閉じる

News Columnニュース・コラム

無意識のハラスメントを防ぎ、よりよい職場を作るハラスメント研修-社員教育のCAM

2022.09.09 コラム

2022年4月から、中小企業を含む全ての企業に対して、「ハラスメント防止措置」が義務付けられました。これにより企業では、ハラスメント防止に向けて様々な取り組みが行われています。一方で、対策がなかなか進んでいない企業も少なくありません。その要因のひとつに、「無意識にハラスメントをしてしまう社員」の存在が挙げられます。ハラスメントの加害者の中には、自分の言動がハラスメントに該当すると思っていない人や、ハラスメントを他人事だと考えている人も多くいます。

そこで今回は、「無意識にハラスメントをしてしまう人の特徴やその具体例・対策」について紹介します。

無意識にハラスメントをしやすい人の特徴

無意識なハラスメントを起こしやすい人の特徴を2つご紹介します。

①熱血指導タイプ

一つ目は「熱血指導タイプ」つまり、部下や後輩を叱咤激励して指導する傾向がある人です。自分自身は、部下の奮起や成長を期待しての声かけだと思っているかもしれませんが、過度や度重なるものなど、相手を追い詰めるような𠮟咤激励はハラスメントに相当します。

本人はついうっかりと口にしたことで、悪気は全く無い場合にも、このような言動はハラスメントになり得ます。

②固定観念が強いタイプ

二つ目は「固定観念が強い」つまり、「~すべき」「~すべきでない」のような「べき」思考が強い人です。例えば、「部下は上司の言うことを聞くものだ」「女性は結婚したら(子どもが生まれたら)家庭に入るべきだ」などが挙げられます。

「~すべき」「~すべきでない」といった、自分なりの考えや行動規範は、誰もが持っています。しかし、この思考が強いと許せない事柄が増えるため、怒りの感情が生じやすくなります。また、他者にも自分と同じ価値観を求めるため、パワハラに繋がりやすくなります。

なぜハラスメントの自覚がないのか…

熱血指導タイプの人の中には、自分自身が若い頃に激しい叱咤激励を受けた経験を持つ人もいます。そのため、厳しい指導は当然のことであり、ハラスメントに該当しないと思い込んでいます。固定観念が強いタイプも同様に、自分が持つ価値観が正しいと思い込む傾向にあります。

正しいことをしていると思っているため、自分の言動がハラスメントに該当するとは思ってもおらず、なかなか自分事として捉えられません。ハラスメント対策を行うためには、まずはこのような人たちに自分の言動を客観的に捉えさせる必要があります。

無意識なハラスメントの例

無意識に起こしやすいハラスメントの例をご紹介します。

パワハラ

  • 人前で叱責する
  • 報告に対して、ため息や舌打ちで不満を表現する
  • 部下の能力を考慮せず、レベルの高い業務を任せる
  • 部下の能力を極端に下回る業務だけを任せる

パワハラには「優越的な関係を背景として行われる」「業務上必の適正範囲を超えて行われる」「身体的もしくは精神的な苦痛により、就業環境が害される」という3つの要件があり、これら全てを満たすものがパワハラに該当します。

セクハラ

  • 恋人の有無や結婚の予定を尋ねる
  • 「力仕事は男」「お茶くみは女」といった、ジェンダーに関連する言動
  • 女性社員の発言を全く聞き入れない
  • 必要もないのに身体に触れる

厚生労働省では、セクハラは『職場」で行われる「労働者」の意に反する「性的な言動」により、「労働者が労働条件について不利益を受けたり、就業環境が害されること』と定義されています。

マタハラ

  • 妊娠の報告に対して「こんな忙しい時期に妊娠するなんて」と嫌な顔をする
  • 「今、休まれると困る」と、育児休暇や時短勤務等を認めない
  • 「育児との両立は大変だろうから」と、本人の意向を聞かずに異動させる
  • 「子供がかわいそうだから、専業主婦になるべきだ」と、退職を促す

厚生労働省では、マタハラは『「職場」での上司・同僚からの言動により、妊娠・出産した「女性労働者」や育児休業等を申出・取得した「男女労働者」の就業環境が害されること』と定義されています。

ハラスメントを自覚させるには?

ハラスメントを減らすためには、社員一人ひとりが自分自身の言動について「これはハラスメントではないか」と意識する必要があります。しかし、無意識にハラスメントをしてしまう人は「自分の言動は悪くない」と思っています。

この思い込みを解き、ハラスメントを防ぐための方法として、以下の2つのアプローチが考えられます。

直接本人に伝える

この方法のポイントは、どの行為がなぜハラスメントに該当するのか、具体的に伝えることです。「あなたのやっていることはパワハラだ」と抽象的に伝えるのではなく、「人前で、大声で叱責するのはパワハラなので、他の方法で指導してほしい」というように、具体的に伝えるとわかりやすいです。

直接伝えると、本人が自覚しやすいことがメリットですが、指摘する人とされる人の関係や言い方によっては、却って話がこじれる可能性もある為、注意が必要です。

ハラスメント研修を行う

研修を行うことのメリットは、大きく2つあります。1つ目は、客観的な立場である講師から話を聞くことで、自分の行為を客観的に振り返り、自分の言動がハラスメントであることに気づくきっかけができること。2つ目は、本人に直接指摘する必要がないため、関係をこじらせずに済むことです。本人が自省に至らなければ変わりませんが、研修を通じて職場全体のハラスメント意識を上げることで、本人の意識も変わることが期待できます。

「ハラスメントを予防する研修」については、こちらの記事でも紹介しています。

【事例紹介】ハラスメント研修の効果は?

ハラスメント研修では、「ハラスメントに該当する行為」や「ハラスメントを防ぐ方法」を学びます。また、ハラスメントの無い職場づくりとして、ハラスメントが起きにくいコミュニケーション方法も習得します。

弊社キャムテックでも、企業様の課題に合わせたオーダーメイドのカリキュラムで「ハラスメント研修」を行っています。実際に弊社で行ったハラスメント研修の事例を紹介しますので、参考にしてください。

・「ハラスメント」に対する共通認識ができ、従業員間の会話が変わった!

廃棄物処理業を主業とする有限会社幸和様は、「仕事は背中で覚えるもの」「仕事は根性」といった価値観を持った社員がおり、悪気なく厳しい指導をする場面が見られるという課題を抱えていました。

ハラスメント研修を実施し、どのような言動がハラスメントに該当するか学んだ結果、社員同士で互いの言動に注意し合えるようになりました。

気づかぬうちに自分も加害者に!?正しい知識を身に付けて働きやすい職場づくりを

・無意識のうちにしていたハラスメントを、自分事として自覚するように

ヤマトグループの一員であるヤマト包装技術研究所株式会社様は、管理職と若手社員の間にハラスメントに対する認識の差があり、管理職がハラスメントを自分事として捉えてられていないという課題を抱えていました。

ケーススタディを通じて自分の言動を振り返ることで、ハラスメントを自分事として認識できるようになりました。さらにアンガーマネジメントについても学び、感情コントロールの重要性を実感しました。研修後は、指導の際の言葉選びや態度などに変化が見られました。

管理者と若手の捉え方には、ギャップがあった?継続的な教育機会でハラスメントが起きない組織を

・バラバラだったハラスメントの認識を共通化でき、社員の意識も変わった

精密加工業の太陽工業株式会社様は、従業員のハラスメント意識が低いという課題を抱えていた他、お客様からCSRについて質問を受ける機会が増えたことから、本格的なハラスメント対策の必要性を感じ、研修を実施しました。

研修では自社での事例を検討し、ハラスメントに対する意識の差を実感しました。研修後は、ハラスメントの認識を共通化することができ、社員自身がハラスメントにならないよう意識して行動できるようになりました。

「えっ!これもハラスメント!?」社会的課題への取り組みとして、ボーダーラインを共通認識へ

まとめ

自覚なくハラスメントをしてしまう人がいると、会社のハラスメント対策も思うように進みません。本人に直接注意するなどして、ハラスメント行為を自覚してもらうようにしましょう。

本人の自覚を促すには、「ハラスメント研修」を行うことも効果的です。弊社でもハラスメント研修を行っておりますので、興味を持たれた方はぜひお気軽にお問い合わせください!

関連する研修

関連する投稿

メールでのお問い合わせ
03-6837-5302 平日9:00~18:00