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離職率が劇的に下がる上司・管理職の面談力の養い方-実践的社員研修のCAM

2021.12.24 コラム

上司と部下が11で定期的に面談を行う1on 1ミーティングが広まりを見せる中、「導入したが効果が実感できない」「面談で何を話せば良いかわからない」とお悩みの担当者様も多いのではないでしょうか。そこで今回は、上司・管理職が知っておきたい「部下の離職を防ぐ面談力の養い方」について詳しく解説します。

そもそも部下との面談の目的とは?

部下との面談における一番の目的は、信頼関係の維持・構築やモチベーション向上により部下の成長を促し、目標達成のサポートをすることです。定期的に15~30分程度の面談を半強制的に取り入れることで、コミュニケーションを取らざるを得ない環境ができます。面談を通じて「部下が現状を報告し、上司がアドバイスする」ことが繰り返されると、信頼関係の維持・構築に繋がります。

また、部下は自分の現状を報告するために振り返りを行い、失敗や成功を言語化します。これにより、自分自身の課題や弱みが明確になるため、経験学習のサイクル(経験→振り返り→概念化→実践)を通じて成長を促すことができます。

さらには、上司は職場で起きている問題や、部下の目標の達成状況を把握することができるため、業務プロセスの見直しや目標達成に向けたサポートをすることができます。面談では、普段の業務上での関わりだけでは知り得ない部下の悩みや不安も知ることができるため、ワークライフバランスの実現や離職防止に繋がります。

面談力の養い方

面談力を養うためには単にトーク力を上げるだけではなく、面談をする部下を知ることから始まります。そのためには、事前準備として、部下への質問や面談シートを用意し、面談中には、傾聴して共感をすることで、部下の現状を正確に把握する必要があります。

また、コーチングを通じて部下を成長させるためには、問題解決のプロセス確認や、目標達成への行動を促すことも大切です。そこで、面談力を養うポイントを7つご紹介します。

面談の目的を明確にする

上司と部下が相互に理解を深め、より効果的な面談を実施するためには、「何のために実施するのか」面談の目的を明確にして、事前に共有することが重要です。目的が明確でないと、「面倒くさい」「どうせやっても意味がない」という認識で実施することになり、面談自体が雑談で終わってしまったり、業務の進捗を確認するだけになったり、時間の無駄になってしまいます。面談をより有意義な時間にするために、事前に目的を共有しましょう。

傾聴して共感する

面談をする上で大切なことは、部下の話に傾聴して共感することです。傾聴することで、部下の本音を引き出しやすくなります。部下の成長を促し、不安や課題を取り除く面談にするためには、上司の話が一方的では意味がなく、部下の全てを受け入れる姿勢を示すことが大切です。そのため、面談では部下を否定することを避け、本人の意思確認の時間にし、感じていることを自由に話してもらうようにしましょう。

さらに、「話を最後まで聞かない」「堅苦しい表情で話を聞く」といった面談中の態度や表情では会話が上手く成り立たなくなり、信頼関係を失う恐れがあるので注意が必要です。

部下への質問を事前に用意する

質問の内容が決まっていないと、雑談で終わることや、上司側も何を質問してよいかわからず、一方的に話してしまう恐れがあります。話のネタに困らないよう、面談前に可能な限り様々な質問を用意しましょう。おすすめの質問を4つご紹介します。

また、面談の主役は部下であるため、部下が話したい内容を取り入れ、自ら考えて答えを出せる質問も用意しておきましょう。

・最近あった嬉しかったこと

面談の冒頭から本題に入ると部下が委縮するため、まずは答えやすい質問をしましょう。部下の人となりを知ることで、話が弾み本音を引き出しやすくなります。

・最近困っていること

業務中は、部下が抱えている「重要だが緊急度の低い課題」が見過ごされる恐れがあります。面談は、そうした悩みや課題を聞き出し、部下の不安を解消するきっかけになるため、メンタル不調や突然の離職を防ぐことができます。

・やりがいを感じること

部下が目指すキャリアを理解していなければ支援はできません。部下の価値観やモチベーションを知ることで、将来どのように活躍したいかを明確にするきっかになります。

・どうして成功or失敗したと思うか

成功や失敗の理由だけでなく、そこから何を得たのか気付かせることで、成長に繋げます。部下の考えを否定せずに、「得たことを次にどのように活かすか」を部下自身に考えさせ、答えを出せるように導くことが大切です。 

問題解決のためのプロセスを確認し合う

問題解決のためのプロセスの確認を行わないと、部下が壁にぶつかり悩んでしまうことや、目標達成できないケースがあります。そのため、部下が自分自身の力で問題解決できるようにプロセスを確認することも、面談における上司の重要な役割のひとつです。その際、問題解決のための答えではなくヒントを伝えることが重要です。上司から答えを教えるのではなく、自分自身で考えさせることで「自分の力で課題解決した」という部下の成功体験に繋がり、自身の成長を実感することができます。

また、部下ひとりで問題解決をさせるのではなく、プロセスの確認を通じてサポートすることで「上司は力を貸してくれる」という安心感を与えることができます。このように、面談を通じて安心感を与え、成功体験に導くことは、信頼関係の構築にも繋がります。

目標達成のための自発的な行動を促す

面談の中で目標設定や進捗に対して質問や対話・フィードバックを行うことで、部下に気付きを与え、目標達成に向けて自発的な行動を促すことができます。そのためには、部下のモチベーションを上げる必要があり、上司は部下がモチベーションを維持・向上できるようにサポートすることが重要です。例えば、部下の仕事ぶりに対して労いの言葉を掛け、「この業務にはあなたが必要だ」というメッセージを伝え、認識させることが挙げられます。部下は自分の存在意義が認められることで、モチベーションを維持しやすくなります。

また、自発的な行動を促すためには、目標を明確に設定することも大切です。目標を明確にすることで、自分がやるべきことが行動レベルでわかるため、部下が主体的に動くようになります。その際、すぐに成果が出やすい業務を提案することで、目に見える成果や達成感を得ることができるため、モチベーションの更なる向上に繋がります。

面談シートを用意する

面談シートを作成すると、話のポイントを整理することができます。また、上司が事前に面談の準備ができるため、対話の質の向上が期待できます。また、議事録として活用することで、次の面談の際に振り返りができます。面談シートを作成しないと、部下はその場で振り返り、考えることになるため、無駄な時間が掛かってしまいます。

面談シートでは、初めに設定した目標を確認します。具体的な目標を設定し、形骸化しないように都度見直しましょう。目標達成により、どのようなメリットがあるか理解させることで、モチベーションが維持できます。また、目標の進捗状況の確認も必要です。「どのくらいで達成できるのか」や「目標達成への障害がないか」を確認し、目標設定と試行錯誤を通じて、部下の成長を促すことが大切です。

さらに、仕事・プライベートにかかわらず、上手くいったことや悩みも確認します。上手くいったことは答えやすい質問であるため、面談の最初に聞くと話を弾ませることができます。一方で悩みは、業務の進捗や目標達成、離職など様々な影響があるため、丁寧に聞き出し、部下が話したがらない場合は無理に追及しないようにしましょう。

部下の話を聞き終えたら、普段の業務の様子を踏まえてフィードバックを行います。上手くいっていることは褒め、悩みには適切な助言を与え、克服できるようにサポートし、部下が自分で課題を見つけ、解決に辿り着くよう導きます。

定期的に面談する

面談は、1回あたり15分程度の短い時間でも良いので、1か月に1回を目安に定期的に実施するようにしましょう。何人もの部下を抱えていると、定期的に実施することは難しいかもしれませんが、上司の役割である「部下のパフォーマンスを最大化し、成果を上げさせる」ためには面談が不可欠です。面談を通じて部下の目標への進捗状況を確認し、必要に応じて行動を修正させる必要があります。

また、定期的に面談が実施できると、部下とのコミュニケーションが密になるため、信頼関係の継続にも繋がります。定期的に面談が実施できないと、「上司が自分のことを気に掛けてくれていない」と部下が孤独感を抱く恐れがあるため、定期的に実施できない場合であっても、その旨を伝え、代わりの日程を設定するようにしましょう。

部下との面談時の注意点「こんな面談は部下に悪影響」

部下との面談において、良かれと思って行動したことが、却って逆効果になることもあります。部下に悪影響を及ぼす面談の特徴を2つご紹介します。

上司の経験談や精神論をひたすら聞かせる

上司の経験談や仕事への心構え・ノウハウを伝え、アドバイスをすることは大切ですが、上司が求める答えを部下から引き出そうとする面談や、一方的に言い聞かせる面談は、部下の成長に繋がりません。上司の経験談や精神論をひたすら聞かせることは、部下にとって精神的に苦痛な時間であり、部下からの信頼が薄くなります。

また「俺が若い頃は」「気合で乗り切れ」といった精神論はパワハラに繋がる行為であるため、注意が必要です。こうした経験談や精神論は、上司からの一方的な話になる傾向があるため、あくまでも面談は、部下が主体的に話すための場として捉える必要があります。

プライベートの話題が中心になる

面談の際に、プライベートに関する話題を取り上げることがあります。こうした雑談は、部下の緊張をほぐし、場を和ませるために適しており、面談の開始時や会話が途切れたときに有効です。しかし、プライベートの話題はフランクに話しやすい一方で、センシティブな内容も少なくありません。そのため、知らず知らずのうちに踏み込み過ぎて、プライバシーを侵害するリスクがあります。

また、プライベートの話で盛り上がり過ぎて、面談が本来の目的である目標設定や評価から逸れてしまう恐れもあります。そのため、会話の繋ぎとしてプライベートの話題を取り入れる場合には、話を広げすぎないように注意が必要です。

まとめ

今回は、面談力を養うためのポイントを解説しました。面談力を養うためには、トーク力だけでなく、面談のための準備の他、傾聴・共感力、コーチングなど、様々なスキルが求められます。自社で面談力を向上させるのは難しそう…と感じた方は、是非弊社にご相談ください!貴社の課題やご要望に沿った研修をご提案いたします。

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