強い組織をつくるフォロワーシップを高めるポイント - 実践的研修のCAM
目次
1.はじめに
企業が成果を上げるためには、組織づくりをしていく上で、強力なリーダーシップが不可欠です。一方で、リーダーを支える「フォロワーシップ」も重要な役割を果たします。リーダーシップとフォロワーシップは、どちらか一方では効果が低く、相互に影響しあうことで、組織として成果を上げることができます。
そこで今回は「フォロワーシップの効果や行動パターン」について、わかりやすく解説いたします。
2.フォロワーシップとは
フォロワーシップの対義語として「リーダーシップ」がありますが、リーダーシップとは、組織の成長や成果のために進むべき方向性を示し、メンバーを引っ張ることです。一方でフォロワーシップとは、チームの成果を最大化させるために、フォロワーがリーダーや他のメンバーに対して主体的に働きかけて行動することです。
具体的には、リーダーを補佐したり、リーダーの手が回らない役割を担ったりすることが挙げられます。また、リーダーと異なる意見があれば議論を促したり、周りのメンバーのサポートをしたりすることもフォロワーシップに含まれます。
このように、フォロワーシップを発揮するには、組織全体に意識を向ける広い視野が欠かせません。単にリーダーに従うのではなく、組織の成長や発展のためにできることを見つけ、積極的に支援していく意識が求められます。フォロワーシップはリーダーを含む全社員に求められる能力と言えます。
3.フォロワーシップが発揮されることで生まれる効果
フォロワーシップが発揮されることで、具体的にどのような効果が期待できるでしょうか。ここでは、3つのポイントに分けて解説します。
信頼関係の構築
リーダーと同じ視点に立てるフォロワーが増えると、自然と組織内に強い信頼関係が築かれていきます。また、力強いフォロワーシップを持つメンバーが増えると、リーダーもより柔軟に、自身の役割を果たせるようになります。リーダーとフォロワーが互いに認め合い、それぞれの存在を尊重できるようになれば、組織としての団結力が高まります。「リーダーがビジョンを示し、フォロワーが実行に落とし込む」「リーダーが意思決定し、フォロワーが”健全な”批判をする」といった相互関係の構築が、組織力の強化や生産性の向上につながります。各メンバーが同じ目線で仕事に向き合うことで、建設的な意見を出し合いやすくなり、相手を尊重しながら無用な遠慮をせずコミュニケーションが図れるため、社員同士の信頼関係も深まります。
組織の活性化
フォロワーシップが発揮された組織では、リーダーの考えをチーム全体で共有・理解した上で目標達成のための行動に移れるため、メンバーが自然とリーダーと同じ目線に立ち、自発的に行動できるようになります。その結果、メンバー一人一人が生き生きと仕事に取り組むようになり、コミュニケーションの活性化や生産性の向上などの好循環が生まれます。現場の情報を上層部に伝えやすくなれば、組織としての一体感も生まれます。
メンバーのモチベーションアップ
組織全体として高いパフォーマンスを発揮するには、リーダー一人の力では不十分な側面があります。また、どれだけ優秀なリーダーであっても、事実誤認や非効率的な方針を取っている場合や、全体の動きが見えていない場合もあります。そこで重要なのが、フォロワーの存在です。フォロワーシップを持つメンバーがリーダーの考えをくみ取り、各メンバーとの橋渡しを行うことで組織の意思統一ができます。各メンバーの不安や疑問に耳を傾け、一つずつ丁寧に解消しながらビジョンやミッションを浸透させることで、組織全体としてのモチベーションアップが期待できます。組織のメンバーが良い関係を築きながら率先して仕事ができるようになると、個人のキャリアアップにもつながります。
4.フォロワーシップの行動例
フォロワーシップが高まると、ビジネスのさまざまな場面でよい影響が生まれます。ここでは、批判的思考や積極的関与が高いメンバーのフォロワーシップによって生まれる具体的な行動例についてご紹介します。
積極的に業務を引き受ける
フォロワーシップが高いメンバーは、自分自身が果たせる役割を判断し、主体的に業務を引き受ける姿勢を持っています。組織やリーダーのために何ができるのか、自ら考えて行動できるため、人一倍優れた成果を残せるようになるでしょう。さらに、こうしたフォロワーシップに触れる中で、周囲のメンバーも自然と前向きな影響を受け、相乗効果によって組織全体が生き生きとすることも大きなメリットのひとつと言えます。
自分の意見を伝えられる
優れたフォロワーシップを持つメンバーは、組織として成果を上げるため、日頃から新たなアイデアを模索し、積極的に発信します。また、異なる意見を持った相手に対しても建設的な提案を行うことができます。例えば、批判的思考は好意的に受け取られにくいですが、自他の行動をきちんと検証し冷静に評価できる能力があり、批判的思考が高いメンバーは、組織やリーダーが誤った方向に進み始めた際に気後れすることなく意見を伝えることができるため、組織運営において重要な存在です。
前向きな姿勢で物事を考える
フォロワーシップが高いと、組織の目標・ミッションを理解した上で、自らが貢献できることを積極的に発信します。また、今やるべきことだけでなく、将来のためにできることを考えながら行動することができます。批判的思考に優れたメンバーは、疑問や反省点が見つかったときにも、常に未来志向で物事を考えられることが強みです。未来に焦点を合わせることができれば、過去の反省が未来を考えるベースとなり、失敗事例も組織の財産として生かせるようになります。いつも前向きに仕事に取り組むメンバーは、周囲に良い影響を与える点でフォロワーとしての素質があります。
組織全体への貢献を考える
フォロワーシップは、組織やリーダー、周囲のメンバーの利益を客観的に考えて行動できる資質でもあります。全体を見て的確な判断が行えるため、組織をより良い方向へ導くことが可能です。また、多くの人々の利益になるように行動することで、今まで以上に視野が広がり、結果としてリーダーシップも養われていきます。
5.フォロワーシップを高めるポイント
フォロワーシップは持って生まれた資質ではありません。研修などを実施することで、後天的に身につけられる能力です。ここでは、チームのメンバーに対してフォロワーシップを育成していくために意識すべきポイントを解説します。
自身の意見を持たせる
フォロワーシップを高めるには、メンバーそれぞれに自分なりの意見を持つ習慣を身に付けさせることが大切です。例えば、客観的なクリティカルシンキングが行えるよう研修を行うと良いでしょう。その際に重要なことは、「当事者としてどのように考え、行動するか」という想定です。また、クリティカルシンキングを鍛える中で、単に否定するのではなく、反対の理由を明確にすることも大切です。その上で、可能であれば代替案や解決策も同時に提案できるようになるまで取り組むと、より実践的な資質として鍛えられるでしょう。
他者への積極的なフォローを意識させる
組織内で他者への積極的な支援が行える文化をつくることも、フォロワーシップを育成する上で重要なポイントです。他者を手助けするために、それぞれが時間や心の余裕が持てるように気を配ることも大切です。リーダーは特定のメンバーに業務が集中していないか留意し、必要に応じて業務量の調整を行いましょう。また、リーダーの能力に限界があることも事実です。フォロワーシップはフォロワー同士だけでなく、リーダーに対しても発揮されるべき特性であるため、各メンバーにはその点を念頭に置いてもらう必要もあります。
積極的なコミュニケーションを促す
コミュニケーションスキルは、フォロワーシップにおける基本的な能力です。社員同士が日頃から積極的にコミュニケーションを図れるような環境や機会を用意することが大切です。特に上司は部下に対して指示を出すだけでなく、意見を求め、出された意見を真摯に受け止める姿勢を持つことが重要です。また、社員が安心して自身の意見を主張できるよう、心理的安全性の構築にも配慮しましょう。
6.まとめ
組織力を高め成果を上げるためには、強力なリーダーシップだけでなく、リーダーを支える「フォロワーシップ」も重要です。フォロワーシップの重要性や、組織へ与える影響を正しく理解させることから始め、メンバーのフォロワーシップを高めていきましょう。そのためには、研修を通じて単に心がけや習慣を理解するだけでなく、職場で実践できるスキルとして磨くことが重要です。
フォロワーシップ研修をご検討の方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください。
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