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怒りを上手くコントロールするアンガーマネジメントとは

2021.03.09 コラム

働き方改革やコロナ禍における他社への出向、また年々増加の一途をたどる外国人労働者の雇用等により、組織において、年齢や性別、国籍、価値観の異なる多種多様な人が集まりコミュニケーションをとる場面が増えています。そのような中で、考え方の違いから怒りの感情が湧いてしまうこともあるでしょう。

しかし、その感情をそのまま表に出してしまっては人間関係や業務に支障が出る恐れがあり、一方で怒りを我慢し抑え込んでしまうと、メンタル不調に繋がりかねません。そこで、怒りの感情をコントロールするだけでなく、コミュニケーションの円滑化、ストレス対策、ハラスメント防止など、働きやすい職場作りに、アンガーマネジメントが効果的だとされています。

そこで今回は、怒りを上手くコントロールするために「怒りのメカニズムとアンガーマネジメントの実践方法」についてご紹介いたします。

アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントとは、怒りを上手くコントロールして適切に対処するためのスキルで、1970年代にアメリカで生まれたと言われています。アンガーマネジメントは、怒らない、あるいは怒りを我慢するためのスキルではなく、知識や技術を使って自分の感情を上手くコントロールすることで、怒りの感情に振り回されないようにするスキルのことを指します。

「なぜ、あんなに怒ってしまったのだろう…」「もっと優しく伝えればよかった」など、怒りについて後悔することがないためにも、怒りの感情を上手くコントロールすることが大切です。怒りの感情を適切に表現できれば、互いの理解が深まり信頼関係の構築に繋げることができます。

アンガーマネジメントを身につけることで、下記のようなメリットがあります。

  • 怒りを感じる頻度が少なくなり、ストレスが減少する
  • 怒りに任せた衝動的な行動を抑えることで、ハラスメントを防止する
  • 怒りで心が乱れることがなくなり、生産性が向上する
  • 他者との違いに寛容になり、柔軟性が高まることで、視野が広がる
  • 感情的になる場面がなくなり、職場でのコミュニケーションが円滑になる

怒りのメカニズム

そもそも怒りはどのようにして現れるのでしょうか。アンガーマネジメントのスキルを身につけるためには、怒りの感情について理解することが必要です。アンガーマネジメントでは、第1次感情と第2次感情の2つの感情にわけて考えます。

第1次感情

第1次感情とは、疲れた、辛い、不安、悲しい、淋しい、といったネガティブな感情を指します。人は、このネガティブな感情を溜め込むことができる器を持っています。この器の中に、仕事や日常生活のストレスによって生じたネガティブな気持ちが溜まります。これらは、リフレッシュなどにより解消されない限り、器一杯まで溜まり続けていきます。

第2次感情

第1次感情で一杯になった器に、更にネガティブな感情が入ると、器に溜まっていた感情が溢れ出してしまいます。この溢れ出した感情が、 「怒り」という第2次感情になります。

この器の大きさは人それぞれ異なり、器が小さい人=怒りっぽい人として認識されるようになります。また同じ人でも、その日の気分やコンディションによって器の大きさが変化することがあります。

怒りの正体

器から溢れたネガティブな感情が怒りになるか、ならないかを決定づける、怒りの真の原因とも言えるのが、「~すべき」、「こうあるべき」といった自分自身の価値観です。例えば、「始業の15分前に出社しているべき」「新入社員は上司より遅く帰るべき」などといった固定概念が挙げられます。自分の理想と、現実のギャップを感じた時に「~してくれない」「そうじゃない」と自分が常識だと思っていることに反する行動をされたことに対して怒りの感情が発生します。そのため、「自分の常識は本当にみんなに通じることなのか?」「自分の価値観を押し付けていないか?」という視点を持つことで、怒りの原因を無くすことができます。

問題となる4つの怒り

怒りの感情には、4つの種類があります。これらが現れると、業務や人間関係に支障が出てくるため、アンガーマネジメントによるコントロールが必要です。

・強度が高い怒り

怒りすぎてしまったり、些細なことでも激昂したり、怒鳴りつけてしまうような怒りで、怒り出すと歯止めが効かないような怒りがこの種類に含まれます。

・頻発する怒り

日頃の小さなことに過敏に反応して、常にイライラし、頻繁に感じる怒りです。例として、何か1つ気に入らないことがあった際に、それが引き金となって「あれもこれも…」とヤケになることが挙げられます。

・持続する怒り

怒りがいつまでも忘れられず、時間が経ってもイライラしている怒りです。また、思い出し怒りのことも指します。何も言えずに溜め込んでしまい、怒りを伝えられなかった場合に、時間の経過と比例して怒りがどんどん強まっていくケースもあります。

・攻撃性のある怒り

怒りによって人やモノに対して暴力、暴言が出してしまうような怒りです。また、自分に対して当たってしまう(自傷行為)もこれに含まれます。

アンガーマネジメントの実践方法

では、怒りを感じた際にどのようにコントロールしたらいいのでしょうか。怒りを感じても外に出さないようにするために、職場ですぐに実践できる3つの方法をご紹介します。

①イライラしたら6秒待つ

怒りの感情のピークは、怒りはじめの6秒間と言われています。人は怒るとアドレナリンというホルモンが体内を巡り、興奮・攻撃態勢となりますが、アドレナリンが体内を巡るまでが6秒とされているためです。この6秒間をやり過ごすことで、衝動的な言動で人を傷つけ、人間関係を破壊することが防げるようになります。衝動的な怒りを感じたら、まずは深呼吸をして自分の感情から一歩距離を置きましょう。自分が怒りを感じていることを客観視できれば、怒りの感情に飲み込まれることなく、自分の感情をコントロールできます。

②怒りを書き出す

手帳やノートなどに怒りを感じた出来事、怒りを感じた理由、怒りの感情の大きさ、怒りが継続した時間などを書き出します。このように見える化することで、怒りを客観的に捉えることができます。さらに、その怒りに点数をつけることが効果的です。0を平穏な心理として、10を人生最大の怒りと設定します。例えば、同じ出来事であってもシチュエーションや自分の心理状態によって、怒りの強さが3であったり7であったりと変化するでしょう。これを継続することで、次第に「これは怒る必要のないこと」だと気付けるようになります。

③変えられることにフォーカスする

ものごとには、変えられることと、変えられないことがあります。怒りの感情を持ちやすい人は、自分の力では変えられないことをコントロールしようとして、それができないことにイライラする傾向が強いようです。そのため、自分の力でコントロールができない事柄には意識を向けず、エネルギーを使わないようにしましょう。例えば、電車がトラブルで止まったことによって、約束の時間に遅れてしまう場合、電車が止まったことにイライラすることでしょう。しかし、怒ったとしても状況は変わりません。このように怒ることで状況を変えられない場合には、その状況を受け止めて自分が取るべき行動について考えることで気持ちを切り替えましょう。

まとめ

アンガーマネジメントは、怒らない、あるいは怒りを我慢するためのスキルではなく、怒りをコントロールして適切に対処するためのスキルです。コミュニケーションの円滑化、ストレス対策、ハラスメント防止など、働きやすい職場作りに取り入れられることをお勧めします。怒りの感情を表に出して、業務や人間関係に支障が出ることのないよう、まずは深呼吸をして6秒数えることから始めてみましょう。

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