ビジネスの必須スキル!「質問力」のメリットとプロの研修-社員教育
相手の意図や状況を把握し、適切な提案や業務遂行のために求められる「質問力」は、社会人にとって重要なスキルであり、商談や業務効率化、信頼関係の構築など、様々な場面で必要とされます。そのため、業務を円滑に進められるかどうかは、質問の仕方が大きな影響を及ぼします。そこで今回は、周囲を上手く動かし、業務を円滑に進めるために、「質問力のメリットとプロの研修」についてご紹介します。
質問力とは
質問力とは、物事の不明点や疑問点などを相手に問いかけるスキルを指します。質問と聞くと、「生徒が先生にするような、一方的に聞いて答えを得る」イメージがありますが、ビジネスにおいては、不明点や疑問点の解消だけでなく、互いの視野を広げ、理解を深める効果があります。ビジネスでは、適切な提案や判断、業務遂行のために、相手の意図や状況を正確に理解することが求められ、そのための質問力は社会人にとって必要不可欠なスキルです。適切な質問をすることで、相手に関心を持っていることが伝わり、信頼が得られるため、本音を引き出すことができます。また、情報収集力が高まるため、商談の成功や問題解決にも繋がります。
<質問力が活用できるシーン>
- 商談において、相手の課題や要望を聞き出すことができる
- 会議において、自分が欲しい情報を引き出すことができる
- 部下や後輩に対して、一方的な指示ではなく、本人のやる気や気づきを促すことができる
- 部下との面談において、話しやすい雰囲気を作り、部下の本音を引き出すことができる
- 上司からの指示の意図を汲み取り、適切な業務遂行ができる
質問力を高めるメリット
ビジネスにおいて必要不可欠な「質問力」ですが、質問力が高いとどのようなメリットがあるのか、質問力を高めるメリットを3つご紹介します。
信頼関係の構築
「質問」することで、“相手に関心を持っている”と示すことができます。そのため、質問力を習得すると、相手の興味や関心、考え方について、会話の中から効果的に引き出すことができ、相手をより深く知ることができます。また、相手について深く理解できると、互いの心の距離感が近づくため、信頼関係の構築に繋がります。一方で、ただ質問をすればよいというわけではなく、意味のない質問をし続けると逆効果になってしまうため、適度に自分の意見や感想を挟み、バランス良く質問することが大切です。
より多くの情報取得
質問力を高めることで、様々な切り口から相手の興味関心を引き出すことができるため、より多くの情報を聞き出すことができます。そのため、コーチングや面談などの場面では、対話を通じて相手が気づいていなかった悩みや強みを引き出すために、質問力が重要なポイントになります。
問題の解決
質問力を高めることで、課題や障害に対して的確に問い、深掘りすることができるため、問題解決に繋がります。「現在起こっている問題は何か?」「問題の根本的な原因はどこにあるのか?」「どのようにしたら問題を解決できるのか?」と質問を上手く活用することで、問題発見、問題の深掘り、解決策の設定と、問題解決のステップを的確に行うことができます。また、疑問点があった場合にも、一人で悩まずに自分の知りたいことを的確に質問することで、解決への糸口を見つけることができます。
質問の種類
質問には様々な種類があり、場面に応じて質問を適切に使い分けることが大切です。そこで今回は、6つの質問の種類をご紹介します。目的に合わせて上手く活用しましょう。
①クローズドクエスチョン(特定質問)
「クローズドクエスチョン」とは、「はい」「いいえ」で答える質問や、2択や3択など、回答範囲に制限がある質問のことです。相手が返答しやすいため、まだ信頼関係のない相手の興味・関心を探り、会話のきっかけを作ることができます。また、相手の考えや事実を明確にしたい場面や、商談を誘導したい場面でも有効です。しかし、多用しすぎると、相手を無理に誘導し、尋問のように感じさせる恐れがあります。
<有効な場面>
- 初対面の相手に質問するとき
- 最初に質問を投げかけるとき
- 商談のクロージング
【質問例】
- 現在の御社の課題は〇〇という認識でよろしいでしょうか
- 明日までに見積書を作ってくれますか
- 次回の打合せは、来週の火曜日と水曜日ではどちらがよろしいでしょうか
②オープンクエスチョン(拡大質問)
オープンクエスチョンとは、「どのように考えますか」「今後どのようにしたいですか」のように、回答範囲が制限されておらず、回答者が自由に答えられる質問のことです。回答範囲が広いため、会話の幅が広がり、相手の考えや意見を引き出すことができます。しかし、回答範囲が広過ぎて、相手が困るケースもあるため、信頼関係がない場合や、初対面の商談の冒頭には向いていません。
<有効な場面>
- 相手の考えを深掘りしたいとき
- 相手の自由な意見を引き出したいとき
- コーチングのように、相手の内省を促したいとき
【質問例】
- 他社では○○に関する悩みをよくお伺いしますが、御社の場合はいかがですか
- 弊社サービスのどこに不満を感じていらっしゃいますか
- この業務は、どうすればもっと効率化できると思いますか
③過去質問
過去質問とは、過去起こった事象に考えを向ける質問です。過去に起こった事実に対する質問であるため、オープンクエスチョンでも答えやすい質問です。しかし、原因の追求や部下を問いただす質問になる傾向があるため注意が必要です。
【質問例】
- どうしてこうなったと思いますか
- 何が理解できていなかったのですか
- なぜ失敗したと思いますか
④未来質問
未来質問とは、未来に考えを向ける質問で、前向きな対話になります。過去質問では、過去の記憶は変わらないため、想像力や発想力が働きませんが、未来には様々な可能性があるため、想像力や発想力が活性化します。一方で、相手の中にイメージがない場合、回答の難易度が上がる傾向があります。
【質問例】
- これからどうしたら良いと思いますか
- 問題に対してどこまで理解できていますか
- 成功するためには何が必要だと思いますか
⑤否定質問
否定質問とは、否定的な言葉を使った質問で、原因や要因を引き出すために役立ちます。しかし、自然と相手を疑うネガティブなニュアンスが含まれることから、問いただす質問になる傾向があり注意が必要です。
【質問例】
- なぜ上手くいかなかったのですか
- 上手くいかなかった要因は何だと思いますか
- なぜこの作業ができないのですか
⑥肯定質問
肯定質問とは、肯定的な言葉を使った質問で、前向きな意思を引き出す効果があります。否定質問と同じ内容を聞いても、前向きな質問をすることで、今後の行動変容を促すことができます。
【質問例】
- どうしたら上手くいくと思いますか
- 上手くいった要因は何だと思いますか
- どの作業ができますか
質問力の向上方法
それでは、質問力を高めるためにはどのようにすれば良いのでしょうか。質問力の向上方法を3つご紹介します。
何事にも疑問を持つ
質問力を高める上では、身の回りの物事に対して「なぜそうなのか」「もっと他の方法はないか」など、疑問を持つことが大切です。日常の中で気になったことを疑問として捉えることで、物事を様々な角度から見られるようになるため、質問の幅が広がります。また、相手の思考を広げる質問もできるようになります。
相手に興味を持つ
質問が上手くできない理由として、相手の話に興味を示していない、あるいは話を聞いていないことが挙げられます。まずは、相手の話にしっかりと耳を傾けて興味を示し、疑問点を探して会話を掘り下げることが大切です。また、意義のある情報を引き出すためには、相手との信頼関係も大切です。相手の話に興味を示すことに加えて、笑顔や相槌など、話しやすい雰囲気作りを心掛けることが信頼関係の構築に繋がります。
5W1Hを意識して質問する
相手から具体的な回答を引き出したい場合には、答えやすい質問を投げ掛けることが大切です。そのため5W1H(誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どのように)を意識して、状況に応じた質問すると、答えやすくなります。また、抽象的な質問の場合には、具体例や数字を挙げることで、相手が質問の意図を理解しやすくすることが大切です。
質問力が身につくプロの研修
ここまで質問の種類や向上方法についてお伝えしましたが、各場面で試行錯誤しながら個人で実践してみることが大切です。しかし、正解が分からないままやみくもに実践するよりも、プロの講師から「質問力」のポイントを教えられた上で、実践する方が明らかに効率的です。
繰り返しになりますが、商談・部下指導・チームマネジメント・面談・会議など、ビジネスの様々な場面で成果を上げるためには、多くの情報を引き出し、相手と信頼関係を構築した上で、「訊くこと」(質問力)で相手に考えさせ、気づきを促し、行動変容に繋げることが必要です。
弊社の研修では、相手に発言を促し、情報を引き出すことができる「質問力」を、「営業研修(応用)」「コーチング研修」「アクティブリスニング研修」「面談力向上研修」「ファシリテーション研修」など、様々な研修を通じて習得することができます。適切な情報を引き出すことができるようになることで、コミュニケーションが円滑になり、仕事の質が向上することが期待できます。
まとめ
「質問力」は、社会人にとって重要なスキルであり、商談や業務効率化、信頼関係の構築など、様々な場面で求められます。向上するためには、まずは何ごとにも疑問を持つことから始め、相手に興味を持ち信頼関係を構築することで、話しやすい雰囲気作りが大切です。弊社の研修では、様々な研修を通じて「質問力」を習得することができるため、使用場面を想定して目的に応じた研修をご提案いたします。社員の「質問力」でお悩みの方は、ぜひ弊社にご相談ください!
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