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社会人の必須スキル!怒りの感情をコントロールするアンガーマネジメントとは

2023.01.13 コラム

プライベートや仕事でついイライラして怒ってしまう……。多くの人が経験のあることだと思います。本当はそんなつもりはないのに、怒りの感情をうまくコントロールできず不機嫌になる、黙り込んでしまう、人や物に八つ当たりしてしまうなど、振り返った時に後悔をする人も少なくないでしょう。

怒りは人間が持つ基本感情のひとつですが、人間関係や仕事に大きな影響を与えかねない怒りの感情と、うまく付き合っていく方法はあるのでしょうか?

そこで今回は、怒りの感情をコントロールする「アンガーマネジメント」の効果と方法について紹介します。

アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントは怒りの感情と上手く付き合うための心理教育、心理トレーニングとして1970年代のアメリカで生まれたマネジメント手法です。

元々は犯罪者の矯正プログラムに活用されていましたが、現代では企業の研修に取り入れられるなど、一般化されています。アンガーマネジメントは怒らないためのスキルではなく、怒る必要のあることは適切に怒り、怒る必要のないことは怒らず済ませる、といったように“怒り”を上手にコントロールすることを目的としています。

そのため、アンガーマネジメントを身につけると、相手に対して怒りを一方的にぶつけたり、威圧的な態度を示したりすることなく、自分の状況を客観的に見られるようになり、適切に怒りの感情をコントロールできます。

混同される表現として「怒る」に似た言葉に「叱る」がありますが、「怒る」は自分の感情を相手にぶつけるものであることに対して、「叱る」は相手の成長を促すためのものです。言い方や態度によっては「怒り」と捉えられてしまうこともあるため注意が必要です。

怒るデメリット

怒ることはモチベーションや行動のエネルギーにつながったり、真剣さ、必死さが伝わったりすることもありますが、デメリットも忘れてはいけません。

人間関係の悪化

感情に任せて怒りを相手にぶつけると、相手も感情的になり関係が悪化してしまうことがあります。相手を責めるような言い方は、敵対心を持っていると捉えられてしまう場合があるため注意しましょう。

雰囲気の悪化

怒りは場の雰囲気を悪くすることがあります。そして怒っている人に対しては話しかけづらい、相談しづらいと感じる人も少なくないでしょう。場の雰囲気が悪かったり、その場に話しかけづらい人がいると、自由な発想や意見交換がしづらくなり個々の持つパフォーマンスを引き出すことが難しくなってしまいます。

相手の委縮や反発

怒りを相手にぶつけた際、相手の委縮、または反発を招いてしまうケースは多々あります。相手の言動や行動に怒りを感じた時、その怒りをただぶつけるのではなく不安や悲しみといった感情を伝えるほうが効果的です。

怒りは二次感情と言われ、怒りそのものが突然発生するのではなく、不安や心配、困惑、落胆、悲しさなどの一次感情が積み重なって生まれます。そのため、二次感情である怒りではなく、怒りの原因になっている一次感情を伝えたほうが本当の気持ちが伝わりやすくなります。

アンガーマネジメントの効果

アンガーマネジメントを身につけると、怒りの感情を自分自身でコントロールできるようになり、良好な人間関係の構築、場の雰囲気作りなど、多くの良い効果を生みます。

人間関係が良好だと、活発なコミュニケーションが生まれ、誰もが気兼ねなく質問や意見の交換ができる環境になります。新しいアイデアの創出や人材育成にも良い影響が考えられ、生産性の向上にもつながるでしょう。

近年では、職場での心理的安全性にも注目が集まっています。心理的安全性とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対しても安心して発言できる状態のことです。怒りや萎縮がないオフィスでは心理的安全性が保たれていると言って良いでしょう。

Google社が2016年に「生産性が高いチームは、心理的安全性が高い」といった、研究結果を発表したことからも、アンガーマネジメントは生産性の向上につながる効果的な方法のひとつと言えます。

アンガーマネジメントの方法

アンガーマネジメントの方法を紹介します。

6秒ルール

怒りを感じたら6秒待つことが効果的です。怒りのピークは6秒で過ぎると言われているためです。6秒カウントをする間に怒りが静まり、客観的に状況を見直すことができます。カウントだけで効果を感じない場合、気持ちを静めるため「今は怒らなくても問題ない。大丈夫」など、心で繰り返してみるのも効果的です。

怒りの点数化

怒りを点数化してみるのもおすすめです。怒りの感情は、「怒る」「怒らない」の二種類ではなく、怒りには強さや段階があります。

たとえば通常時を0、これまでに最も怒った時を10として、今自分が感じている怒りが1から10のうち何点になるか考えます。採点を行うと、怒っている自分を客観視できるため、過去の怒りと現在の怒りを比較して、「今回の方が低いから怒らなくて大丈夫なことかも」と、感情的にならずにコントロールができるようになります。

その場から離れる

6秒ルールでも収まらない場合には、その場から離れることも効果的です。怒りの感情が表に出る前に、お手洗いに行ったり、飲み物を買いに行ったり、その場から離れましょう。怒りの対象から気をそらすことで冷静になれます。その際、突然席を外すと相手に不信感を与えかねないため、「少し時間をください」などと伝え、相手の了承を得てから席を外すようにしましょう。

価値観を見直す

私たちの怒りの正体は、一人ひとりが持つ“べき”、つまり理想や価値観に起因するものです。そのため、こだわりが強い人ほど、怒りが生まれやすくなる傾向にあります。多様な価値観を受け入れられれば、「こうすべき」「こうあるべき」という自分の見方だけではなく、「こういう考え方もあるのか」と他者の理解にもつながるため、怒りを感じることも少なくなるでしょう。

そのため、自分のこだわりを洗い出し、「①許せる」「②まあ許せる」「③許せない」の3段階に分けた上で、②の「まあ許せる」範囲を広げることができるとストレスが軽減します。また、どうしても譲れないこだわりがある場合には、相手に言葉できちんと伝えることが大切です。

アンガーマネジメントは研修が効果的

アンガーマネジメントは客観的に怒りの感情を理解し、怒りと上手く付き合うためのスキルです。アンガーマネジメントを身につけると、良好な人間関係の構築や周囲の心理的安全性を確保することができるようになり、生産性の向上につながります。

キャムテックのアンガーマネジメント研修では、相手に上手に感情を伝えるための手法を身につけられ、良好な人間関係の醸成ができるようになります。

新入社員から管理職まで、各階層に合わせたプログラムをご提案しておりますので、「アンガーマネジメント」に興味をお持ちの方は、ぜひ一度お問合せください!

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