先日作ってくれた資料、ポイントが明確になっていて商談が進めやすかったよ」などと、具体的に褒めた方が相手のモチベーション向上につながります。

大勢の前で褒める

会議やミーティングなど、人が集まっている場で褒めるのも効果的です。人が集まっている場所で褒めるのは、本人の自信にもつながるだけでなく、他のメンバーの意欲を向上させる効果も期待できます。

しかし、人前で注目を浴びたくないと思う人や、チームの雰囲気によってはで妬みにつながる恐れも考えられるため、 日頃から褒める習慣や文化を育てることも、「褒める」メリットを活かすためには大切です。

部下を成長させる「しかり方」と「褒め方」は研修で学ぶ

チームのパフォーマンスを上げるための「しかり方」と「褒め方」は、研修を通じて学ぶことができます。

キャムテックの「管理職研修」では、部下の成長を促しチームの目標達成につなげるための指導方法をはじめ、コミュニケーションスキルやリーダーシップの発揮方法を学べます。

部下の「しかり方」や「褒め方」など、指導方法でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください!

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