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エンゲージメントを向上させるメリットと3つの施策

2021.03.11 コラム

人材不足が深刻化する昨今、採用力強化、離職防止、人材育成、業績拡大など様々な効果が期待できることから注目されている「エンゲージメント」をご存知でしょうか。グローバル社会を生き抜くためにエンゲージメントの向上は重要ですが、日本の企業のエンゲージメントは世界最低水準という調査結果もあり、改善が求められています。

そこで今回は、「エンゲージメントを向上させるメリットと3つの施策」をご紹介いたします。

エンゲージメントとは

エンゲージメント(engagement)とは、一般的に「婚約」「約束」「契約」などを意味する言葉で、ここから派生して人事領域では、社員が自社に抱く「愛社精神」「愛着心」「思い入れの強さ」といった意味で使用されます。その根底には「個人のやりがいを高めることが、企業の価値を高める」「企業の成長が個人の成長や働きがいを高める」という考え方があり、エンゲージメントが高い企業では、社員一人ひとりが企業を信頼し、自分自身と企業の成長に向けて意欲的に取り組んでいます。このように、企業と社員の結びつきが強い状態のことを「エンゲージメントが高い」と表現し、組織力が強まり、業績の向上が期待できます。

エンゲージメントが高い企業とは、どのような職場なのでしょうか。下記のような特徴があります。

  • 社員が企業と仲間を信頼できている
  • 企業の目標や目指す姿を全ての社員が共有できている
  • 企業の価値観(文化や理念、ビジョンなど)を全ての社員が理解し、大切にしている
  • 社内のコミュニケーションが大切にされている
  • 社員が仕事に対してやりがいを感じ、前向きな気持ちで取り組んでいる

エンゲージメントと混同しやすい用語

エンゲージメントをより正しく理解するため、混同しがちな「社員満足度」と「ロイヤルティ」との相違点を明確にしましょう。

社員満足度とは

社員満足度とは、社員が給与や休暇、福利厚生、待遇、職場環境、職場の人間関係など、企業が用意しているものに対してどのくらい満足しているかを示しています。そのため、社員満足度が高い状態であっても、社員が「企業に貢献したい」という気持ちを持っているとは限りません。一方でエンゲージメントが高い企業の場合、社員は組織に対する思い入れがあるため、「企業に貢献したい」という気持ちを持って仕事に取り組みます。

ロイヤルティとは

ロイヤルティ(Loyalty)とは、「忠誠」「忠実」を意味する言葉で、人事領域では、社員の企業に対する忠誠心や忠実度を示します。これまで多くの企業では、企業が社員に対して圧倒的な力を持ち、ロイヤルティが重視される傾向にありました。しかしロイヤルティが高い状態では、企業と社員は明確な主従関係の下にあり、社員は「企業の方針に従う」ため、判断力や想像力が育たず、指示待ち人間になってしまうという恐れもあります。

なお、類似の言葉でロイヤリティ(Royalty)がありますが、「王位」「王権」を意味する言葉で、日本語では「特許権」「商標権」「著作権」といった特定の権利を利用する「使用料」のことを指すため、それぞれの意味を理解して使い分ける必要があります。

以上のように、エンゲージメントとの違いは、結びつきの方向性にあります。

社員満足度は、処遇や環境に対する評価であり、「社員が求めているものを与えられているか」という企業の取り組みに応じて満足度が変化し、ロイヤルティは、社員が企業に対して忠誠心を持って行動するという縦の関係にあります。これに対してエンゲージメントは、企業と社員が双方向の関与によって結びつきを強めていく、横の関係にあります。

エンゲージメントを向上させるメリット

エンゲージメントの向上は、「社員の企業に対する愛着心を強める」ことを指します。企業への愛着心が強まることで、どんなメリットが得られるのでしょうか。3つのメリットをご紹介します。

①離職防止

エンゲージメントが高い社員は、給与などの労働条件ではなく、その企業で働くことの価値を見出し、長く働きたいと考えます。そのため、将来を担う優秀な人材流出や若手社員の早期離職の防止に繋がり、定着率の向上が期待できます。また、コストを掛けて採用・育成した若手社員が離職してしまうと、再度採用活動を行う必要があり、採用コストや教育コストが掛かりますが、定着率が向上することで、これらの経費を抑えることにも繋がります。

②生産性が向上する

エンゲージメントが高い状態とは、企業の理念やビジョンに共感していることを示します。そのため、「会社のサービスをもっと良くする方法はないか」「より売上げを上げるためにはどうすればいいか」など、自分がやるべきことを自発的に模索し、行動に移していきます。また、企業に対する愛着も強まるため、積極的に取り組む姿勢が生まれます。こうした一つひとつの行動が、生産性の向上に繋がります。

③優秀な人材が集まりやすくなる

エンゲージメントが向上すると社員の会社に対する評判が上がり、結果として優秀な人材の採用に繋がります。社員が前向きに、やりがいを持って働く様子は魅力に見え、共に働きたいと考える人も出てきます。優秀な人材はこのようなエンゲージメントの高い職場に集まるため、企業として強くなれます。

エンゲージメントが低下する原因

エンゲージメントを低下させる2つの原因をご紹介いたします。

①時間と賃金がリンクする「勤務時間制度」

多くの日本企業では9時~17時などの勤務時間制度を採用しているため、優秀な社員が「効率的に早く仕事を終わらせる」「業務改善を行い時間短縮する」といった成果を出しても、決められた勤務時間はオフィスにいなければ賃金を控除されてしまう仕組みになっています。その結果として、社員は「決められた時間を満たすようにゆっくりと仕事を進める」ようになってしまうなど、能力を存分に発揮しなくなり、社員のエンゲージメントが低下してしまうと考えられます。

②オーバーコンプライアンス

オーバーコンプライアンス(過剰法令順守)とは、社内外で何か起こるたびにルールが作られ、手続きやチェック、監視が増え、ルールばかり作って守らせようとする企業姿勢のことです。ルールを作って監視を強化したからといって不正や不祥事が無くなるわけではなく、過剰な規制を行っていると、社員にネガティブイメージを与え、失敗を恐れずにチャレンジすることができない文化が醸成されてしまいます。

エンゲージメントを向上させる方法

では、社員のエンゲージメントを高めるにはどうすればよいのでしょうか。エンゲージを向上させる方法を3つご紹介します。

①ビジョンへの共感

社員が企業のビジョンに共感することは、エンゲージメントを向上させる上で欠かせません。ビジョンへの共感を得られていなければ、社員が勝手に行動したり、仕事をする目的が不明瞭になったりと、目的意識が薄くなってしまいます。そのため、自社が掲げる理念やビジョンが、社員の共感を生み、行動に繋がる価値ある内容になっているかは、非常に重要なポイントです。またビジョンへの共感を促すため、定期的に社員に対して情報を発信し続ける取り組みが必要です。

やりがいを感じる職場作り

エンゲージメントを向上させるには、仕事のやりがいを創出する仕組み作りも重要です。一人ひとりが働きがいを感じ、自分自身の更なる成長に繋がる環境を整備することによって、社員のエンゲージメントが高まり、パフォーマンスを最大化させることができます。企業への貢献を適切に評価する人事制度の導入、権限委譲による若手のやりがいの創出といった施策も有効です。

③働きやすい環境作り

どんなに共感を得られる理念やビジョン、業務が揃っていたとしても、労働環境が整っていなければ、長く勤めたいという気持ちは起きづらいものです。給与や休暇、福利厚生、人間関係など、社員一人ひとりが長く働きたいと実感できるような労働環境を整えることもエンゲージメントを向上させる上で重要なポイントです。

まとめ

これまで多くの企業では、終身雇用制度により社員との結びつきを維持してきましたが、働き方が多様化し、人材の流動化が進む現在、良い労働条件を提示するだけでは社員のエンゲージメントを向上させることは難しくなっています。社員からの信頼を獲得し、「この会社のために働きたい」と感じてもらうことが、企業の持続的な発展に必要不可欠です。企業を取り巻く環境は刻一刻と変化するため、事業拡大や、離職防止に向けて、エンゲージメントを向上させるための取り組みを進めてみてはいかがでしょうか。

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