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コンプライアンスとは法令遵守だけではない!?企業に求められるCSRとは

2021.02.02 コラム

情報化社会の進展や環境問題など、企業が負うべき社会的責任が拡大する中、企業におけるコンプライアンス対策の重要性が年々増しています。コンプライアンスとは、法令さえ守っていれば、何をしても良いということではありません。法令に加えて、企業がCSR(社会的責任)を果たし、事業を継続するために必要な基準や規範など、あらゆる内容を遵守しなくてはなりません。

そこで今回は、「企業に求められるコンプライアンスとCSR」についてご紹介いたします。

コンプライアンスとは

コンプライアンス(compliance)とは「法令遵守」を意味する言葉で、企業がルールに従い、公正・公平に業務を遂行することを指します。しかし、単に法令だけを守れば良いということではなく、「法令を遵守する」ことに加え、「法律ではないが、社会的ルールとして認識されている内容に従って企業活動を行う」ことの意味も含まれます。

CSRとは

CSR(Corporate Social Responsibility)とは「企業の社会的責任」を意味し、企業が利益至上主義に傾倒せず、社会全体に対する説明責任を果たすことで、企業価値の向上を目指す考え方のことです。コンプライアンスはCSRの基礎にあたるため、コンプライアンスを推進するにあたり必要な考え方とされています。

主なCSR活動として、「企業倫理」「コーポレートガバナンス」「SDGs(持続可能な開発目標)」などがあり、これらの対象は社員、取引先、株主はもちろんのこと、地域住民、行政機関など、企業に関係する全ての利害関係者(ステークホルダー)としています。

近年では、IR(Investor Relations投資家向け情報提供)レポートに加え、CSRレポートを発表する会社が増えています。作成や公表の義務はありませんが、企業の経営姿勢を利害関係者に示すために有効な方法であり、コンプライアンスに関連する項目を記載している企業も多くあります。

CSRが注目される要因

CSRが注目される要因には、産地偽装や品質管理データの改ざん、粉飾決算やハラスメントなど企業倫理が問われる「企業による不祥事」をはじめ、地球温暖化・環境汚染などの「環境問題の深刻化」が挙げられます。人々が企業に求める期待や希望が高まる昨今、コンプライアンスを問われるトラブルは企業にとって致命的な傷となる可能性があります。そのため、企業が法令を強く意識し、コンプライアンスの徹底をすることで、健全な企業体制が構築できます。

企業倫理とは

企業倫理とは、企業が活動を行う上で、守るべき重要な考え方のことです。自然環境や社会環境、人権保護といった道徳的観点から企業活動を規定し、組織として統率する考え方、仕組み作り、運用方法が含まれています。

コーポレートガバナンスとは

コーポレートガバナンスとは、コンプライアンス遵守の上で、モニタリングやコントロールを行う仕組みで、コンプライアンスを実現する仕組みであり、そのチェック体制と言えます。

また、類似した用語に「内部統制」があり、企業が自発的に組織を統制する仕組みを指します。コンプライアンスを遵守するためには、コーポレートガバナンスや内部統制といったモニタリングやチェックを行う仕組みが必要です。

SDGsとは

SDGs(Sustainable Development Goals)は持続可能な開発目標として、2015年9月に国連サミットで採択され、2030年までの間に持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、17のゴール・169のターゲットから構成されています。発展途上国のみならず,先進国自身が取り組む普遍的なものとされ、日本でもCSR達成のための基準の一つと捉え、積極的に取り組む企業が増えています。

コンプライアンスとCSR

企業のCSR(社会的責任)を遂行する上で、コンプライアンスはその根幹になります。CSRの視点から考えると、コンプライアンスは法令遵守に加えて、企業が利害関係者に対して、社会的責任を果たすための規範や方針を決め、その方針の遵守する取り組みまでのことを指します。

コンプライアンス教育

コンプライアンス意識に欠けた振る舞いは、すぐさま世間に広まり、企業のイメージに大きなダメージを及ぼし、社会的信用を失うだけでなく、最悪の場合には倒産に至る可能性もあります。そのため、コンプライアンス教育は、経営者層だけでなく社員に行い、一人ひとりに正しい知識を持たせなければなりません。

・一般社員への教育

コンプライアンスの基礎に加えて 個人がコンプライアンス違反を起こさないための教育が重要になります。自分がいつコンプライアンス違反の当事者になってしまうかわからない、というリスクを感じられる問題や事例扱う行うことで、当事者意識を持たせることが目的です。

・管理職への教育

部下を持つ立場になるため、部下に対して模範となる行動を示し、万が一社内でコンプライアンス違反が起きた場合に対処をするための、正しい知識を身に着ける必要があります。また、役職に就くことで裁量が増えるため、取引先の金銭など様々な不正に関与するリスクがあるため、関連する法令についての知識が必要になります。

・経営層のへの教育

企業経営に深く係わる経営者としての責任と役割について改めて認識し、コンプライアンス違反が経営に与える影響を理解する必要があります。さらに内部統制の一環として、コンプライアンスへの基本方針・ルールの策定、体制の構築と運用を行うための知識を身に着けると良いでしょう。

まとめ

コンプライアンスとして企業に求められることは、法令遵守だけでなく、モラルや倫理観など多岐にわたります。またCSRは、企業が利害関係者に対して果たすべき社会的責任です。その中には、企業が社会から信頼されるための行動規範である「企業倫理」、法令を遵守た効果的コントロールやモニタリングをする仕組みである「コーポレートガバナンス」、持続可能な開発目標である「SDGs」などが含まれます。そのため、企業は自社のコンプライアンスに対する姿勢を示し、具体的な方針を決めてCSRに取り組まなければなりません。

導入事例

コンプライアンスや労働基準法への意識欠如で、気づかぬうちに働かせ過ぎていた!?~大島農機株式会社~

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