若手社員の成長スピードの差は、「世代別指導法」にあった!?
“最近の若者は……” という言葉を使いたくないものの、自身の常識では理解できない言動を繰り返す若手社員に手を焼いている、という方は多いのではないでしょうか。どの時代にも若者とのギャップは付き物で、この言葉が消えて無くなることは無いのではおそらく無いものと思われます。そこで今回は、そんな現代の若手社員に効果的な指導法をご案内します。
世代別の特徴
同じミスを何度も繰り返す、というのはどの世代にもあるとしても、
- 真面目に聞いてはいるものの、事の重大さが伝わっている感じがしない
- 言われたことを応用せず、異なる場面で同じような事態が起きても、過去の事例と連動して捉えられない
- 物事の本質を見極めようとせず、表面的なものでのみ捉えて行動する 等
あなたの悩みのタネは何世代? ●●世代一覧
そこで、世代別の特徴を下記の通りまとめてみました。
今皆さんが頭を悩ませているのは、やはり「ゆとり・さとり世代」でしょうか。
■ つくし世代: 2005年頃~現在?
つくしの様に連なっている、繋がっていることを指し、「つながり」を重視する傾向有。
■ さとり世代: 1996年~2004年※ゆとり世代と同じという説も有
物心ついた時が既に不況であることが影響し、欲が無く、無駄と感じたものは省く傾向有。
■ ゆとり世代: 1987年~1995年
「ゆとり教育」を受けた世代。言われたことしかやらず、すぐに諦める傾向有。
■ プレッシャー世代: 1982年~1986年
ポスト団塊世代とゆとり世代に挟まれ、プレッシャーをかけられた影響からか、物怖じしない落ち着きがあり、忍耐力が強い傾向有。
■ ポスト団塊世代: 1972年~1981年
インターネットや携帯電話が学生時代に普及し、就職氷河期の被害を最も受けた世代。
■ 団塊ジュニア世代: 1970年~1974年
就職氷河期に突入し、第二次ベビーブーム世代。
世代人口が団塊世代に次いで多いようで、受験戦争などの競争が色濃い影響有。
■ バブル世代: 1965年~1969年
高度経済成長の後半に生まれて、バブル景気の時期に就職した世代。
■ しらけ世代: 1950年~1964年
「無気力・無関心・無責任」の三無主義を中心とし、個人主義に徹する傾向有。
このように並べて見てみると、苦しい経験の有無という観点から、ゆとり世代~現代と、プレッシャー世代以前を2つに分けることができそうです。
ゆとり・さとり世代への有効な指導法
良く聞かれる世代間ギャップの一つとして、プレシャー以降の世代が、ゆとり・さとり世代に指導する際の困りごととして、
- 世代の違いからか、言動が理解できない
- どう伝えれば伝わるのか答えが見えない
という声も聞こえてきます。そこでプレッシャー以降の世代が、ゆとり・さとり世代へ指導をするときの有効な指導法5つをご紹介します。
①褒める
指導をする際、すぐに厳しく指導すると心を閉ざしてしまい、聞く耳を持ちません。まずは取り組んだこと自体を褒め、そこからできていないことを指導しましょう。褒めることを先にすることで、その後の指導を受け止めやすい環境をつくりましょう。
②質問する
ミスをした時、“なんでミスをしたの?”と攻めるのではなく“どうしたらできると思う?”という聞き方で、原因、理由、改善策を自ら気づかせる質問をしましょう。
③傾聴する
大前提として自分とは世代も考え方も違うということを念頭に、途中で否定したり諭すことをせずに、相手の考えを尊重するように、相槌を打って最後まで優しく聴きましょう。
④比較しない
競争を避け、「人と同じ」であることを尊重された世代で、人との比較を嫌う傾向があります。“同期の○○はできているのに…”などと話しても、競争心に火がつくことはないので、避けるのが無難でしょう。
⑤感情的にならない
プレッシャー世代以前と異なり、親や先生、近隣の方から怒られる、叱られるという経験が少ないことから、叱られることへの免疫がついていません。よって、叱られるとその状況を回避することで頭がいっぱいになり、重要な話の中身に意識が向かなくなります。冷静に諭すように指導することが良いでしょう。
まとめ
部下や後輩の成長は、上司・先輩の指導力の結果とも言えます。自分が受けた指導法に固執せずに、世代別の特徴を理解しながら指導をしていくことが、結果として成長スピードを早めることになるかもしれません。育ってきた時代背景が全く異なることを前提に、部下に合った指導をしていきましょう。
※当コラムは、過去の記事を一部改訂の上、再掲載しております。
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