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新入社員研修の実践的なスケジュールをご提案 - 実践的研修のCAM

2021.03.23 コラム

新入社員研修のスケジュールを作成するにあたり、何から手をつけて良いかお困りのご担当者様も多いのではないでしょうか。研修の目的が企業により様々であるように、研修スケジュールも自社に適したものを作成することが失敗しないための秘訣です。そこで今回は、「失敗しない新入社員研修のスケジュールの作り方」を詳しく解説します。

新入社員研修スケジュールの例

弊社の新入社員研修のスケジュールの一例は、ご覧のとおりです。
(企業様内会議室での集合またはオンライン形式で実施)

 

時間 カテゴリー 内容 形式
0:30 オリエンテーション

研修の目的を明確にした上で、研修の自己目標を設定します。

ワーク
1:00

社員として求められる期待と役割の理解

【役割認識の醸成】

・社会人としての心構え

・仕事における自分の役割とは

レクチャー
1:30 ビジネススキル・マナーの確認

【理解と実践】

・挨拶・振る舞い・言葉遣い

・身だしなみ

・指示の受け方・報告の仕方 など

ワーク

ロープレ

2:00

職場において必要なコミュニケーション力

【理解と実践】

・コミュニケーションの基本を理解する

・仕事を円滑にするためのコミュニケーション

ワーク

ロープレ

2:00 ここまでの学習内容を使って考える

【人と仕事をするということ】

・先輩・上司への報連相のポイントなど

ワーク
0:30 今後に向けて

・研修を振り返り、「明日から取り組むこと」を設定する。

ワーク

 

上記の研修のスケジュールには、3つの目的があります。

①社会人としての心構えを身につけ、学生から社会人への意識転換・形成
②挨拶、振る舞い、言葉遣い、報連相など基本的なビジネスマナーの習得
③新入社員として職場で求められるコミュニケーションスキルの習得

これらを目的として行うことで、どこの職場でも活躍できる社会人としての基礎能力を身につけ、実践に繋げます。

新入社員研修スケジュールを作る手順

新入社員研修の実施にあたっては、スケジュールの作成だけでなく、予算の設定やカリキュラムの検討、研修を自社で対応するのか、研修会社に委託するのか、委託する場合には研修会社の選定など、決めなくてはいけないことが多岐に渡るため、余裕を持って取り組みましょう。研修のスケジュールを立てるためには、自社で対応するか、研修会社に委託するのか決めなくてはなりません。そのためにも、まずは研修の目的を明確にして、新入社員に身につけさせたい知識やスキルを洗い出しましょう。

研修の目的や目標・カリキュラムを決める

新入社員研修の計画を立てる上では、「何のために実施するのか」「いつまでにどのようなことを、どの程度できるようにするか」を明らかにすることが重要です。目的とゴールが曖昧では、何から手をつけて良いか分かりません。ゴール設定をする上で、目指すべき目標と現状のギャップを比較することで、どんなことが研修に必要か検討することができます。

研修を通じて得られることを明確にすることで、新入社員が聞くだけの受け身姿勢から脱却し、積極的に参加することが期待できます。

新入社員研修の内容は、会社や事業内容の理解を深める研修、業務上の基礎知識を習得する研修、ビジネスマインド研修、ビジネスマナー研修コミュニケーション研修コンプライアンス研修など様々です。研修を通じて習得すべきスキルが明確になると、新入社員は自身の課題を把握し、目標と現状の差を実感することができるため、その差を埋めるための行動に繋げることができます。

目標の設定においては、例えば、『ビジネスマナーの習得』を目指す場合、「社会人として求められるビジネスマナーを身につける」のような漠然とした目標ではなく、「研修期間中に、先輩や上司からビジネスマナーで注意を受ける機会を0にする」「敬語を覚えるために、いつまでにテストをして満点を取る」というように、具体的で測定可能な目標を設定しましょう。

その上で、研修の目的や目標・カリキュラムを決める方法として、下記の2つがあります。

・管理職員や前年度入社社員から意見をもらう

・事例を参考にしてみる

管理職社員や前年度入社社員から意見をもらう

実際に新入社員研修を受講した経験がある、前年度の新入社員にヒアリングを行って決めることは有効です。前年の新入社員研修のプログラム内容を基に、アンケートを作成しましょう。アンケートを実施する際には、新入社員研修を通じて学んで役に立った内容や、不要だと感じた内容を答えてもらう他、新入社員研修で学んでおきたかったこと、配属前に身につけておくべきスキルなど、どのようなプログラムがあると良いか提案をしてもらうと、新入社員研修の質の向上に繋がります。

また、配属先の管理職社員には、前年度の新入社員と共に業務をする中で、生じた課題や気になった点をヒアリングすることで、現場が求めるスキルや知識が明確になります。ヒアリングを行わないと、現場で求められていない、不要なプログラムを実施する恐れもあるため、ヒアリングによって、現場が求めるスキルを習得できるカリキュラムを作成しましょう。

事例を参考にしてみる

他社で成功した事例を参考にすることで、自分では思いつかなかったユニークなプログラムを取り入れることができます。

ユニークな研修プログラムとして、照度ゼロの真っ暗闇で、チームのメンバーで共同作業をする「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」に注目が集まっています。視覚情報に頼れない状態では、お互いに助け合う必要性があることから、通常よりも濃密なコミュニケーションが図れ、気づきを促すきっかけになることから、「トヨタ自動車株式会社」や「株式会社資生堂」など、多くの企業で取り入れられています。

また、「株式会社ロッテ」では、新入社員を対象とした研修の一環として歩道のガム取り清掃活動を行っています。ガムのトップメーカーとして、ポイ捨て防止の啓発活動を行うことで、新入社員に啓発活動の重要性を実感させることを目的としています。

初めて新入社員研修を担当される場合は特に、どのような内容を取り入れれば良いか分からず、効果的な内容を構築できないこともあります。他社事例を参考にすることで、自分よがりな研修になる危険性が無く、自社に適した失敗しないカリキュラムを作ることができます。

研修の予算を確定させる

新入社員研修に拘わらず、研修の計画を立てる上で予算の設定は欠かせません。予算がいつまでも確定しないと、研修構築の時間がその分無くなったり、本来実施すべき研修が実施できなかったりと、社員に十分な教育機会を提供することが難しくなる恐れがあります。

研修を自社対応するか、研修会社に委託するかによっても、必要予算が変わります。

自社対応することのメリットとして、研修会社に支払う費用が削減できることがあります。しかし、講師となる社員を養成するコストや資料作成コストなどが発生するため、必ずしも削減できているとは限りません。

一方で、研修会社に委託する場合、研修テーマ、所要時間、受講人数、講師などによって、費用は研修会社によって異なるので確認しましょう。また、研修会場として外部の施設を利用する場合は、別途費用が掛かるため注意が必要です。

前年度の予算も参考にしましょう。「新入社員研修は毎年やっているから…」と、何となく予算を立てるのではなく、毎年のことだからこそ、「無駄な費用が掛かっていないか」、あるいは「予算を増やして研修を充実させるのか」など、前年度の予算が適切だったか確認することも重要です。

社員の教育や育成に活用できる様々な助成金制度もあるため、上手く活用しましょう。厚生労働省の「人材開発支援助成金」は、専門的なスキルを身につけさせるための職業訓練や、人材育成制度を利用した際に掛かる諸経費の一部を助成する制度です。

外部業者に委託するか自社内で実施するか決める

研修の予算が決まったら、研修を自社で行うか研修会社に委託するか決めましょう。それによって、今後の準備や対応が変わります。

社内では対応が難しい、専門的な内容の研修を希望するという場合は、外部委託がおすすめです。その分野のプロや第一線の講師から、専門的な内容を短期間で習得できるため、より効果的な研修が行えます。また社内では中々、手に入れることができない同業界や他業種の情報や、最新の事例を聞くことができます。プロの講師は話術にも長けているため、自然と新入社員の理解度が高まります。

ビジネスマインド研修や、ビジネスマナー研修のような一般的な内容の場合、社内でも対応は可能ですが、効果を上げやすい研修のノウハウを沢山持ったプロの講師に依頼をすることで、より効果的な研修を行うことができます。

また、自社対応で社員研修を行うためには、研修内容の考案、資料の作成、研修の実施など担当者の負担が大きくなるため、仕事の繁忙期には研修の実施が難しいですが、研修会社に委託をすることで、準備の負担や時間を削減できます。

一方で、事業内容に関する研修や、自社のシステムや機械の使い方を習得する研修に関しては、外部講師に一から説明をして実施するよりも、社内や業界に精通した上司や先輩社員が担当すると良いでしょう。

関係者の予定を調整してスケジュールを決める

新入社員研修の日程調整はよくあるお悩みの一つです。入社式から配属までのスケジュールを立てて、逆算して進めていく必要があります。新入社員がいつ配属になるのか分からないと、受け入れる側の現場では準備ができません。入社後にどのような研修を受けた上で、いつから配属になるのか、スケジュールを明確に立てて、事前に共有しましょう。

多くの企業では、新入社員研修の検討を1月頃から始め、4月の上旬に実施します。人気の講師、セミナーである程、予約が取りづらくなるため、研修会社に委託する際は、早めに検討を始める必要があります。また実施予定日を1日に絞るのではなく、候補を2~3日挙げることで、研修会社との日程調整がスムーズに行えます。

一方で、社内で対応する場合には、新入社員だけでなく、講師役を務める社員のスケジュールも確保しなければなりません。講師役の社員が確保できず、急遽外部講師を探すようになることがないよう、関係各部署の繫忙期を考慮した上で、こちらも早めに検討し依頼しておくと良いでしょう。

テンプレートを活用してスケジュールを作成する

スケジュールを作成する際は、実施する研修の詳細が一目で分かるよう、必要な項目に絞り込み、見やすいフォーマットで作成することをお勧めします。ExcelやGoogleスプレッドシートなどにテンプレートとして入っているガントチャートやカレンダーを上手く活用することで、スケジュール作成に掛かる工数を大幅に減らすことができるだけでなく、研修の内容を整理することができます。

新入社員研修スケジュールを作るときのポイント

新入社員研修のスケジュールを作成する際、新入社員の目線に立って作成することが必要ですが、新入社員に気を遣い過ぎて甘やかすようなスケジュールでは、新入社員の成長に繋がらないため注意が必要です。しかし、研修内容を1日間で詰め込むようなスケジュールでは、学ぶことが多すぎて、新入社員のアウトプットの質が低下してしまいます。ゆとりを持ったスケジュールで、適宜休憩を取りながら行い、研修の終わりには研修内容を振り返る時間を設け、フィードバックを行いましょう。

ここでは、スケジュールを作成する際のポイントを4つご紹介します。

・研修を無理に1日で完結させない

・自社や業界を学ぶ研修を先に行う

・休憩時間は1時間ごとに10分前後とる

・フィードバックの時間を設ける

研修を無理に1日間で完結させない

研修で身につけさせたいスキルや知識が多い場合、研修を2日間に分けて実施することが理想です。研修は知識のインプットだけで終わらせず、アウトプットを行って初めて、自分のものになり、理解度を上げることができます。 1日で学ぶ量が多すぎると、新入社員は内容を全て整理できず、アウトプットの質も低下してしまいます。1日ずっと座学で話を聞き続けるような研修では、新入社員の集中力やモチベーションが保てなくなるため、ワークやロープレの時間を上手く取り入れて、集中力を保つための工夫が必要です。

また、日にちを開けて2日間実施することで、1日目に身につけた知識を、2日目の研修までの期間に自分で実施してみて、分からなかった点や出来なかった点を踏まえて2日目の研修に臨み、復習ができるため、より効果的な研修になります。

自社や業界を学ぶ研修を先に行う

自社の経営理念や就業規則、事業内容などの会社で働くうえで必要な説明や、業界についての基本知識を予め身につけた後に、実践的なスキルを学んだ方が、一つ一つのスキルが会社にとってどんな意味や役割があるか理解できます。基礎を理解していない状態で実践的な内容の研修を行ってもイメージがつかず、研修の効果が薄くなってしまいます。また、様々なスキルの中でも、ビジネスマインドやビジネスマナーなどの社会人の基礎は、入社後できるだけ早い段階で実施するようにしましょう。

休憩時間は1時間ごとに10分前後とる

受講者の集中力を保つため、休憩時間は1時間に10分を目安に確保しましょう。特にオンライン研修の場合、長時間モニターを見続けたり、ヘッドホンをし続けたりすることは、受講者・講師共に負担が掛かるものです。休憩をとるだけでなく、研修中にも手を挙げる、立つなど動きを取り入れるようにしましょう。

フィードバックの時間を設ける

研修の終わりに、研修内容を振り返る時間を設け、学んだことを今後の業務にどのように活かすか、具体的な行動目標を設定させましょう。

振り返りにより、自分が何を理解して、何を理解できていないかを明確になると、今後の業務の中で意識して行動すべきポイントを把握することができます。また、研修の内容について行けなかった新入社員に対して的確なフォローを行わないと、最悪の場合離職に繋がりかねません。研修後に適切なフォローを行うことで、新入社員の定着を図りましょう。

研修で学んで終わりでは実施した意味がありません。振り返りをすることによって、学んだことを復習し、定着を図ると共に、実際の業務に活かしてもらうことが大切です。

まとめ

今回は、失敗しない新入社員研修のスケジュールの作り方について解説いたしました。スケジュールを作成するためには、まず初めに研修の目的と目標を明確にすることが重要です。その上で、研修を社内で対応するか、研修会社に委託するか選択した後、予算の設定、スケジュールの確保など、決めることや考えることが沢山あります。研修会社の利用を検討中のご担当者様は、是非一度弊社にご相談ください。

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