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違反を起こさせないための、コンプライアンス研修の目的とポイント

2021.05.28 コラム

企業の不祥事や社員の不適切行為の増加に伴い、コンプライアンスに対する社会の関心が年々高まっています。これにより、コンプライアンスに特化した研修を実施する企業も増えています。そこで今回は、コンプライアンス違反を起こさせないための「コンプライアンス研修の目的とポイント」を詳しく解説します。

コンプライアンス研修とは

コンプライアンス(compliance)とは「法令遵守」を意味する言葉で、企業が法律や倫理観を守りながら、公正・公平に組織活動を行うことを指します。そのため、虚偽広告や脱税等「法令」そのものに違反する行為だけでなく、企業が独自に定める「就業規則や社内規程」から、倫理・モラル的に「社会通念上守るべきルール」まで、あらゆる内容を遵守することが求められます。そのため、パワハラ・セクハラや長時間労働、SNSの不適切な利用等、社員個人がコンプライアンス違反を侵すケースもあります。

これらのコンプライアンスに対する取り組みを社員に徹底させるために有効なのが、「コンプライアンス研修」です。コンプライアンス研修では、社会的な法令やルールに加え、企業内のルールの内容確認や、守ることの重要性を社員に指導します。

コンプライアンス研修の目的

コンプライアンス研修を行う最大の目的は、「社員と企業が遵守すべきルールを共有すること」です。コンプライアンス研修によって、法令や社内規定・社会的ルールを理解させることができれば、社員一人一人にコンプライアンスを遵守する意識が芽生えます。また、このように社員同士でルールを共有することで、以下の3つが達成されます。

コンプライアンス違反による不祥事を防ぐ

社員一人一人がコンプライアンスの知識を持つことは、コンプライアンス違反を防ぐために非常に有効です。コンプライアンス違反は、企業にとって大きなリスクになります。法的なペナルティを受けるだけではなく、社会的な信頼を失い、事業衰退や倒産に陥るケースも少なくありません。信頼を回復し、再び経営を軌道に乗せるまでには長い年月が掛かります。コンプライアンスの重要性を社員の意識に根づかせるためには、違反によって企業や当事者が受ける影響の大きさを理解させることが必要です。

また、最近はSNS等のメディアを通じ、誰もが情報を発信できる時代です。自分の不用意な投稿が大きなトラブルに繋がる危険性もあるため、SNSのリスクを自覚させる必要があります。

企業価値の向上

コンプライアンスを遵守している企業ということは、社会的規範に則って経営している企業となるため、企業価値の向上に繋がります。コンプライアンス研修を行うことにより、社員が企業の一員としての自覚を持ち、同じ方向を向いてコンプライアンス対策に取り組めるようになるため、企業全体の団結や成果に繋がります。また、コンプライアンスを重視し、社員教育を徹底している企業は、取引先や消費者に安心感を与えます。第三者から評価されることで企業価値が高まり、コンプライアンスが重要視される現代社会において「安全な企業」として認識されることでしょう。

コンプライアンス違反によるリスクマネジメント

どんなに徹底したコンプライアンス教育を行ったとしても、残念ながら、コンプライアンス違反が起こる可能性はゼロではありません。そのため、コンプライアンス違反が起きてしまった場合に備えて、問題が発生した際の対応についても、予め教育する必要があります。実際にコンプライアンス違反が起きたときを想定した演習を行い、損失を低減させる方法を身につけると共に、社員の問題意識を醸成しておきましょう。

対象者別コンプライアンス研修の目的

全社員に行うべきコンプライアンス研修ですが、役職に応じて求められる役割や対応が異なるため、階層別に内容を分けて実施することで、より高い効果が期待できます。

若手社員

新入社員の場合、コンプライアンスを知らない、あるいは聞いたことはあるが、何のことか分からないといった場合もほとんどでしょう。そんな新入社員を含む、若手社員に対しては、コンプライアンスの基本的な内容に加えて 個人がコンプライアンス違反を起こさないための教育が重要になります。特に近年の若手社員は、使用する機会が多く、SNSがとても身近な存在になっています。しかし、「つい、うっかり」社内の情報をSNSで漏らしてしまうと、法律違反になりかねません。自分がいつコンプライアンス違反の当事者になってしまうかわからない、というリスクを感じられる問題や事例を研修で扱うことで、当事者意識を持たせることができます。

中堅社員

中堅社員やリーダー層の場合、自分がコンプライアンスを順守することに加えて、所属部署内でのコンプライアンス違反のリスクに対処することが求められます。部下・後輩の見本となって、現場のリスク管理をし、コンプライアンス違反が発生した際には、現場と上司を繋ぐパイプ役として活躍できることが目標となります。業務に慣れ、仕事に自信が出てくると、コンプライアンスに対する意識が希薄になる人も出てくるため、気を引き締めるためにも研修は有効です。

管理職

コンプライアンスの基本的な内容はもちろんのこと、部下を持つ立場になるため、部下に対して模範となる行動を示し、万が一社内でコンプライアンス違反が起きた場合に対処するための、正しい知識が必要になります。部下への指導を適切に行うためには、コミュニケーションスキル等の対人スキルに加え、労務管理等、法律に関する知識も不可欠です。問題行動を起こす部下に対しての対応や、どのような行為がパワハラやセクハラに当たるのか、十分な知識を持たせることが必要です。

コンプライアンス研修の内容

「コンプライアンス」といっても、非常に多くの内容が含まれるため、全てを網羅した研修を実施することは難しいです。ここでは、近年特に重要性が高まり、比較的取り入れやすい2つの内容をご紹介します。

ハラスメント

近年のコンプライアンス研修において、欠かすことのできない要素が「ハラスメント」です。パワハラ・セクハラに加え、マタハラ・モラハラ・リモハラ等、様々なハラスメントに対する問題意識が高まりを見せています。一見、関係の無さそうなコンプライアンスとハラスメントですが、パワハラによる労働災害やメンタルヘルス障害の発生等、ハラスメントを原因としたコンプライアンス違反も多発しています。したがって、コンプライアンス研修では、どのような行為がどのハラスメントにあたるのか、また自分自身が被害者にも加害者にもなり得ることを理解させる必要があります。

情報セキュリティ

IT化により深刻化しているのが、情報セキュリティに関するコンプライアンス違反です。機密情報や顧客の個人情報の漏洩により、信頼を失い、大きな損失に繋がった企業は少なくありません。これを防ぐためにも、個人情報に関するガイドライン等の知識や情報管理等、情報の取扱い方法を理解させる必要があります。また、社員個人によるSNSへの不適切な投稿が拡散され、企業イメージに大きなダメージを及ぼす恐れもあるため、SNSの取り扱いについても、コンプライアンス研修で指導すると良いでしょう。

コンプライアンス研修のポイント

コンプライアンス研修を実施しても、実際に効果が出なければ意味がありません。コンプライアンス研修を成功させるための重要なポイントが、社員一人一人に「当事者意識を持たせること」です。そのため、ただ法令やルールを学ぶだけでなく、社内で抱えている課題や、他社で起きたコンプライアンス違反の事例をケーススタディとして取り上げ、「何故、その行為がコンプライアンス違反となるのか」考えさせることで、自分事として捉えやすくなります。

また、「これくらいのことなら大丈夫だろう」と思うような何気ない行動が、コンプライアンス違反になるケースがあります。

  • 会社の文房具等の備品を私物化すること
  • 上司の許可を得ずに勝手に残業をすること
  • 昼休みを多くとって、その分をサービス残業すること
  • 会社のパソコンを使って個人のSNSに投稿をすること

これらは全てコンプライアンス違反です。自分の身の回りで起きそうな、あるいは自分自身も起こしてしまいそうな事例を取り扱うことで、より意識が高まることが期待できます。

まとめ

様々なコンプライアンス違反が増加する中、企業や社員がコンプライアンスに取り組む姿勢は、不祥事を防ぐだけでなく、企業価値に直結します。階層別のコンプライアンス研修を行うことで、社員一人一人の意識を高め、求められる役割を理解させることが有効です。どのような研修を実施すれば良いかお悩みの方は、是非弊社にご相談ください。

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