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“退職代行”に駆け込ませない若手とのコミュニケーション

2019.10.01 コラム

先日訪問しましたある企業担当者様より、「ついにうちの会社にも退職代行を使って辞める社員がでましたよ」と、お話しを伺いました。「退職代行」は今や他人事では無く、身近に起こりえることなのだと痛感した出来事でした。

「退職代行(サービス)」とは、本人の代わりに退職に関する事務連絡を代行するサービスのことで、ブラック企業に勤める若者が、退職希望があっても言い出せず思い悩んで自殺することの無いよう、改善策として始まったサービスです。

ただ、実際の利用者はブラック企業に勤める社員に限らないと言います。

「上司とのコミュニケーションにストレスを感じた、入社3年以内の若手(特に男性)社員」からの依頼が多いようです。その理由に、下記が挙げられるそうです。

①間違いをすると怒られる

②“~すべき”とべき論で話を進められる

③“残業をせずに帰ろう”と声を掛けるのに、自分は遅くまで残業している(それによって帰りづらい) 等々

他にもいくつかあるようですが、総じて指導として一概に間違っているとは言えず、どちらかというと、これまでのスタンダードとされてきたことがほとんどではないでしょうか。

では、このようにこれまで当たり前としてきた指導だけでは、定着が難しくなっている現代で、上司はどのように部下と接すれば良いのでしょうか。

①怒る⇒怒りの感情を抑え、部下の存在を認めた上で、改善点を事実として伝える

自分の感情を発散させるために怒る、ことはしてはいけませんが、部下の間違いを次に引き起こさないために叱る、は本来必要なことに間違いはありません。ただし、若手社員が「叱られた」と受け取れるかは本人次第です。よって、余計な誤解を招かぬよう、部下の存在や日々の感謝を伝えた上で、誤っていた点を改善点と共に伝えることが有効です。

②上司には、これまで培ってきた経験やノウハウ、それに対する成功体験がある一方で、その分新しい考えを無意識に受け入れられない傾向があることも事実です。「若手から得られる考え方もたくさんある」という姿勢でコミュニケーションを図ることで、関係性が少しずつ構築されます。

③業務範囲の狭い若手社員と比べて、業務量の多い上司が残業をしてしまうのは致し方ないことではある為、『役割と立場の違い』によって生じる違いを、若手社員に理解させ、若手社員に無駄な残業はさせないように管理することが大切です。

「退職代行」を利用するというのは、全体の中ではまだ極少数ではありますが、『本当の退職理由』を告げずに退職に至る若者は、大多数です。退職の意思がよぎっても“もう少し頑張ってみよう”と思えるか否かは、日常の関わり方がほとんどです。

まずは、上司側の主張を通すことではなく、若手社員に歩み寄り、互いに刺激を与え合いながら、組織づくりを強化してみてはいかがでしょうか。

導入事例

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