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職場におけるハラスメント被害を発生させないための予防方法

2021.06.04 コラム

職場におけるハラスメント被害は社会問題となっており、都道府県労働局への相談件数も増加の一途を辿っています。社員個人への被害だけでなく、場合によっては企業イメージの低下など、企業にとっても大きな損失となるため、早急な対応が求められます。そこで今回は、「ハラスメント被害を発生させないための予防方法」を詳しく解説いたします。

ハラスメントとは

ハラスメント(Harassment)とは、相手の意に反する行為によって不快にさせたり、人間としての尊厳を傷つけたり脅威を与えたりするような、発言や行動を指します。このとき行為者(加害者)の意識の有無に関係なく、相手(被害者)が不快だと感じれば、ハラスメントは成立します。

例えば、何気ない会話のつもりで、女性社員に対して「彼氏いるの?」と聞く行為も、相手が不快に感じたとすれば、その発言は「ハラスメント」とみなされます。行為者に、「そんなつもり」がなくても、相手の主観で判断されるため、どのような言動がハラスメントに当たる恐れがあるか、正しく理解しておく必要があります。

一方で、ハラスメント被害を受けたにも拘わらず、相談できる環境が無い、仕事に支障が出たら困ると、被害にあったことを黙って表面化しないことも問題になっています。

ハラスメントによる影響

ハラスメントが発生すると、被害を受けた社員がメンタル不調を発症して休職や退職に追い込まれるケースも少なくありません。ハラスメントは次第にエスカレートする傾向があるため、加害者自身も自分の行為をコントロールできずに、被害者のダメージがより一層大きくなる危険性があります。また、被害を受けた社員だけでなく、ひどい言動やいじめを近くで見ていた他の社員にも影響が及び、職場の雰囲気が悪くなる恐れもあります。

社内でハラスメントが発生した情報が世間に広まると、企業イメージに深刻な影響を及ぼします。一度、企業のイメージが低下すると、顧客離れや、優秀な人材確保が難しくなるなど、更なるダメージを受けることになります。

ハラスメントの種類

企業内でハラスメントを発生させないためには、まずは社員一人一人に知識を身につけさせることが大切です。ここでは、職場で起こり得る代表的なハラスメントを5つご紹介します。その行為が、故意であるかどうかに関わらず、下記に当てはまる行為をしている社員がいる場合には、早急な対応が必要です。

パワーハラスメント(パワハラ)

職場内での地位や人間関係などの「優位性」を利用して、部下や後輩に業務の適正範囲を超えた、叱責や嫌がらせを行い、精神的・⾝体的な苦痛を与える⾏為のことです。上司が部下、先輩が後輩に行うことが多いですが、最近では部下が上司に対して引き起こすケースも増えています。「指導」という名目で行われることが多いため、判断が難しいという特徴があります。

セクシャルハラスメント(セクハラ)

相手の意に反した性的言動により、労働者が不利益を受ける、あるいは就業環境が害されることです。身体を触ることや、性的なからかい、性的関係やデートを強要することが挙げられます。女性が被害者になることが多いですが、男性が被害者になることや、同性同士の被害も発生しています。

モラルハラスメント(モラハラ)

相手を傷つけるような態度、言動などの精神的な攻撃によって、相手の不安を煽り、意のままに操ろうとすることです。上司・部下間だけでなく、同僚間でも起こります。パワハラとは違い、あからさまな暴力や暴言ではないことが多く、周囲の人々が気付きにくいことが特徴です。例えば、無視や仲間外れ、業務上必要な連絡をわざとしないなどが挙げられます。

マタニティハラスメント(マタハラ)

妊娠・出産・子育てをきっかけに、「不利益な就業環境を強いる」「嫌がらせをする」「不利益な扱いをする」「各種制度を利用しないよう強いる」ことです。例えば、健診のために休暇を取得したいと上司に相談したところ、「病院は休日に行くものだ」と相手にしてもらえなかったことが挙げられます。

ジェンダー・ハラスメント

性別により社会的役割が異なるという固定概念に基づいた差別や嫌がらせのことです。例えば、「もっと女らしくしろ」「男のくせにこんなこともできないのか」といった発言や、男性だから・女性だからという理由で評価を決めつけることがジェンダー・ハラスメントにあたります。セクハラと似た要素もありますが、セクハラは「性的な言動」であることに対し、ジェンダー・ハラスメントは「性別」に基づいたハラスメントです。

この他にも、リモートハラスメント、スモークハラスメント、リスクトラハラスメント、テクノロジーハラスメント、マリッジハラスメント、ソーシャルハラスメントなど、様々なハラスメントが職場で増加しています。

 

ハラスメントの予防方法

ハラスメントの起きない職場を作るためには、企業としてどのような対応をすれば良いのでしょうか。ハラスメントの予防方法を5つご紹介します。

ハラスメント研修を行う

ハラスメント発生の予防方法として、社員に対するハラスメント研修が有効です。全社員を対象に実施することがおすすめですが、階層別に分けた内容で実施するとより効果的です。例えば、管理職に対しては、傾聴スキルアサーションスキルなどのコミュニケーションや、怒りの対処法であるアンガーマネジメントの内容を追加することで、部下・後輩への正しい接し方を身に付けることができます。また、一般社員に対しても、ハラスメントについての正しい知識を付けてもらうことで、起こさないことはもちろんのこと、万が一パワハラにあった際の対処方法を理解させておくと良いです。

多様な価値観を認める職場作り

ハラスメントのない職場環境を作るためには、それぞれの社員が多様な価値観を持っていることを、受入れ、認めることが大切です。言葉や行為に対する捉え方は世代や文化だけでなく、一人一人の価値観によって大きく異なります。「こんなこと昔は当たり前だった」「この程度のことは大丈夫だろう」と思うことでも、他の人にとっては不快で苦痛に感じることもあります。このような受け止め方の違いや価値観の多様性を理解することで、ハラスメントの予防に繋がります。

社内の実態を調査する

アンケート調査などを通して、社内のハラスメントの実態調査をすることも大切です。既に社内でハラスメントが発生していないか、あるいは今後ハラスメントが発生する予兆がないか確認することができます。ハラスメントに対する社員の意識や、社内の課題を把握することによって、自社に必要な防止策を具体的に検討することもできます。アンケートの内容としては、「ハラスメントを受けたことがあるか」「ハラスメントを見かけたことがあるか」「上司/部下との関係は良好か」「社内のパワハラ対策は適切か」など、直接的な内容から間接的な内容まで設定することがおすすめです。

社内規定の設定

ハラスメントに関する社内規定を明確にすることも、予防方法として効果的です。社内規定を設け、社内外に明確にすることで、ハラスメントに対する企業としての姿勢を示すことができます。どのような行為が行われたときにハラスメントと見なすのか、ハラスメントと認定された場合にはどのような罰則を与えるのかなど、できるだけ具体的に明記することが重要です。

相談窓口を設置する

万が一ハラスメントが起きてしまったときの対応として、社内外に相談窓口を設けることも重要です。「本当にこれがハラスメントなのか」「相談した内容が漏れたらどうしよう」と迷いや不安を感じ相談できない人も少なくありません。そのため、安心して利用できるようにプライバシーに配慮し、徹底した情報管理を行う必要があります。相談窓口を設置することによって、行為者はハラスメントの事実が社内で知られ、自分の立場が揺らぐのを恐れることが想定され、ハラスメントの抑止力となることも期待できます。

まとめ

ハラスメントが発生すると、社員個人が被害を受けるだけでなく、職場全体の雰囲気が悪くなったり、企業イメージの低下に繋がったりと企業にとっても深刻な影響がもたらされます。まずはハラスメントに対する社員の理解不足を解消して、予防策を実施し、働きやすい環境を整えましょう。ハラスメント研修をご検討の際は、ぜひ弊社にご相談ください。

導入事例

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