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コンプライアンス研修とは?その目的や実施のメリットについて解説-社員教育のCAM

2023.05.26 ニュース コラム

目次

はじめに

企業が社会的責任を果たし、社会からの信頼を損なわないためには「コンプライアンス」が極めて重要であり、最優先で取り組むべき課題といっても過言ではありません。そのため、企業経営に悪影響を及ぼす不祥事を未然に防ぐことを目的に、コンプライアンス研修を取り入れる企業が増えています。

そこで今回は「コンプライアンス研修の実施目的や研修を行うメリット」について、わかりやすく解説いたします。

コンプライアンスとは

コンプライアンス(compliance)とは、公正や倫理の確保を目的とした取り組みのことで「法令順守」を意味しています。ただし、企業に求められている「コンプライアンス」とは、単に「法令を守れば良い」だけではなく、倫理観や公序良俗などの社会的な規範に従い、公正・公平に組織活動を行うことを意味しています。

企業にコンプライアンスが適用される範囲は明確に定義されていませんが、主に3つの要素があるといわれています。

法令

法令とは、国民が守るべきものとして国会で制定された法律、国の行政機関で制定される政令・府令・省令などの総称です。地方公共団体の条例や規則を含めて用いられることもあります。

就業規則

就業規則とは、社内ルールやマニュアル、業務手順など、就業ならびに業務の遂行にあたって社員が順守しなければならない取り決めを指します。

企業倫理・社会規範

企業が社会から求められる倫理観や公序良俗の意識を指します。どちらも法令には定められていませんが、消費者や取引先からの信頼を獲得するためには欠かせません。

情報漏えい・データ改ざん・ハラスメントなど、法令の有無を問わず、社会倫理に従って判断することが求められます。

企業にとって法令順守は必須事項ですが、法令違反が無ければそれで良いものではなく、社会から寄せられる信頼にも応えていく必要があります。

コンプライアンス違反につながりやすい「不正のトライアングル」

コンプライアンス違反をなくすためには、社員一人ひとりの意識を高めることはもちろんですが、「不正のトライアングル」を生まない組織づくりも重要です。

以下のような行為がコンプライアンス違反の対象です。

  • ハラスメント
  • 未払い賃金
  • 長時間労働
  • 食品の衛生管理
  • 個人情報漏えい
  • 著作権侵害

不正を未然に防止するためには、不正が起こりやすい構造的な問題を理解することが第一歩です。そこで重要なのが「不正のトライアングル」です。これは、不正行為が発生するのは「機会」「動機」「正当化」の三要素が揃ったときであるとした理論です。

機会:不正を成功させる状況があること

  • 現金や商品が無くなっても、誰も気にしない(それらを盗んでも発覚しない)
  • 一人の担当者に、資産を取り扱う権限が集中している(それらを盗んでも隠蔽できる)
  • 経費申請に対して、上長が何も確認せず承認している(不正請求をしても承認してもらえる)

動機:不正を行うに至った背景や理由があること

  • 個人的な金銭問題を抱えている(借金の返済を迫られている/家族が病気で高額の医療費が必要)
  • ノルマに対するプレッシャーがあり、達成できないと強く責められる(解雇される/激しく叱咤される)
  • 成功者であることに強いこだわりがある(失敗や失速を表に出したくない)

正当化:不正行為が悪いことではないと理由づけること

  • 一時的に借りるだけである(当初は「後で返済する」と考えるが、ほとんどの場合は果たされない)
  • 経営層や上位職、他部門の従業員と比較すると、報酬や待遇に大きな不公平感がある(自分ももっと貰っていいと考える)
  • 全体、他者のために仕方なくやる(営業が早く売りたいと言っているため基準から外れているが検査を通過させよう、と考える)

コンプライアンス研修の目的

企業がコンプライアンス研修を実施する際の目的について解説します。

 

目的1:コンプライアンスの基本概念を理解する

コンプライアンス研修の第一の目的は、コンプライアンスの基本概念を理解させることです。現代では、企業にとって重大な課題であり耳にする機会が多いため、何となくイメージは持っているものの「きちんと学んだことがない」「正確に理解できているか不安」という方も多いのではないでしょうか。

そのため、まずはコンプライアンスを正しく理解することが研修の最初の目的です。

目的2:企業としての信頼や企業価値を向上させる

コンプライアンス意識の高い企業では、自社の製品やサービスに対する安全管理や品質管理が徹底されており、不正を起こさない環境がしっかりとつくられています。

その結果、消費者からの信用が高まると同時に、取引先からも信頼性の高い企業であると認識され、企業価値の向上につながることが期待できます。

目的3:内部統制を行う

内部統制とは、経営方針や目標に則して適正に企業活動を遂行するために、組織内部で整備・運用する仕組みを意味します。企業に悪影響を与え得るリスクを精査し、それをコントロールすることで風通しの良い職場環境をつくることが目的です。

コンプライアンスが徹底されていないと、社員の不適切行為がSNSで拡散されるなど大きな問題に発展し、経営に重大な実害をもたらすことも考えられます。

目的4:コンプライアンス違反のリスクを予測する

法令や企業内のルール、他社のコンプライアンス違反事例などを踏まえて、それらについて自社の現状を認識する必要があります。その上で、自社でどのようなコンプライアンス違反が起こり得るのか、その可能性はどれくらいあるのかリスクを予測します。さらに、実際に違反が発生した場合、どのような損害が生じるのか評価しておくことも重要です。特に近年では、従業員によるSNSや動画サイトへの不適切な投稿が、企業全体に甚大な損害を与えるケースも増えているため注意が必要です。

目的5:コンプライアンス違反の防止体制を整備する

自社でどのようなコンプライアンス違反が起こり得るのか、その可能性はどれくらいかの予測を踏まえて、違反を防止するための方法を検討する必要があります。

また、違反発生時の対応を準備することも大切です。実際にコンプライアンス違反が発生した場合にどのような損害が生じるのか評価を踏まえて、損害を軽減するための対策を検討する必要があります。

目的6:従業員のコンプライアンス意識を高める

早期発見の重要性を伝えて従業員の意識を高めることも大切です。早期に発見・対応された場合は比較的解決しやすい問題でも、対応が遅れると解決が困難となる例は少なくありません。早期発見・早期対処こそが、コンプライアンス違反を予防する上での鉄則です。

不祥事に関わる情報を得た場合は、「直ちにリーダーに報告する」というルールも大切です。情報が滞留しリーダーに届かなくなると、不正やミスが増大する可能性があります。

コンプライアンス研修を行うメリット

コンプライアンス研修を実施することで得られるメリットには、どのようなことがあるでしょうか。具体的な内容について説明します。

メリット1:基本的なルールを身に付けられる

コンプライアンス研修の本質は、「風通しの良い職場環境をつくること」と「法令の順守」です。この2つが上手く機能して初めて、効果のあるコンプライアンス研修を実施することができます。コンプライアンスは人事や経営層だけが意識すべきことではなく、全社員が学ぶ必要があります。特に新入社員や中途社員には、企業ごとの基本的なマナーを早い段階で理解させ、身に付けてもらう必要があります。新しく加わった社員は、本人も気付かないうちに違反行為をしている場合や、SNSの取り扱いに対する意識に差がある場合が考えられます。その点も踏まえ、社員一人ひとりがマナーやルールを身に付けられるような内容を盛り込むとよいでしょう。

メリット2:コンプライアンス意識を高めることができる

社員がコンプライアンス違反を重大な問題と認識しておらず、「これくらい問題ないだろう」と軽く考えて問題になるケースも少なくありません。また、一般常識と社員の常識がかけ離れていることで違反を認識しないまま誤った行動を取るケースも考えられます。

コンプライアンス研修を行うことにより、守るべきルールや常識を全社員で共有し、認識を合わせることができます。その結果、社員一人ひとりのコンプライアンス意識が高まり、コンプライアンス違反を未然に防ぐことにつながります。

メリット3:コンプライアンスの違反事例を学べる

ルールや常識を学んだとしても、日々の業務のなかでは具体的にどのような言動が違反にあたるのか判断に迷うことも多いものです。

そこで、コンプライアンス研修で具体的な違反事例を学ぶことで、社員が日々の業務の中でどのような行為に注意すべきかを学ぶことができます。

まとめ

定期的にコンプライアンス研修を行うことで、社員のコンプライアンス意識を高めるとともに、コンプライアンス違反を防止することができます。

「コンプライアンス研修」をご検討の方は、ぜひ一度、キャムテックへお問い合わせください。

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